原題:GHOSTBUSTERS
監督・制作:アイヴァン・ライトマン
アメリカ映画 1984年
☆☆☆
<ストーリー>
ニューヨークにあるコロンビア大学に、3人の一風変わった科学者達が勤務していた。女好きのピーター、超がつくほどの怖がり、レイモンド、そして、3人の中では最も真面目であるイゴンである。
彼らの専門は幽霊や超常現象といったオカルトの類。しかし、研究はお世辞にもうまくいっているとは言えず、挙げ句の果てに幽霊が怖くて逃げ出す始末。そんな彼らは、とうとう大学側から見限られ、研究室から追い出されてしまうのだった。
仕事を失い困り果てた彼らは、借金を作り一つの会社を立ち上げることにする。それは、『ゴーストバスターズ』という、その名の通り幽霊退治をするという会社だった。新たにジャニーンを秘書として迎え入れ、設備も整えた一行。しかし、その胡散臭さのためか、肝心の依頼がいつになっても舞い込んでこない。このままでは借金も返せず破産してしまう一行の元に、ある日とうとう依頼主がやってきた。その依頼主は、ディナという女性だった。
(MIHOシネマさんから引用)
という事でゴーストバスターズ。新作の「ゴーストバスターズ/アフターライフ」も絶賛公開延期中。女性版リブートの2016年版は正直微妙な感じでしたけど、「アフターライフ」は今作の監督のアイヴァン・ライトマンの息子のジェイソン・ライトマンが監督と言うメタ要素が非常に面白い部分。ジェイソン・ライトマンは過去作も面白いのが
多いのでちょっと期待してます。
で、初代のゴーストバスターズですが、大人になってからも1回くらいは見た事あったっけかな?でもやっぱり子供の頃に何度も見た記憶の方が大きいです。映画館では見て無いけど、当時はTV放送で洋画を見るのが好きで、そのままずっと映画好きってわけでもなかったですが、当時は結構見てました。深夜にやってた「エクスターミネーター」を、え?これ「ターミネーター」の続編なの?とか思って楽しみにしてたら全く関係無かったとかいうのも良い思い出。厳密には映画では無いんだけど、映画枠で放送されたTVドラマの「V」とかがメチャメチャ好きでした。大人になってからもDVD-BOXを買って見返したくらい。今では珍しい両面DVDなんですよね、あれ。
基本的には私はノスタルジーってあまり好きでは無くて、「昔は良かった」みたいな言い方は大嫌いなんですが(今も面白い物いっぱいあるのでそれを否定している気がしてくるんですよね)、それでもやっぱりそういうノスタルジックな部分で語ってしまいたくなるのがゴーストバスターズです。
今でも通用する不朽の名作、とかでは決して無いんですよね。80年代感が満載。ライムスター宇多丸がリブート版の時にこちらの旧作の事も色々と語ってて、映画史の上での位置付けみたいなものはそちらを参照してもらうのが一番です。
当時のコメディー畑の人達のアンサンブルで、そういう人気者が当時の流行物を自分達なりに堂々とやってみせる、みたいなのは子供の頃に見ていた自分には知る由もありません。
この手のVFXアドベンチャー大作みたいなの、子供の頃は夢中になって見てましたけど、何でしょうね?やっぱり目新しかったのかな?今まで見た事が無いような世界を体験できる、みたいなのが子供心にも響いてたんじゃないかと思います。今思えば、の話ですけどね。
「ニューシネマパラダイス」のトト少年がね、スクリーンに夢中になってかじりついてた感覚なんかがやっぱり近いのかなと。子供の頃から漫画とかは好きで、アニメや特撮とかも好きな部類ではありましたけど、そういうのと同じ感覚。あるいはそういうのからちょっと背伸びした世界だったのかな?映画も好きでした。まあ今の映画状況ともまた違って、映画の話題作がちゃんと世間の注目の的になってたような時代ですしね。
今見ると、あれ?シガニー・ウィーバーがヒロインだったんだっけ?とか、意外とバスターズのミッションは少なかったんだな、とか(雑誌の表紙を飾ってその活躍を省略する、みたいな演出をこれもやってたんですね)今なりの見かたをしてもそれなりに面白いです。ビル・マーレーは今でも一線で活躍してますし、私のipodにレイ・パーカーJr.の有名な主題歌も入ってたりはするので、そこまでなつかしい感じはしませんが。
今だと演出がどうの、テーマがどうのと映画オタクなりに語り口はいくらでもありますが、子供の頃はそんなメンドクサイ見かたじゃ無くて、もっと単純にワクワクして見てたんだろうなと、時の流れを感じずにはいられません。
つーか子供の頃と同じ目線で「わくわくして楽しかった」程度の事しか語れないようなのもそれはそれで嫌です。
でもね、そういう「子供心にわくわくさせるもの」もきっと大切なんですよね。最初から映画ってこんなに深いのか、なんて思うより、最初はやっぱり「映画って楽しいな」って思わせてくれるものに出会って、その内にね、沢山見て行く中でもっと違う作品なんかにも出会って行くっていう道筋みたいなものがあるわけで、だからそのうち小難しい物をしたり顔で語ったりするように次の段階に進んで、娯楽作みたいなものをバカにしたりするようになるんだけど、結局またその内、どっちの作品も面白いし大切だよな、なんて風になったりする。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の何が凄いって、タイムトラベルという理屈で考えると実は相当に難しい話を、誰でもわかりやすくハラハラさせるサスペンスに仕上げてある所にあの作品の素晴らしさがある・・・と、私は考えてます。
なので、わかりやすく楽しめる作品って、それはそれでちゃんと価値があるんだと。「ゴーストバスターズ」だって、別にそんな深い作品とかではないはず。でも最後はね、ノリノリでバスターズを応援したくなる気持ちにさせてくれる。そこって何気に凄いんじゃないかなぁと。
これをね、今風にして色々と理屈をつけて作っちゃうと、やっぱりリブート版みたいに、社会に認められていないはみ出し者が、世の中に認められて最後はヒーローになるとか、そういういかにもらしい話になってしまう。しかもジェンダー論うんぬんとか絡めてね。
でもこの初代だと、多分そこまで考えて作って無いような気がする。ちゃんと頭の固いお役人を悪役に仕立てて、とか話の基本的な構成は色々とやりつつも。
この辺の80年代に一世を風靡したような作品って、今見ても十分に通用するような不朽の名作も勿論あるんだけれども、今見ると結構ざっくりしてるなぁ、みたいなのも割とあったりする。
この時代のVFX作品とか、90年代後半から00年代初頭にかけてのCGを駆使したやつとか「今見るとCGがショボい」とかたまに言う人いますけど、あれ凄く私は気になるんですよね。それを言う人が例えばCGの仕事をしていて、職業的な目線でそこが気になるっていうのならまだわかるんですが、普通に一観客として見た時に「CGがショボい」って感想はさぁ、そりゃそういう時代なんだからしょうがないんじゃないの?と正直思ったりする。
じゃあ逆にそのCG部分を現代の技術で違和感のないものに差し替えたとしたらその作品が面白くなったりするんでしょうか?私はあんまりかわらんと思うんだけど。
う~ん、これはやっぱりノスタルジーなのかな?CGやVFXに限らず、自分が子供の頃に見ていた時代みたいな感覚があるせいなのか、雑だけどこれはこれで、「この時代ならでは」の感じで面白いな、とかついつい思ってしまいます。
自分が思い入れのある時代が一番の価値基準になるっていうのはわかるのですが、自分の時代じゃ無い物を見た時にある違和感もまた面白味ではないかな?という気がします。
なんか終始思い出語りになっちゃった感もありますが、今回はこんな感じで。一緒に「2」も借りてきたのでまた次回。2は私見た事あるんでしょうか?さっぱり記憶に無いです。
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ビル・マーレイ主演