僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ガールズ&パンツァー 最終章 第2話

ガールズ&パンツァー 最終章 第2話 [DVD]

GIRLS und PANZER das FINALE
監督:水島努
日本映画(OVA上映) 2019年 (全6話予定)
☆☆☆☆☆

 

BC自由学園フランス軍)との決着から2回戦の知波単学園(日本軍)戦の途中まで。
興味を継続させる為のクリフハンガーってのは仕方ないとは思うんだけど、話の途中なのに2年に1話しか進まないってのはホントにもどかしい。その分、1時間無いのにメチャメチャ濃くて短さを感じさせないのはホントに凄いけど。

 

1話の時に書いたガルパンの面白さの秘密でもあるロジカルさを今回は語っておこう。いや、文字通りロジックのある戦い方をしてるっていうだけの話だけどさ。

 

TVシリーズの時からですが、戦いの時に大概「○○作戦です!」ってガルパンはやってたのですが、そこにわかりやすさと面白さがあるからガルパンは面白いんだよね、っていう。

 

クロスボーンガンダムカニック設定集」の感想の時に書きましたが、ロジックのある面白さをやってる漫画・アニメ・映画とか、実は意外と少ない。的に勝つ理由がハッキリ理論立てられて無い作品って世の中に多い事多い事。いや、どんな作品でも多少は突破口なり何なりくらいはあるにはあるんですけど、そこがドラマやカタルシス、驚きと納得に直結してないものが多いというか。

 

近年だと能力バトル物って一つのジャンルになってて、それが能力を駆使した頭脳戦的なものとされてますが、多分それは「ジョジョの奇妙な冒険」辺りからの系譜で、それに感銘を受けた富樫が「幽遊白書」とか「ハンターハンター」で導入するようになって、そこからより広がって行った、っていう形だったかと思う。


勿論、これは「ジョジョ」の荒木の発明とかってわけではなく、確か荒木は白戸三平の影響とか言ってたはず。そこまで行くと私も読んで無いので詳しくはわかりませんが、現実的でない技とかを繰り出しても、そこに何かしらのそれっぽい理屈を持たせていたという話。

巨人の星」だって消える魔球は球が土埃を巻きあげているから消えているように見える、とかだったっけ?(ゴメンなさい詳しくは知らないです)じゃあそれを打つには?と対抗する方もそれっぽい理屈を持って描いてくると。本当に出来るかとかそういうリアリティはとりあえず置いといてね。昔からある文法で、そこに面白味を感じる人は
そういうのをちゃんと意識して描いてるし、それが系譜になってる。クロスボーンガンダムなんかもその昔からある文法に沿ってるっていう話。

 

で、それを無視してハッタリと勢いだけで通しちゃったのが「リングにかけろ」「聖闘士星矢」の車田正美だったはず、というのを「セインティア翔」の感想の時に書きました。車田は本宮ひろしの弟子だったはずだし、永井豪とかその辺も理屈とか理論なんか気にするような人では無いので、そこは系譜と言うよりジャンプ漫画の歴史として車田が挙げられやすいってだけかも。

 

小難しい理論をいちいち考えるより、ハッタリ効いてて派手だからっていうのもあってか、後者の流れの方が大きくなっていったのかなと思うし、映画史まで考えるとまた別の流れはあると思うのですが、アニメや漫画だと大体はそんな感じかなぁと。

 

そんな中でガルパンは珍しくロジックを持った作品になってるんですよね。だから美少女とかミリタリー(戦車)に興味が無くても、普通に話というか、戦闘の展開のみで面白さを出せる作品になってる。

 

この機体は全部装甲で覆われてるけど、砲塔を動かした時にだけ露出する排気口だけは装甲が薄いから攻撃が通る。じゃあ相手の砲塔を動かすには?そして上から攻撃する為の位置取りは?

とかそういうロジックで話を作ってるので、ああなるほどこうやって弱点をつくのか、みたいな考える面白さがあるんですよね。今回の最終章もそうですし、その辺りが戦車や戦術の事なんて全く知らなくても面白さを感じる要因だったりする。

 

これがね、例えばありきたりなロボットアニメだったりしたら新兵器とか新型に乗り換えて性能的に強いんだぜという表面的なものでしかなくなってくる。それをガルパンではやらずに「○○作戦です!」しかも気の抜けたような変な作戦名だったりするわけですが、それはこういう事だったのか!っていう驚きと面白さに繋がると。ガルパンの面白さの本質って私はそこだと思うんですよ。見てる人に驚きや納得をちゃんと提供してくれるわけですよね。「戦術の面白さ」で話を作ってる。

 

多分、そこはミリタリー的な視点から来ていて、過去の歴史を踏まえたものだったりするのかなとは思うのですが、そこに関しては私は知識も無いのでよくはわかりません。

ただ、やっぱり「クロスボーンガンダム」とかもそうなんですけど、単純に受け身になって作品を見ているだけだとあまり普通の作品との違いを感じて無い人も多いのかなと思うのですが、クロボンにせよガルパンにせよ、この敵をどう倒すのか、この展開をどう切り抜けるのか、そう言う所を見ると同時に先はどうなるのかと読みつつ、考えて「観る」とそこにちゃんとしたロジックがある分、そうきたか!とか納得した!みたいな面白さがある作品になってて、そこがね、面白さの秘密みたいなものじゃないかと。

 

歴史には詳しくないですが、ただ今回の話の知波単学園って日本軍がモチーフになってるわけじゃないですか。ひたすら突撃するしか脳の無い劇場版の方から、今回ね、やっと引く事を覚えたっていうのがね、なんか今のご時世を考えると泣けて来ます。

 

オリンピックをやれば神風が吹いて日本が復興できるとかいうまったく根拠のない精神論で一億総突撃を今の日本の政府はやろうとしてるわけじゃないですか。しかもある意味学徒動員の話まで出てきてますよね。

 

アニメでね、こうやって反省とパロディーをやってるというのに現実はもっと悲惨な事になってるってヤバくないですか?「AKIRA」で未来を予測していたとかそういうの通り越してガルパンみたいなトンデモアニメより更にトンデモな世の中ってどうよ?

と言った所で待望の新作の第3話に続く。


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