AVENGERS CONFIDENTIAL: BLACK WIDOW & PUNISHER
監督:清水健一
原作:MARVEL COMICS
日本制作 OVA 2014年
☆☆☆
ブラック・ウィドウとパニッシャーがタッグを組んだ
《アベンジャーズ》史上最凶の極秘プロジェクト始動!
ブラック・ウィドウ公開ついでにせっかくなので、まだ見ていなかったこちらも。マッドハウス制作マーベルアニメの最後の作品。
「アイアンマン:ライズ・オブ・テクノヴォア」に続く単発アニメ映画OVAですが、ストーリーや世界観は特に続編という感じではありません。あくまで単発。
タイトル通り、ブラックウィドウと私刑執行人パニッシャーがメインですが、ストーリー的にもドラマの描き方としても完全にブラックウィドウが主人公。
映画に合わせて出た邦訳2冊以外はブラックウィドウに焦点を当てた作品って日本ではこれといって無かった気がしますので、なかなかに貴重な作品かもしれません。
映画と同じでカッコいいブラックウィドウの姿が存分に味わえます。まあ映画との違いはオリジンに関わる話とかは特に描かれず、シールドのエージェントとしての活躍なんですが、かつての恋人と戦う事になってどうのこうのというドラマになるので、掘り下げは十分になされる。
で、その恋人と言うのがエリアスという人で、シールドの職員。アニメのオリジナルキャラなのかな?と思ってたら、なんとこいつが映画にも出てたレッドガーディアンでした。
ネタバレとかじゃないですよ。作中では一切呼ばれないですし、一応赤いコスチュームとかは、言われてみればそうかなっていうくらいで、エンドクレジットでエリアス(レッドガーディアン)って書いてあって、え?そうだったのってちょっとビックリしてしまいました。
原作だと初期はナターシャの旦那っていう形になってたので、恋人キャラとしてアレンジで使ったんでしょうけど、ロシア要素とかは全く無いアレンジになってたので、おいおいお前レッドガーディアンだったのかよ、とエンドクレジットで初めて知ると言う。
ラスボス的なあの人も原作元ネタありきのキャラなのかな?私はよくわかりませんでしたし、終盤、おまけ程度というかアクションシーン用にヴィランもまとめて何人か出てくるのですが、こいつタスクマスターかな?ぐらいで他のキャラはよくわからず。
そこのアクション部分だけアベンジャーズも出てくるのですが、トニーくらいしかセリフが無いし、ソー、ハルク、キャプテンマーベル、ウォーマシン、ホークアイと、キャップが居ないちょっと変わったメンバー。珍しい所では、アベンジャーズではなくシールドの特殊職員としてアマデウス・チョが出ていてそれなりに出番も多かったのは珍しい感じです。
コンビを組むパニッシャーも十分にカッコよく描かれてましたし、要所要所で洋画っぽい気のきいたセリフ回しがあったりして、大絶賛とまでは行かないまでも、それなりに面白かったです。
ブラックウィドウついでに少し。
MCU映画「ブラックウィドウ」私は超超大絶賛派なのですが、意外と評価が割れてて、その消費のされ方が勿体無いなぁと気になってます。MCUっていうシリーズですし、ある程度仕方ないのかなと思う部分もありますが、2代目ブラックウィドウのイリーナを出す為だけの映画でしょ?もう終わったキャラの過去話を今更見せられても仕方ないし、早く次の話を見せてよ、的な意見を見てるとね、すごく悲しい。
映画の方の感想にも書いたけど、シリーズとして見てるなら、せめて「キャプテンマーベル」の次の女性主人公映画として、マーベルは何をアップデートしてきたのか?っていうのを見てほしいなぁと。
MCUでのブラック・ウィドウってセクシーな女スパイとして出てきて(アイアンマン2)アベンジャーズの紅一点的なポジションとして使われて(アベンジャーズ)半ば無理矢理ロマンス要因にされて(エイジオブウルトロン)最後はみんなをまとめるアベンジャーズのお母さんであり、果ては自己犠牲要因にまでされてた所で、ようやく最後の単独映画が作られて、そこで過去のそういった描写の清算もしつつも、「女としての役割」みたいな嫌な部分から解放されて、純粋に一人のヒーローとして描かれたわけですよ?私はそこがあの作品の一番凄いとこだと思ってます。
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