僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ブラック・ウィドウ (MCUその27)

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原題:BLACK WIDOW
監督:ケイト・ショートランド
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2021年
☆☆☆☆☆


ま、待ちきれぬ!
普段は土曜の仕事終わりに映画館に行くのが通例なのですが、作品はとっくに完成しているにもかかわらず、コロナで1年以上の延期。じらされまくって、もうこれ以上待てぬ!と結局初日に観に行ってきました。

 

コロナ自粛期間中も、MCU作品再上映何本か観に行きました。ディズニープラスでのドラマも観てます。それでもね、このワクワク感ですよ。至福の2時間ちょっとを体感してきました。そんな気分的な所も含めて、もう最高としか言いようが無かった。

 

勿論、冷静に考えると、いくつか気になる部分もあるにはあるし、これが完璧で100点の映画かと言えばそうではないでしょう。でもね、何でこんなに面白いのよ?

 

ゴメン、私は割といつも偉そうにこの面白さの秘訣はここにある!とか勝手に分析して語りがちだけど、何でMCU映画はここまで面白い物を連発で出してくるのかがわからない。


マーベル全部が凄いとは言いません、ヴェノムとか微妙だったし、X-MENシリーズとかも面白い物もあれば微妙なのもあるって感じですよね。そこはライバルのDC映画なんかもそうだ。先日取り上げた「ゴジラVSコング」なんかもそう。毎回、全部が全部これ最高だなってなるわけじゃない。でも何故かMCU映画は毎回面白いんだよなぁ。

 

よく、邦画は予算が無いから面白い映画が作られにくいって言う人が居ますけど、予算を山ほどかけてもつまんない映画はつまんないし、お金じゃないんですよね。クリエイティブな所で、面白くするための何か秘訣みたいなものがあるとしか思えない。例えばピクサーは社内試写で問題点を徹底的に洗い出すとか知られてますよね。それであの完成度を保ってる。「アベンジャーズ」の監督を引っ張ってきて「ジャスティスリーグ」を作らせたとして、なかなかそうは上手くは行かない。そこは監督の素質とかそれだけじゃない何かが絶対にある。

 

今回の「ブラックウィドウ」の監督のケイト・ショートランドさんって、私は過去の作品を見た事ありません。スカーレット・ヨハンソンとかブラックウィドウっていうキャラクターとかも、まあ別に嫌いでは無いですが、そこまで特別な思い入れがあるという程では無かった。でもね、メチャメチャ面白いんだなこれが。

アメコミファンながら次の「シャン・チー」も「エターナルズ」も私は原作さっぱり知りません。でも、多分面白いんだろうなぁ。そこが凄いですわ。

 


という事で今回のお話。時代設定は遡り、「シビルウォーキャプテンアメリカ」と「アベンジャーズ:インフィニティウォー」の間のお話。これまでの映画の中で断片的に語られてきた、ナターシャ・ロマノフがスパイエージェント「ブラックウィドウ」として活動していた時期の過去が詳細に明かされ、そんな自分の過去と向き合う話。

 

妹、とされるエレーナ・ベロワとのシスターフッド映画の形になってました。スカヨハさんも、今の時代だから作れた話で、時系列順に、「アイアンマン2」で登場した後にすぐに単独映画とかは作れなかった、というのはよくわかる話です。

 

時代の寵児としてもてはやされたMCUシリーズですが、それでも、女性ヒーローの単独映画はシリーズ化して大分経った21作目の「キャプテンマーベル」でやっと実現。黒人が主役の「ブラックパンサー」も18本目でようやく実現。女性ヒーローも黒人ヒーローも初期の頃から登場はしていたものの、あくまでサイドキック的なポジション。

 

これまたスカヨハさんが言ってますが、アイアンマン2で初登場したブラックウィドウは、セクシーな女スパイという役割だったと。そこは確かに女性と言うのはこういう役割なんですよ、というある意味での偏見みたいなものは確かにありました。今回はね、そういう役割や要素とか、女だからみたいな部分を殊更意識する必要は無い。10年前じゃ無く今だから作れた作品なんだっていうのは、確かにそうだと思うし、そこは凄く面白く感じられた。

 

勿論、ゼロでは無いですよ。一人では無いウィドウ軍団の解放という部分は女性の搾取って問題を描いているのは確かだし、ライバルのあいつもある意味ではまだそういう呪縛というのはあるような気はします。

 

でもね、それでも十分に面白かったんだよ。女性ならではの部分とかではなく、ナターシャ・ロマノフの意志であり、一人の人間としてのけじめみたいなものに思えて、その高貴さがホントに素晴らしかった。

 

そして妹であるイリーナのサバサバした感じも非常に素晴らしい。同じ姉妹でありながら、ナターシャとイリーナでちょっと視点が違ってたり、性格や考え方も違って、それぞれの個性がちゃんと見えるんですよね。それでいて、反目しつつも、単純に同業だからとかではなく、姉妹っぽいじゃれあいというか、通じる部分もあったりする辺りが非常に面白い。スーパーヒーロー着地に突っ込むイリーナが楽しかった。

 

そしてウィドウならではというか、いわゆるスーパーパワーみたいな能力を持っていないからこそのアクションやシチュエーションも非常に秀逸。

確かにね、ビームや魔術が飛び交うような派手な画面ではないし、舞台も宇宙とか辺境の惑星とかでもない。それでもね、十二分すぎる程に面白いのよこれが。

 

私はもうアメコミ慣れしてるっていうのもあるんでしょうけど、それこそ映画とかからアメコミに入った人だと、未だに居るじゃないですか?キャプテン・アメリカとか地味じゃね?アイアンマンとかソーとかハルクと比べたら弱くないか?とかさぁ。あと、サノスより強い奴なんて居るの?とかそういうのも含めて。

 

サノスより強い奴なんていくらでもいるし、そもそもそういう強さのインフレとかパワー比べでは無い所にアメコミならではの面白さがあるんだよ!と私は思ってる人なので、まさしく今回の「ブラックウィドウ」みたいな作品を観ると、そう!面白さって単純なパワーとかそういうとこじゃないよね?これにはこれの面白さがあって、同時に別のとこで宇宙で戦ってたり、神様同士が戦ってたりするのと世界観が繋がってるのが面白いんだと。

 

いや確かにね、「インフィニティウォー」や「エンドゲーム」程の面白さなのかと言えば、冷静に考えればそうでは無いかもしれませんよ。でもね、観てる間はそんな風に1ミリも思わなかった。とにかくワクワクしたり、これをこういう設定にアレンジしてきたのか!とか、観ていてとにかく楽しいし、ドキドキしながら、ああ、今回も予想以上に面白かったなと。この満足感に、他の作品との差なんか、私の中では全く無かったです。

 

今回のヴィランであるドレイコフ。ライバルヴィラン的に凄くキャラが立った良い悪役だったなぁ、とは思いません。ただ、メチャメチャ憎たらしかった。今回は「ブラックウィドウ」という単作で過去の話だし、「2」が作られる事は無いでしょう。そういう作品の性質を考えた時には、あえてこういう役どころ、役回りにしたのかなと思うし、マグニートーとかドクタードームとか、あんな感じのヒーローにひけをとらない悪役が必要な作品では無いんじゃないかと。

 

そこ考えるとね、タスクマスターは少し惜しい使い方かなとは思ったし、原作とは全く違う設定を持ってきてたのはちょっと気になる所ではありますが、決して今後もう出られない結末では無いと思うので、そこは今後のアレンジしだいかも。原作でのタスキーの特殊な立ち位置は私好きなので、なんか面白い使い方をしてくれたら良いなと思います。

 

いやしかし待たされましたが、そんなモヤモヤを一気に吹き飛ばしてくれる爽快な1作になってて、私は非常に嬉しい。しかも今年はまだ3本もMCU映画が見れる。さらにドラマもあるしで、待った分、次々と新しい作品が見れるのがホント楽しみです。

 

いや私ね、ブームとしてはこの先は沈静化していくと思ってました。私はブーム以前からのファンだから今後も追いかけて行くけれども。

でもねぇ、このクオリティで行けるなら、もしかしてまだのびしろあるのかも?なんて思えるくらい、MCUの凄さを改めて突き付けられた。

 

いや~、面白かったし、満足度120%です。

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