僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション

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MY HERO ACADEMIA THE MOVIE WARLD HEROES' MISSION
監督:長崎健司
原作:堀越耕平
日本映画 2021年
☆☆

 

<ストーリー>
世界中の“個性”保持者の殲滅を目論む謎の組織・ヒューマライズ。
彼らが各国に仕掛けた、“個性”を暴走させ崩壊に導く爆弾<個性因子誘発爆弾(イディオトリガーボム)>から人々を救うため、世界選抜ヒーローチームが結成。世界各国のプロヒーローと、ヒーロー事務所でインターン中だった雄英高校ヒーロー科が招集され、各地で爆弾の回収任務にあたっていた。

エンデヴァー事務所でインターン中のデク・爆豪・轟の3人も、日本から遠く離れた国<オセオン>で作戦行動中、ある事件に巻き込まれたデクがなんと全国指名手配…!事件をきっかけに出会った運び屋の少年・ロディとともに、オセオン警察、そして謎の敵(ヴィラン)からも命を狙われることに――
その影でひっそりと動き出す巨大な陰謀。

そのとき、ヒューマライズの指導者フレクト・ターンからの犯行声明が全世界に届く――
「タイムリミットは今から2時間」
世界中で発生するパニック、刻一刻と迫りくる滅亡の瞬間。ヒーローチームは絶体絶命の状況下で、危険を顧みずに各地の爆弾の回収に向かう――
ヒロアカ史上最大の危機を前に、世界の、そしてヒーロー達の未来が、“彼ら”に託された。


とゆーことでヒロアカ映画第3弾。
一応、先にお断りしておきますが、私は原作コミックは読んでいない、アニメ勢です。TVシリーズ5期も最初の1話だけ見て溜めてたものの、映画に追いつこうと録画溜めてた奴をここ1週間くらいで最新話まで見て、モチベーションは上がった状態。

 

ん~でも逆に期待しすぎたかな?映画前2作も面白かったですし、TVシリーズの方は面白いです。が、今回の映画は全然ダメでした。

 

ここは映画の欠点うんぬん以前に、期待してたものと全然違ったっていうのが大きいです。今回の映画タイトルもそうですし、ポスターとかもそうですが、一見「全員集合!」的な感じじゃないですか。映画2作目もA組全員が力を合わせる話でしたし、今回はA組のみならず、直前5期でやってたB組とかプロヒーローも総出撃で世界じゅうで戦う!みたいな話かと思ってたら、基本は緑谷、爆豪、轟君の3人以外は活躍無し。沢山のキャラも確かに出ますが、ほぼセリフ一言で終わり。

 

う~ん、50人近く居るのを平等に扱え!とは言いませんが(プリキュアオールスターズだってそんなん出来ませんしね)メインキャラの3人っていうのが個人的には大きいガッカリポイントです。いや3人とも頑張ってましたし、別に嫌いなキャラとかそういうわけでは無いんですけど、個人的にはヒロアカって意外な人が意外な活躍をみせる、みたいな部分の方が私にとっては作品の面白味なんですよ。

 

2作目の感想の時にも書きましたけど、透明人間の葉隠さん活躍する場面あったっけ?一見地味で誰もがノーマークだったけど、そういうキャラが大判くるわせをやる、とかが私にとっては面白味だと思ってます。ああ、峯田君でも良いです。私は下ネタとか嫌いな人なので、峯田君も正直あまり好きなキャラでは無いんだけど、彼のようなキャラが、機転をきかせて活躍する、みたいなシーンがやっぱり凄く面白いんですよね。TVシリーズだとたまにありますよね。

 

ドラゴンボール的なパワーインフレが私は一番嫌いなパターンで、100万パワーの敵を120万パワーにまで上げて倒すって最高につまらない話じゃないですか。90万パワーで正面からぶつかったのでは敵に叶わないんだけど、機転をきかせてその単純な力をひっくり返すから面白いわけです。

 

ヒロアカにおける、プルスウルトラ!っていう概念、限界のそのまた先へ、っていうのもわからなくもないし、TVシリーズでのオールマイトとかエンデヴァーのそういうシーンは確かにカッコ良かったし、素晴らしかったと思います。
映画1作目も割と最後がそんな感じでしたっけか?そこを考えれば、そういう所が「僕のヒーローアカデミア」っていう作品の根本にあるんだろうなとは思うのですが、なんか今回もバトルがそんな感じで終わってしまって、単調だなぁと正直退屈に感じてしまいました。

 

あと凄く気になったのが、デク君の黒鞭(?)の使い方。原作読んで無いのでこの先どうなるのかは私知らないんですけど、映画直前、TVシリーズ5期のインターン編でようやくギリギリ使えてた感じでしたが、今回の映画だと物凄く使いこなしてる。

これがね、意図したものなのかはわかりませんが、思いっきりスパイダーマンなんですよ。カメラワークまで似せて(サム・ライミ版のスパイダーマン1作目のウェブスイングのカメラワークって革新的だったんですよ、あれ)ウェブスイングしたり、ネット的に使ったり、スパイダーマンのコピーみたいな使い方をする。

 

あれって最低だと思いません?多分、元からアメコミ好きな人って、ヒロアカを受け入れにくい人って結構居ると思うんですよ。私も最初は物凄く抵抗ありました。アメコミの劣化コピーみたいなのを見せられても、そんなのだったらアメコミ読むしなぁという感じで。でも実際に読んで(観て)みると、ただのコピーじゃなく、アメコミには無いようなヒロアカならではの面白さって言うのもいっぱいあって、そこは面白い部分だと思うんです。私も好きになれましたし。

 

そういう感覚があるから、ヒロアカでスパイダーマンの真似をしたって、いやそんなの求めて無いから。スパイダーマンが観たかったらヒロアカじゃなくてスパイダーマン観るから!ってなってしまって、物凄く違和感と嫌悪感を覚えてしまいました。

 

違和感と言えば、ロードムービーの部分もただとってつけた感が強くて、監督とかが、自分ヴィム・ヴェンダーズとか結構好きなんですよね、なのであの雰囲気を自分の映画に取り入れたくて今回やってみました、以上のものには私は思えなかったかなぁ。いや勝手な想像なんですけども。

 

世界のヒーローとかも多少は出てくるんですけど、ただの顔見せの脇役どまりで、逆にいつもの面子ばかりが画面を多いつくすから、世界は広いんじゃ無く、逆にヒロアカの世界ってこんなに狭いものなのか?って反対に感じてしまった。


冒頭は、お?テリジェンボムかこれ?と思ってみてたら、結局は普通の人間なんか全く出てこず、世界に2割しか居なくなってしまった無個性の人間の反乱みたいな表層上のテーマも全く掘り下げられずに終わってしまって、映画として何がやりたいのかが私には理解出来ませんでした。

 

ヒロアカのファンなら楽しめるとは思うんですよね。絵のクオリティも凄く高いし。ヒロアカだけを楽しみたい人なら、十分に満足出来る作品にはなっていたのかもしれないな、とは思いましたが、私は映画としても楽しみたいし、ヒーロー物としても他の作品には無いヒロアカらしさを求めてしまうので、そういう視点で行くと、前2作が面白かっただけに、今回どうしちゃったのかなぁ?という印象は拭えず。

 

TVアニメ4期の「死穢八斎會」編でしたっけ?エリちゃんの話。あそこって話もバトルのクオリティも異常じゃなかったですか?むしろ今回の映画よりもずっと映画っぽい印象を受けて、すげぇなこれって凄く感心しました。

 

TVシリーズと並行してやってるとね、どうしても映画の方は番外編になっちゃって、メインキャラの方は成長や変化が描けないという構造的な欠陥は致しかたないです。だからロディっていう映画用のキャラを出して、そちらの成長と変化を描く事になるんですけど、なんかちょっとそこが軽かった。


ヒーローとは何ぞや、という矜持をメインキャラに描かせて、それが外の世界にも繋がった、影響を与えたっていう、一応脚本のロジックとしては間違っては居ないのかなという気はしますが、なんだか映画としてこれを描きたい、これを伝えたいとかそういうのが無くてヒットしてるから無理矢理作ってる印象が強くて、少し勿体無い映画だなぁと感じてしまいました。

 

もし次の映画があるのなら、監督・脚本は他の人にやらせても良いような気はするかな。

 

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