僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

サウンドシアター ガイア・ギア CD-1

サウンドシアター ガイア・ギア CD-1

GAIA GEAR
脚本・シリーズ構成:遠藤明範
原作:富野由悠季
ラジオドラマ 全26話(全5巻)1992
☆☆☆☆

 

ちょっと旅に出て来たので、お供にドラマCDをと思い久々にガイアギアをひっぱり出してきた。昔、富野作品にどっぷりつかってた時に、リアルタイムでは無いながら、原作小説も読んだし、ラジオドラマ版もあったのかと後になって探したのですが、なかなか見つからず、結局ヤフオクで落としたんだったかな?

 

基本、私は足で探すタイプで(その旅もまた楽しいものですし)ヤフオクとかメルカリは使わない人なのですが、こればっかりはネットで買って正解でした。その後20年とか旅して来ましたが、4巻だか5巻だか単発を一度見かけたくらいで、後は見た事無いですし。サントラとか小説は何度か見かけましたけど、揃ってるのなんか見た事無い。

 

確か5巻セットで2万円くらいで買ったんだっけかなぁ?これまた私はプレミア価格ってのが嫌で、定価以上の値段がついてるものは基本買わないのですが、この時ばかりはルール破っておいて良かった。確か一時期ニコ動とかに音源アップされてたような気もしますが、私は現物が欲しい人ですしねぇ。ブックレットに変なシミがついてたり、日焼け色あせ劣化とかがあって、決して美品では無いですけど、こうして物があるのは安心できます。CDも永久的なものでは無いらしいので、データ化してバックアップ取ってた方が良さそうなのでそれはいずれ。

 

何度かリピートはしてますが、10年以上ぶりとかかな?
第1話「シャア再び」から第6話「シャトル強奪」までを収録。
出来は非常に良いです。「ガイア・ギア」っていう作品そのものは、サンライズ、あるいはバンダイビジュアルの正式なガンダム作品には入ってなくて、このCDにも版権は
ガイア・ギア(C)富野由悠季角川書店ニュータイプ
機動戦士ガンダム(C)創通エージェンシーサンライズ
ってなってますので、富野が版権持ってるぽいですが(小説もそれがあるから復刊されない)まあ私的には普通にガンダム作品の一つですし。

 

小説ではざっくりとしか年代設定されてませんでしたが、こちらのラジオドラマ版ではUC0203に設定されて、100年前の英雄シャア・アズナブルを復活させて、それをシンボルとした宇宙移民計画を実行させようとする、という内容。

 

逆襲のシャア」と「閃光のハサウェイ」の間に描かれた小説なので、テーマ的にもそこと深くリンクしてくる。というか時代のトレンドみたいな所もあったのかな?時代性って言う奴で、逆シャアと同じで、人類はこの母なる地球を汚し過ぎた、それゆえに人間は生き方を変えていかなければならない、みたいな、今のSDGSに繋がるような価値感がこの時代は凄く色濃かったんですよね。TVのUFO番組とかでも「これは、行きすぎた人間への警告なのではないだろうか」的な毎回そんな感じの締め方とかしてたし。

 

ただ、そんな考え方の隆起も一過性のものだった部分もあって、今に至るまでそんなに人間変わってねぇよ、みたいな部分もありきで、内向的なテロリズムに走ったのが「閃光のハサウェイ」で、それが「F91」「Vガン」への流れになる。というのはまあ富野ファンの基礎だろうけど、後から追うような若いファンには、作中の時代設定とかだけでなく、そういう現実の流れも含めて理解しといたほうがいいよと老婆心ながら。実は私も昔はそういうメタ視点とかあまり意識してなかったので。

 

ブックレットに富野のコメントは載ってるけど、ラジオドラマ版の制作自体は富野はノータッチなはず。そこ考えるとね、アニメ版「閃光のハサウェイ」以前に、富野の小説はあくまで原作とし、別の媒体で再構成するっていう事をここでもやってたのかと思うと、今の視点で考えるとなかなか面白いケースじゃないかと。

 

アニメ版「閃ハサ」は富野が関わって無いにも関わらず、富野テイストを意図的に色濃く残してるのが最高に面白い部分でしたが、こちらの「ガイアギア」は富野成分は結構薄まってる感じで、ガンダムシリーズとしてフラットに描いた、という感じでしょうか。(「ZZ」の遠藤さんが脚本だったりするし)富野のコピーみたいな事をやろうとした「UC」なんかも含めて考えると、それぞれのカラーが出てて非常に面白い部分ですよね。

 

演出も上手く(BGMの入れ方が凄く良い)、音だけのドラマCD(ラジオドラマ)ながら、普通にアニメを見てるような感覚で聴けるのが楽しい。

ガンダム関係じゃ無く、何か他の作品だったっけかなぁ?昔何かのドラマCDで、状況説明セリフが多用されて、下手くそな脚本だなぁっていうの一つあったの記憶に残ってるんですけど、富野ゼリフは元々が状況説明とか実況っぽいのが多いので、「消えたっ!?上からか!」「ビームサーベルだとっ!」とかいうセリフがあってもまったく違和感なく聞けるのが面白い所です。

 

声優さんも、今でも有名な人が多数出てるので演技としても芸達者で最高に上手い。ライバルのウル・ウリアン役の森川智之さんとか、最終巻の演技とか私今でも覚えてますもの。
主人公アフランシ・シャア役の横堀悦夫さんはこれ以外では私知りませんが、調べたら何気に「UC」でもチョイ役で出てたりしたんですね。演技としては申し分ないので、まだ現役でいてくれるだけでも嬉しい。いつかゲームとかに出る可能性があるなら再演はお願いしたい。
スペースハマ側のトップ、ラスボスのビジャン・ダーゴルは中田譲治さんだし、ホンコンマハのジャンウェン・フーが中原茂さんとか、ガノタ的にも聴いてて嬉しくなるキャストが多数。

 

話的にはアフランシが生まれ育った島を出て、香港からシャトルで宇宙へ!っていう所まで。

 

宇宙生まれのシャアではなく、地球生まれのシャアとしてスペースノイドと地球の関係を導くのがシャア・アズナブルとアフランシ・シャアの違いだって言うのが面白い部分です。

 

CD2枚組の2時間くらいあるので(5巻だけ1枚)、どっか遠出した時にしか聴けませんが、せっかくなので時間かけてでも最後まで感想書きたい。

 

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com