僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ウルヴァリン:ブラック、ホワイト&ブラッド

ウルヴァリン:ブラック、ホワイト&ブラッド

WOLVERINE: BLACK,WHITE & BLOOD
著:ジェリー・ダガン他(作)
 アダム・キューバート他(画)
訳:中沢俊介
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2022年
収録:WOLVERINE: BLACK,WHITE & BLOOD #1-4(2020-21)
☆☆☆

 

不死身にして最強。
白と黒、そして赤の三色で描かれる、
孤高のヒーローウルヴァリンの闘いの記録。

 

血塗られた闘いの記録を見届ける覚悟はあるか。
屈強な肉体、どんなケガも数秒で治癒する能力、アダマンチウムの骨格、カミソリのように鋭い鉤爪を持つ最強のファイター、ウルヴァリン。彼の血と暴力に満ちた人生が、「モノクロ+血のような赤」で容赦なく描かれる。血塗られた闘いの記録を目撃せよ!


という事で、邦訳版新刊で出ました、ウルヴァリンの短編アンソロジー集です。
タイトル通り、白黒のモノクロをベースに、鮮烈な赤という3色のみで描かれるコンセプト重視のシリーズ。全4号ですが、1号につき3話分入ってるので、全部で短編12編。各話毎にアーティストも違えば、時代も話もバラバラなので、ホントに短編集ですね。

解説書によると、この後、カーネイジ、デッドプールエレクトラ、ムーンナイトとシリーズが出ているようです。

 

フルカラーなのが売りのアメコミですが、フランク・ミラーの「シン・シティ」とか、バットマンなんかでも「ブラック&ホワイト」のシリーズもありましたし、こういうコンセプトの物もたまに出てたりしますね。

 

フランク・ミラーと言えばの、邦訳版も出ている、ウルヴァリンの最初のミニシリーズの日本編。今回はミラーは参加してませんけど、映画の「ウルヴァリン;SAMURAI」なんてのもあった通り、あの日本編の話の影響はウルヴァリンにとっては相当に大きいものですので、今回も日本の話も入ってたりしました。

 

ジョン・リドリー作、ホルヘ・フォルネス画の「32番目の刺客」がトンデモ日本描写も多くて楽しめました。
ウルヴァリンの娘(養女)のアミコを巡り、対峙したシルバーサムライは32人の刺客を倒せば娘を返すと言う。まずは13人の忍者。次は10人の浪人。続くは6人の兵僧、そして2人の侍。残りは二人になった時、シルバーサムライが自ら闘いを挑み、最後の一人は・・・という、何だこの勘違いジャパニーズと思わせつつ、話としては普通に良い話だった、というのがアメコミらしくて面白い。

 

個人的には1話目。ジェリ・ダガン作、アダム・キューバート画「内なる野獣」がメチャメチャ好きでした。それこそ90年代に出たバリ・ウインザースミスの「ウエポンX」をベースにした話。

 

私がアメコミにハマったきっかけは90年代に小プロから出た「X-MEN」というのは何度かこれまでも書いて来ましたが、心から「アメコミすげぇ!」って最初になったのは、その時に出た1冊の「ウエポンX」でした。読み返せば読み返す程、その奥深さにハマって、思い出深い1冊です。その派生ストーリーがこうやって読める嬉しさ。

 

ウルヴァリンはやっぱり好きなキャラでねぇ、当時はまだウルヴァリンの過去がまだハッキリとは描かれて無くてね、そのミステリアスさもまた魅力だったんですけど、これまた邦訳も出た「ウルヴァリン:オリジン」で後にその出生の秘密が明かされた時は、逆にこの程度の話だったら、描かれない方が良かったかも?と思っちゃったくらいでした。え?ローガンじゃなく、ジェームズ・ハウレット君だったのか君は?ってちょっとガッカリ。

 

まあその辺もね、設定が継ぎ足されて行くアメコミらしさでもあるんでしょうけど、本国と同じとは言わないまでも、そういうのをリアルタイムに近い形で体験できたのも良い思い出です。今だとそこをベースにした「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」とか映画で普通に描かれちゃってますし、映画から入った人だと、そこまで長くは謎を引っ張って無いぞ、っていうね。

 

映画との違いは、今回はひたすら殺しまくって血みどろも良いとこばっかですし(そういうコンセプトのシリーズですので)、私としては別にウルヴァリンにそんなの求めて無かったりはするんですけど、そういう中でね、やっぱり結局ウルヴァリンすげぇ良い奴じゃん!っていうのもちゃんと描かれてますし、ただの残酷描写だけでなく、ウルヴァリンってこうだよな的な魅力もちゃんと描かれてて、そこは非常に面白かった。

 

ウェンディゴセイバートゥース、ミスティーク、ジャガーノート、アーケード、シルバーサムライにソウロンとか、マローダーズまでと因縁の相手も沢山出て来ますし、味方側としてもキティにマジックにストームとかチョイ役ながら出てきたり、果てはコズミックゴーストライダーまで(脚本は当然ドニー・ケイツ)とバラエティに富んでて楽しい1冊でした。

 

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