BLACK PANTHER:SHURI -THE DEADLIEST OF THE SPECIES
著：レジナルド・ハドリン（作）
ケン・ラシュリー、ポール・ニアリー（画）
訳：中沢俊介
刊：MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2022年
収録：BLACK PANTHER Vol.5 #1-6(2009)
☆☆★
ワカンダを救う黒豹（ブラックパンサー）は誰だ？
ブラックパンサーに守られ、繁栄するアフリカの王国ワカンダ。
しかし、その称号を冠する国王ティチャラが謎の会合で重傷を負い、昏睡状態に陥った。
比類ない国力で侵略を寄せつけないワカンダとはいえ、力の根源は指導者ブラックパンサーにある。
もしティチャラが昏睡から目覚めないなら、後継者を選ばなくてはならない。
ティチャラの妹シュリこそ、第一の候補者である。
ブラックパンサーを継ぐため、彼女が危険な儀式に臨む一方で、ワカンダに脅威が迫る……。
映画「ブラックパンサー ワカンダフォーエバー」間もなく公開です。
それに合わせて関連本が２冊出ました。チョイ前の「デッドプールＶＳブラックパンサー」を合わせれば３冊かも。そのうちの１冊がこちら。
映画では実際どうなるのかわかりませんが、故チャドウィック・ボーズマンの代役は立てずに、次のブラックパンサーは原作通りにシュリなのでは？というのはよく言われてましたが、そのシュリが一時期引き継いでいた時期の話が今回の一冊。
時期的にはちょっと古めの2009年のシリーズで、過去に邦訳が出たレジナルド・ハドリン作「暁の黒豹」「シビルウォー」から続いた新シリーズ。ユニバース全体としては、直前にシークレット・インベージョンがあり、そこで功績を上げたノーマン・オズボーンがシールド長官になり、新たな組織ハンマーとして再編。自らもダークアベンジャーズの指揮をとっていたダークレインイベント辺りの時期。
ヴィランが力を持っていた時期の話なので、今回のティチャラが死にかけてるのもそこら辺の影響を含めての展開。
Ｘ－ＭＥＮのストームがこれのちょっと前にティチャラと結婚してワカンダの女王をやってた時期でもあるので、彼女も彼女なりに奮闘するものの、やはりワカンダには代々継承されてきたブラックパンサーがいなければと、シュリが引き継ぐ決意をするのだが・・・的な話。
私は映画以外でそんなにシュリの事は知らなかったりしますが、新世代ヒロインの一人として取り上げられるケースも多く、優秀なイメージでしたけど、その優秀さが逆に仇となる、という展開はなかなか面白かった。そりゃお話としてね、そんなにストレートには普通いかないでしょ？ってのも当然あるんでしょうけども。
そしてストームも大活躍はしてくれるものの、いやぁ、ねぇ？今となっては感はどうしてもあります。個人的にはね、ここの関係続いてくれてたらなぁと思います。お似合いのカップルっていうのもあるんですけど、ブラックパンサーって初出がファンタスティック・フォーなので必然的にそっち絡みの話が多い。今回もドクター・ドゥーム出て来ますし。そういう中でね、Ｘ－ＭＥＮとの関わりが常にあれば、色々と話も膨らませやすくて面白い結婚だなぁとかちょっと思ってたのもあったので。
ワカンダもそうですし、インヒューマンズとかエターナルズ、或いはコズミック系とか、各グループがそれぞれにありつつ、その中に個々の繋がりがあるみたいなの、好きなんですよね。ビーストが今でもアベンジャーズの名誉メンバー的な扱いになってたりとか。
ブラパンらしく、精神的な世界（冥界？）の話なんかも絡みつつ、ヴィランがちょっと意外な人でした。モールンという異次元の魔人。インヘリターズでしたっけ？スパイダートーテムとかそんなんだったっけかな？後の「スパイダーバース」での黒幕になる種族。マルチバースを渡り歩く存在ですが、流石に映画には出てこないかな？予告にも出てるサブマリナー以外にも何かヴィラン出てきそうな気はしますけど。
トンチを利かせて？何とかこれを撃退、という所までで終了。
う～ん、まあそれなりくらい。
やっぱり映画、どうなるでしょうね？私は基本吹き替えで見るのですがももクロ百田夏菜子がシュリ役は継続。正直、ＭＣＵ見てる限りはちょっと微妙で、脇役くらいなら許せるかなという感じだったのですが、今回ばかりはメインでしょうし、どうなる事やら。「魔女見習いをさがして」の時は特に違和感もなく良かったので、絵的な相性とかもあるのかなと思いつつ、逆にここで成長した姿を見せてくれるなら、より役とシンクロしてプラスになる可能性もなくはない。
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