僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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デーモン・デイズ

デーモン・デイズ

霧咲山
DEMON DAYS
著:桃桃子(ピーチ・モモコ)(作/画)
訳:中沢俊介
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2022年
収録:DEMON DAYS:X-MEN #1(2021)
 DEMON DAYS:MARIKO #1(2021)
 DEMON DAYS:CURSED WEB #1(2021)
 DEMON DAYS:RISING STORM #1(2021)
 DEMON DAYS:BLOOD FEUD #1(2022)
 KING IN BLACK #4(2021) ELEKTRA:BLACK.WHITE & BLOOD #4(2021)
☆☆☆☆

 

悪鬼、幽霊、妖怪、幻術があふれる
かつてないマーベル・ユニバース

誰も見たことがない
モモコ・バース花開く!

もかしむかし、人と妖怪が同じ世界で生きていた時代。さすらいの剣客サイは、宿を求めてとある村にたどり着く。その村が禍々しい魔物“ヴェノム”によって脅かされていることを知った彼女は、村人たちに力を貸すことになる。
一方、どこか別の場所、別の時代。孤独な少女まり子は、現実としか思えない奇妙な夢に悩まされていた。
彼女の家で働く謎のメイド、黒木は何か事情を知っているようだが……?

 

マーベルの変わり種の新作「デーモンデイズ」です。
いやこれがメチャメチャ面白かった!

 

ピーチ・モモコさん、日本人アーティストながら、2020年より会社を問わずカバーアートで頭角を現し、ベストアーティスト賞にも選ばれ、そこからの短編発表、そしてこのシリーズに続いて行ったそうで、一気に頭角を現してきた新鋭のアーティスト。

 

グリヒルとかタケダサナみたいに、アメコミできちんと地位を獲得した日本人アーティストっていくらかいますけど、ちゃんと自分の絵ですよね。アメコミを真似したような絵ではなく、ちゃんと自分のスタイルで個性が出せるって流石だと思うし、恐らくは最初は本国でも物珍しさ・新鮮さ的な部分での評価からのスタートだったんでしょうけど、それがきちんと読者にも受け入れられて、一つのスタイルとして認められるって凄いなぁと思います。

 

モモコさんの詳しい事はわかりませんが、元々マンガを描いてた人なのかな?グリヒルさんはイラストレーターだったので、漫画の描き方がわからず、依頼が来てから必死に勉強した的な事を以前のインタビューデおっしゃられてましたけど、モモコさん、コマ割りとかネームとかも普通に上手い。

 

マーベルユニバースを和風の世界に落とし込む。まあ過去に「ニンジャバットマン」とかそういうのもあるにはあるけど、そんな同人誌のネタみたいなものでありつつ、一発ネタじゃなくちゃんと話や世界観を成立させつつ、意外と沢山のキャラが出てくるので、あのキャラをこうアレンジしてきたか!っていう部分だけでも凄く面白かった。

 

ストームとソーを風神雷神に見立てて、その章のタイトルも「RISING STORM」っていう辺りが粋でカッコいい。

 

主人公がヤシダ・マリコっていうのもね、意外性があって面白いなと。
最もこれ、本家のアース616でもマリコチャン復活して「スカーレットサムライ」というキャラになってるようで、その流れを組んでのキャラ造形と思われます。

 

真理子と言えばのウルヴァリンですが、侍としてアレンジしそうなものを、狼丸(ろうがん)としてお供の犬(狼?)になってる辺りのセンスも抜群。

 

お銀(シルバーサムライ)との因縁にも一つ決着がつき、話としてはこれのみでひと段落ついてます。でも次も予定されていて、「シビル・ウォー」をベースにした「デーモン・ウォーズ」だそうで、何それ超読みたい。超楽しみじゃん。キャップとかアイアンマンが和風アレンジされるのか?それともあくまで妖怪大戦争の話の上でちょっとそういう要素が入るのか、いずれにしても楽しみです。

 

最初は私も何これ?って思いながら購入しましたが、色物枠と侮るなかれ。物凄く面白かったし、満足度はとても高い1冊でした。

 

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