僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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暴太郎戦隊ドンブラザーズ公式完全読本 抱腹絶桃

暴太郎戦隊ドンブラザーズ公式完全読本 抱腹絶桃

OFFICIAL PERFECT BOOK
DONBROTHERS HOFUKU-ZETTO
刊:ホビージャパン HOBBY JAPAN MOOK 1294
2023年
☆☆☆☆

『ドンブラ』を骨の髄まで楽しめる最高の“お供”

 

今年も出ました公式読本。
って、あれ?私前年の「ゼンカイジャー」の分、感想書いて無いですね。毎年この手の本は、一字一句逃さずとまでは言わなくとも、基本的には一通り最初から最後まで目を通すのですが、多分ゼンカイジャーの時は気になるとこだけ読んで、細かくは後回しとか思ってたらきっとそのままになってたのでしょう。一つだけ飛ばすのも忍びないのでいつか機会があれば。買って読んではいますし。

 

そんな「ゼンカイジャー」もぶっ飛んだ作品でしたが、じゃあ一風変わったのをやった後は正統派に一度戻して・・・ではなくさらに輪をかけてトンデモな方向に行ってしまったのが「ドンブラ」という作品です。2年連続で異色でしたからっていうのはスタッフインタビューでも随所に出て来ます。

 

そしてみな一様に「井上敏樹大先生の脚本だから」というのがあちこちから出てくる。私は正直、井上敏樹信者と言うほど作品は見てないし(きちんと見たのは「アギト」くらい?)そんなに詳しくは語れないけれど、これが靖子にゃんだったり香村純子だったりとはきっとまた違って、撮影の方の監督まで脚本家のカラーに染められると言う意味では浦沢義雄井上敏樹かっていうぐらいじゃないでしょうか。

 

私、「ジェットマン」観てないんですけど、戦うトレンディードラマってよく言われるじゃないですか。子供番組に大人向け顔負けのドラマを持ち込んだのが井上敏樹なんだっていう。「アギト」なんかも割とそんな感じでしたし、ドラマが上手い脚本家なんだろうなと思ってたけど、ドンブラはそこよりもキャラクターじゃないですか。そこは今の時代の視聴者はドラマ部分なんか重視して無い、キャラクターを楽しんでるんだっていう時代の変化に合わせた描き方を今回はしたんだなと思ってました。

ただ今回のインタビュー読んでてね、本人が言う所はそもそもドラマとキャラクターはイコールなんだと。キャラクターがちゃんと描ければそれは自然にドラマが出来あがるし、一般の脚本家はキャラクターが確立したらそこから変化を持たせるのを嫌がるけど、そこをあえて崩して行くのが面白さなんだよと。この辺りの脚本論はやはり凄いなと。

 

いやだってね、隣でやってるライダーなんかが特にだと思うんですけど、設定とかつじつま合わせとかきちんとしてないと、凄く叩かれがちじゃないですか?ライブ感とか言って、設定や描写を投げっぱなしにすんなよっていう。


それ、ドンブラも設定とかはメチャクチャだし、もはやみんなネタだと思ってましたけど、例えばマスターの正体とかも思わせぶりな描き方だけして、ブン投げじゃないですか。エンヤライドンとかも何なのかあれよくわからない。


正直言って雑な脚本と言うかシリーズ構成だと思うんですけど、ドンブラに関してはそこに文句を言う人ほとんどいなくて、そんな雑さがあったとしても、面白かったんだからそれで十分って納得させてる。

この差って何なんだろうなと思うけど、やっぱり私もよくわからない部分も多いけど、面白かったから良いやと満足度はやたら高い。そこが不思議。

 

そんな「ライブ感」の第一人者である白倉Pもやっぱり、最後の展開を最初から決めてるドラマなんかつまらないと二人で盛り上がっちゃってるのが色々と凄い。

 

あと、今回は1号ロボのドンオニタイジンが売れたというのも近年の戦隊史においてもエポックな部分だと思うのですが、せっかく売れてるんだからもっと出せと言われる事も無く、結果は出してるんだからロボが出ない回があっても別に構わないというスタンスになってるのはちょっと驚きます。

 

特撮監督の佛田さんでしたっけ。確か「ルパパト」の時にだったと思うけど、
いくら賞をとって話題になろうが物語が高い評価を得ようが、戦隊はロボを売る為の番組。だからロボが売れなかったルパパトは失敗作ですよって一蹴してたのが私は印象的だったんですけど、やはりそういうスタンスはかわってないのか、今回は売れたからよし、っていう感じなんですね。

 

今やってる「キングオージャー」もそうなんですが、ドラマやキャラは面白いんだけど、ロボを持て余してる感じが凄くてね。それはドンブラにも同じように私は感じてて、いくら大先生と言われてる人でも、ロボ戦を効果的に話に組み込むって難しいんだなと改めて感じます。そこに関してはやっぱり「ゴーバスターズ」は上手く工夫して頑張ってたんだなぁと思います。

 

個人的にはね、あくまでヒーロー物としてスーパー戦隊が好きなので、そんなにロボの事は気にしてませんし、無いなら無いでも構わなかったりするのですが、戦隊の特色の一つであるのも確かで、そこは色々と難しい部分だよなと。

 

そしてもう一つ、軽視されがちというか、私も普段からそこに注目して見たりはしてないんですけど、怪人のデザイン。毎年ね、こうやって公式読本を読む度に、怪人の一体一体のデザイン凄いなと。

 

今回は歴代戦隊が怪人モチーフだし、巨大化の方は戦隊ロボのイメージが取り入れられてて、こんなに面白いデザインをやってるのに、ほとんど使い捨てみたいな扱いでホント残念。
悩人系のキャラはコンドールマンとかカゲスターとか東映の他のヒーローモチーフなのはすぐわかりますし(前年のハカイザーが忍者キャプターだったのの続きですよね)そこはレギュラーだから良いとして、怪人の歴代要素の使い捨て感は本当に勿体無いと思う。

 

なんて事を考えると、ロボ描写しかり、怪人の面白さしかり、大先生ですら生かしきれてない部分ってまだまだあったりするし、そんな戦隊を形成する一つ一つの要素をどう生かして行くかによってスーパー戦隊の持つポテンシャルはまだまだあるんじゃないかっていう気がしてきます。「ドンブラ」を経験して更にもっとって考えるとなかなか凄い。

 

続く「王様戦隊キングオージャー」正直この後じゃキツイだろうなと思ってたけど、以外やこれもまた面白くってね。ライダーに比べると下に見られがちな戦隊ですが、むしろ私は戦隊派の人間なので、話題になったドンブラをきっかけにもっともっと盛り上がってくれればなと思います。

 

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