僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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フラッシュポイント:バットマン

フラッシュポイント:バットマン (DC COMICS)

THE WORLD OF FLASHPOINT featuring BATMAN and OTHERS
著:ブライアン。アザレロ、スコット・シュナイダー
  ローウェル・フランシス、トニー・ベダルド(ライター)
  エドゥアルド・リッソ、ジーン・ハ
  ヴィンセント・シフエント、アルディアン・シャフ(アーティスト)
訳:石川裕人、御代しおり
刊:DC COMICS ヴィレッジブックス
アメコミ 2012年
収録:FLASHPOINT:BATMAN-NIGHT OF VENGEANCE #1-3(2011)
 FLASHPOINT:PROJECT SUPERMAN #1-3(2011)
 FLASHPOINT:EMPEROR AQUAMAN #1-3(2011)
☆☆☆☆

 

DCユニバースに激震をもたらした衝撃作
フラッシュポイント』のクロスオーバー、全9話を収録!
これを読まずして『フラッシュポイント』は終わらない!

バットマン:ナイト・オブ・ベンジャンス]
息子ブルースを奪われ、犯罪との果てなき死闘に身を投じたトーマス・ウェイン。
彼の前に立ちはだかるジョーカーの驚愕の正体とは!?

[プロジェクト・スーパーマン
メトロポリスの地下深くに横たわる極秘研究施設。
地の底で孤独な日々を送る研究対象の青年は、異星からの来訪者だった!

[エンペラー・アクアマン]
海底帝国アトランティスの帝王アクアマン。
地球の覇権を巡ってアマゾン族と衝突を繰り返す暴君の知られざる過去!

 

フラッシュポイントに合わせてせっかくなので1冊だけ出たタイイン集のこちらも再読。大型イベントタイトルですので、本国では10タイトル以上関連作も出てます(巻末にあらすじのみ紹介)その中から、3タイトル(各3話構成)のみを日本語版として収録。

 


世界改変イベントで、バットマンがブルースウェインではなく、父親のトーマス・ウェインだった!みたいな所謂エルスワールド展開でしたので、フラッシュが奔走する本筋以外の所で他のヒーロー達はどう問題解決に挑んだのかというよりは、いつもと違う世界観を各作家が自由にアレンジして描きましたよ、という既存の設定やストーリーラインにとらわれないある意味自由な発想こそが見所。

 

正史とかじゃないけれど、ワンダーウーマンとアクアマン、二人のデミゴッド(半神)が人類の敵となってガチな争いをしているみたいなのは、やっぱり設定だけで面白い。
昔は婚姻関係にあったとか、ワンダーウーマンはフューリーズというチームを率いていて、そこにはハントレス、ホークガールチーターとかDCユニバースの著名な女超人が集結している、みたいなのもドリームチーム感と、やっぱりワンダーウーマンフェミニズムの象徴ですから、そういった部分でも色々と感慨深い。

 

で、ダイアナさんアーサー君はこの世界では根っからの悪人なのかと言えば、実はお互いの側近が和平交渉などさせぬと暗躍して、本人ではなく陰謀でこんな状況になってしまったのだというのもらしくて良い。

 

そして「プロジェクトスーパーマン
封印されたスーパーマンとしてサブジェクト1という存在が本編でも描かれてましたが、他の実験体もあるらしい事は示唆されてました。
それこそ映画でもやってたスーパーガールとかそういうのかな?と思わせておいて、こちらではザブジェクトゼロと呼ばれる、異星人ではなく軍の実験で超人に強化されたシンクレア中尉というのが出てくる。

 

オリジナルかな?と思いきや、解説を読むと何とこの人ワイルドストーム出身らしい。ジム・リーワイルドストームユニバースもこのイベントをきっかけにDCユニバースへ統合(グリフターくらいしか生き残って無い気がするが)

ワイルドストームユニバース版スーパーマン的な位置付けの人なのか。こういうのは解説に助けられますし、スーパーマンはどのユニバースでもパロディなりオマージュなりされまくるキャラですので、そこをもってきたセンスは面白い。

 


そして最後にタイトルや表紙にもなってるバットマン。(収録順では頭に入ってますが)

父親がバットマンだった!っていうのは、実は今回が初めてでも無く、前にグラント・モリソンが引用してたりもしましたが、昔の面白おかしくつくってた時代にはネタ的にそういう話もありました。もちろん、仮装パーティの衣装とかそんなレベルだったはずですけど。

 

で、そんなトーマスバットマンに対してのこの世界のジョーカーは誰なの?というのが、今まで散々エルス物作られてきたバットマンでもこのアイデアは無かった!という衝撃&面白さ。

 

解説にもあるけど、イベント本編を食ってしまうぐらいの衝撃だったってのが面白いですよね。子供を失った悲しみで両親は互いの道を歩み始めた、っていう。

 

そんな感じで、イベントの補完というよりは、あくまで新しく出来たフラッシュポイント世界を利用して、if物エルスワールドの短編集として読めて非常に面白い1冊。それぞれの話が短いのも良いです。単行本1冊分くらいあるのも良いですが、短編くらいの方がサクッと読めて良い部分もありますので。

 

確か本編とは違ってこっちはプレミア化してたと思いますし、後年になってから再販とかも無さそうなので、ブクオフとかで投げ売りされてたら是非確保しておこう。

 

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