僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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STREET FIGHTER II MOVIE

 

劇場用アニメーション ストリートファイターII
監督:杉井ギサブロー
原案・設定:(株)カプコン
日本映画 1994年
☆☆☆

 

PSP「カプコンクラシックスコレクション」に入ってる奴をちょっとさわってたら、当時やってたのもあってやっぱり面白くてちょっとだけスト2熱が上がり、確かあったはずだよなと押し入れの奥からこれをひっぱりだしてくる。(ZEROのOVAも一緒にありました)

 

劇場アニメ版の「スト2」です。当時は映画とかほとんど見て無かった時期ですが、確かこれはわざわざ観に行ったような記憶があるんだけど、結構曖昧。ジャン・クロード・ヴァンダムが出てる実写映画の方はビデオかDVDかで見たような気がするんですけど、そっちも曖昧な記憶。対戦格闘ブームの真っただ中でね、ゲームがいきなり映画化するっていう所でも人気のほどが伺えると思います。

 

アニメはアニメでこの映画の後に、ゲームとも結構違うオリジナルストーリーで「ストリートファイターIIV」というTVシリーズもあったりしたのですが、なんか4週くらいかけて波動拳の気を練っているみたいな、DBなみの尺稼ぎみたいなシーンがあってそっちは微妙だった気がします。

 

そこを考えるとこちらの映画、スーパーまでの16キャラが全員登場し、(豪鬼も出てるが画面端にいるモブでした。制作時期的におまけでねじ込んだっぽい)大なり小なり戦闘シーンがあったりするのは頑張って作ってる方だと思います。

 

カプコン側からはストーリーなんか二の次で良いからバトルシーンをとにかく入れてくれって要望だったとか。この辺は面白い作りだと思うし、荒唐無稽な必殺技とかもそれっぽく再現しつつ、基本的には突きや蹴りも割とリアルな感じでやってるのがアクションとして見応えがある部分。

 

そして何より気を飛ばす波動拳が必殺技として決め技的に使われるのが面白い所。この流派なら真・昇龍拳が奥義なのでは?っていうのは当然後から見る人の感覚で、普通の昇龍拳とか竜巻旋風脚は技術の範囲で描いて、派手な気のエフェクトが入る波動拳は文字通りの最後に出す必殺技とする。この辺りがこの映画内でのリアリティラインという事なのでしょう。

 

そこはゲーム側と、普段はアニメを作ってる側との感覚的な違いなんだと思います。
感覚的と言えば、これはもう時代なので仕方ないかなとは思うけど、ヒロインの春麗にシャワーシーンがあって乳首まで描く。その後下着姿のままバトルシーンになるんですけど、いわゆるサービスカットというやつなのでしょう。当時の感覚ではみんな喜んだんだと思いますし、カプコン側も別にそこにクレームは入れなかったんだと思いますが、女を裸にして見世物にすればみんな喜ぶでしょ?みたいな意識の低さは今見ると凄く嫌な気持ちになります。

 

単純にアクションシーンとしては凄くカッコいいんですけどね。スピニングバードキックとか百烈脚とかをこう描くかっていう面白味はありますし、挿入歌の印象も相まってこの映画の大きな見せ場の一つだとは思うんですけど、ゲームのある種主役の一人とも言える存在を裸にしてみんな喜んでいるっていう構図が私は凄く嫌です。


一応の主人公であるリュウが寡黙な性格ですし、敵のボスであるベガと因縁があってそれを追うのが春麗とガイルという構造なので、ストーリーなんてあって無いようなもので映画として面白いかと言うと微妙ですが、絵のクオリティは高い方ですし、やっぱり当時の格闘ゲーム、特にそのなかに置いても「スト2」がいかに社会的なブームだったのかを知るには面白い素材だと思います。

 

そして何よりこの映画と言えばテーマ曲の篠原涼子 with t.komuro「恋しさと せつなさと 心強さと」映画以上に大ヒットしましたし、TKサウンド全盛期の一つ。
知らなかったけど「スト6」でもテーマソングとして使われてるんですね。ある意味タイムリーといえばタイムリーだったか?

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あれから30年近く経ってるとは思えない変わらなさが凄い。

色々と時代を代表する1本という感じです。

 


そして今回、改めて色々調べてて知ったんですけど、この映画、制作に色々と苦労してるんですね。最初は池田成が監督で進めてたんだけど、カプコンともめて降板。
いや~、私池田監督の事そんなには知らないんですけど、この人「サムライトルーパー」でも「ガンダムW」でもスポンサーと揉めて途中降板してますよね。キャラデザが村瀬修功さんなのはその辺の繋がりもあるのかな?で、トラブって辞めるだけなら少し気難しいタイプの人なのかなと思うけど、そういうの何度かあっても干されたりはしてないし、何よりこの後またすぐにカプコン絡みの仕事、OVA版「ヴァンパイアハンター」では池田監督がまた普通にやってたりする(キャラデザは同じく村瀬さん)。どういうこと???
制作上の都合で衝突したり譲れないものは多かったりするけど、決して嫌な人悪い人とかではないタイプなんでしょうか。ちょっと不思議。

 

映画として今見ても名作とは言わないけれど、流行がわかる時代を捉えた一本という感じでしょうか。

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