監督:宮原直樹
2011年 イベントムービー
☆☆
プリキュアたち22人のキラキラ☆
ミラクル☆なダンスパフォーマンスをお届け!
当時のイベント時に上映していたらしい「プリキュアオールスターズDX 3Dシアター」という14分のメドレーミュージッククリップムービー。それのソフト版。再生するときも散々注意が出るけど、収録されてるのは2Dでの状態で3Dでは見れません。
2011年の夏頃にやってた奴で、キュアビートまでは登場。ミューズ登場前です。という事は秋映画前なのでブログで取り上げる順番間違いました。まあ誰も読んで無いからいいや。
開幕時にキュアドール風の玩具になっているキュアメロディが目覚めて、夜のおもちゃ屋をこっそり抜け出すと・・・みたいな小芝居パートはあるものの、基本的には新作のCGダンス映像です。
冒頭部分もディフォルメされたメロディがとても可愛く、これだけの短編を見たいと思わせてくれる出来。いわゆるディズニー・ピクサー系のCGに近い物を実験として作っている、という感じで、後にゴープリ映画とかまほプリ映画にもSDキャラを使った本編前の短編として似たようなコンセプトが引き継がれていくものの、エンディングCGダンスのような定番になるまでには至らず。
CGキャラのモデリングを他に生かせる場も無いのでそれだけの為に毎回作るのはコストとして見合わないというのもあるのかも。勝手な想像ですけどね。
現行シリーズの「ヒーリングっどプリキュア」は公式YouTubeチャンネルで「どようびも!ヒーリングアニマルTV」というのもやっているのですが、こういうのこそディフォルメCGモデル使えばいいのにとか思ったりする半面、今時ぬいぐるみ劇というのもそれはそれで面白かったりするので、そこはそれぞれの良さかも。
で、本編。「フレッシュプリキュア」から取り入れられ、今やプリキュアの代名詞にもなってるくらいのエンディングCGダンス。最初はコストがかかりすぎると理解されずに、反対意見も多かったそうですが、当時の梅澤プロデューサーは将来はこれだけでも商売になるぐらいのものにしてみせると啖呵を切って強行したそうです。で、それが実際こうやって身を結んでいるんだから立派ですよね。
梅澤Pと言えばミラクルライトの発案者でもあるので、CGムービーと合わせてその貢献度は相当なものです。
で、CGムービーと言えば素人的に考えると、モデリングさえ作ってしまえばあとはモーションキャプチャーで動きを取り入れれば動かすのは楽だと考えがちですよね。もしかしたら画面に出るのが一人だけだったらそうなのかもしれません。でもプリキュアって基本はチームですので、例えば4人に同じデータを使ったりは出来ない。いや出来ないんじゃなくてやらない。
また素人考えですけど、全く同じデータだったら全員が寸分変わらない動きが出来て、それこそミリ単位でぴったり同じ動きで完璧なものになるんじゃないの?と思いがち。でもそれをやっちゃうと綺麗なのかもしれないけど、逆に機械的で変な映像になっちゃうんですよね。
画面内で数人が同じ動きをしてるとこで一時停止してみましょう。なんとみんな微妙に角度とか早さがずれてることがわかる。普通に動きを見てれば全員揃って同じ動きをしているように見えても、実は個々で微妙に違う。そういう微調整があるからこそ逆に違和感なくリアルに見える、というのが面白いポイントですよね。
一人ひとり別のアクターが演じているのか、一つのデータの方をいじって調整してるのかはわかりませんが、そういう並々ならぬ手間や努力が隠されている。
これがダンス系のCGゲームだと、多分ですけど同じデータの使いまわしなので全員が全く同じ動きという変な映像になったりします。モデルの解像度の低さとか、エフェクトの違いだけでなく、そういう所に十分な手が加わっているのがプリキュアのCGダンスなので、まさしくそれが売りになるほど凄い絵が作れる。
一人ひとり違うと言えば、プリキュアの髪の毛。ほとんどのキャラの髪量が多く、ショートカットは数えるほどしか居ないのがプリキュアです。ショートカットより、ロングヘアーの方があこがれのお姉さん感が出てその方がメインターゲットの子供にも人気が出るから、というのが理由ですが、素人目に見てもそれをCGで動かすのは大変そうですよね。
単純に物理演算ソフトで計算して出力しても見栄えが良くないらしく、確か髪の毛も動きとかカット割りに合わせて自力でモーションをつけているのだとか。ここも凄く手間がかかりそう。
あと、モデリングについてですが、これは公式で何か発言があったわけではなく、個人的な想像ですが、この「スイート」までは体型がモデル体型というか、それ通り越してマッチ棒な腕とか足になってます。私は最初プリキュア見始めた時は、流石にこれ腕とかふとももとか細すぎない?リアルじゃないし、ちょっと気持ち悪いくらいかも?と最初思ってました。
で、次の「スマイル」からは気持ち太くなっていって、その次の次「ハピネスチャージ」辺りがCGとしても頂点に達します。単純にあれくらいのモデリングの方が可愛いし好きだなと思うのですが、その反面、ある別な事に気付く。それは・・・肉感的に見えてエロいのです。
ああそうか、初期の頃はリアルな体型とかにしちゃったらエロく見えちゃうからあのマッチ棒体型だったのかとそこで気付く。プリキュアにエロ要素とか一切不要です。そういうのは意図したものではないとはいえやっちゃいけません。
漫画版を担当している上北ふたご氏は「健康的なお色気は必要だと思っている」と発言してましたけど、私は「健康的なお色気」って何なのかわからないし、プリキュアにお色気なんて求めて無いので、あのマッチ棒体型こそが逆にプリキュアらしさなのかなと。
スイート本編の反重力仕様のスカート(逆さまになっても髪の毛は下に下がってもスカートがめくれる事は無く重力に逆らって上を向いてるという普通に見るとシュールすぎる凄いカットがあるのです)とかも笑って許せるし、むしろそういう所にプリキュアの面白味を感じる方。
単純にCGとしては最高クオリティを極めたハピのEDは大好きですが、ハピの次のゴープリからはCGディレクターが変わった事もあり、別方向にシフトしていく事になります。その辺りはこのソフトからは大分離れた話になってしまうので、また別の機会にでも。
楽曲的にはスイートのOPから始まって「オールスターズ」シリーズのメドレーから新曲の「cam on!プリキュアオールスターズ」で締めてある。
初のオールスターズ映像だった、「DX1」や「ちょー短編」以前の「5gogo」用のゲームに使われた「プリキュアモードにSWITCH ON!」から入ってるのがこだわりを感じさせます。
(NDS) Yes! Precure 5 GoGo! Zen-in Shu-GO! Dream Festival Opening
ちなみにこのソフトDVDorBD、ブックオフとかで中古で売ってるのよく見かけるのですが(何か持ってないので安いの無いかな~って探してるとこれ1本のみしか置いてないケースが非常に多い。果たして14分のソフトを(他にキャラ紹介とか特典映像はありますが)買ってまで見る価値があるのかと言えば若干微妙な所ですが、こうして歴史に思いを馳せるのも悪くないかも。
最初はこれ書く事ねーな、とか思ってしまいましたが、何だかんだと結局ダラダラと書いてしまう私でした。
卒業なんて出来ないよ 満足と呼べるにはまだ小さくて、です。
次は「NS1」私はDXよりNS派なので、とても好きな作品にやっと入れる。いやどれも好きですけども。
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