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キャプテン・マーベル

キャプテン・マーベル (ShoPro Books)

CAPTAIN MARVEL VOL.1:IN PURSUIT OF FLIGHT
著:ケリー・スー・デコニック(作)
 デクスター・ソイ、エマ・リオス(画)
訳:中沢俊介
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2019年
収録:CAPTAIN MARVEL #1-6(2012)
☆☆★

 

マーベル最強の
女性ヒーロー、誕生!

キャロル・ダンバースが新たなキャプテン・マーベルとして帰ってきた!亡き先人の遺志を継ぎ、その名の恥じぬ活躍を見せるために。だが、彼女はキャプテン・マーベルの称号を受け継ぐことに戸惑いを感じていた。そこには、初代キャプテン・マーベルで知られる偉大なクリー人戦士マー=ベルからその名を奪ってしまうという罪悪感や、彼女の進路を決定づけた憧れの女性パイロットで、火災事故で亡くなったヘレン・コブへの未練など様々な思いが入り交じっていた。ヘレンを弔った後、キャロルが彼女の飛行機を操縦していると、時空を超えるという不可思議なことが起こった。過去に遡ったキャロルは、歴史を改変しかねない波乱に巻き込まれ、謎の巨大兵器と戦い、そして、ついには若き日のヘレンと対面することになるのだが...。巻末では誕生からミズ・マーベルを経て現在に至る、キャロル・ダンバースの歴史を大紹介!

 

映画に合わせて刊行された1冊。
2012年のMARVEL NOW!時期に色々とリニューアルされたりしてたものの一環で、ミズ・マーベルとして活躍していたキャロルが、ここからキャプテン・マーベルの名前を引き継ぐ形になった節目、みたいな所が物語のスタート。

 

元々が初代キャプテンマーベル由来のキャラで、女版キャプテンマーベルみたいな部分もあった彼女ですので、巡りに巡って遂に引きつがれた、みたいな感じなんでしょうけど、巻末のキャロルの年表みたいな所を読む限り、もうあまりにも複雑怪奇で、相当な時間がかかってここに至る。

 

ここで継承して以降は、マーベルを代表するキャラクターにまで上り詰めましたし、MCUでも今後しばらくはメインキャラとして描かれていくでしょうから、おそらく当分は引き継ぎとか変更は無いものかとは思われます。

 

キャプテン・マーベル」としては今の所、単独誌の邦訳はこの1冊しか出てませんが、キャロル・ダンバースとしては、私がアメコミにハマる90年代よりもっと前、1978年に光文社から「ミズ・マーベル」も1冊出てたんですよね。

 

光文社関係は私はスパイダーマン数冊とファンタスティック・フォー全4巻は確保できたんですけど、ミズ・マーベルは持ってないです。そのシリーズだと、他にもキャプテン・アメリカにハルクにソーと、まあシルバーサーファーはともかく、まさしくマーベルの顔と言うべきキャラクターのものばかりです。その中で1冊だけとはいえ、ミズ・マーベルも入っていたのは、やはり年代的にジェンダーロール的なもので、当時としてはピックアップすべきキャラクターだった、という事なのかと思います。

 

今回の本の中でも、ストーリーとしてはオリジン的な物を再度紹介するという意図もあってか、キャロルが過去に飛ばされてしまい、第二次大戦中に女だけで結成されたバンシー隊という舞台と遭遇したり(何と日本兵と戦います)、キャロルのあこがれの存在だった女パイロットのヘレン・コブに会う事となり、そんな中で、改めて自分が何者になりたいのか?何を目指してここまで来たのかを再確認する、というような流れになっております。

 

前半と後半で、それぞれ別のアーティストが担当してますが、どちらも荒々しい絵柄で若干クセはありますが、なかなかにカッコいい。その中で、もっと早く、もっと高く、どこまでを上を目指して飛び続けるんだという所での副題の「IN PURSUIT OF FLIGHT」という感じでそこは良いのですが、バンシー隊とかヘレン・コブの描かれ方が、割とスレテオタイプな「男勝りの女」みたいな描かれ方をしてるんですね。

こういう、「男になんか負けねーぞ」っていうのもそれはそれで別に否定はしませんが、こういうのを踏まえた上でのMCU映画版「キャプテン・マーベル」って、そこからさらに先の価値観を提示してたんだなと、改めて感心させられます。

 

映画の方だと、ローソン博士=マー・ベルが女性になってましたが、原作だとその名前は男性だったんですけど、キャラクターイメージとしては今回出てたヘレン・コブのイメージも重ねてあったのかな?という感じです。その辺りを比べて読むのも面白いかも。

 

後は最初に触れましたが、巻末にキャロルのこれまでの流れが4ページ程びっしり文字で埋め尽くされてます。どのタイトルでそのストーリーが描かれたのかとかが載って無いのがちょっと残念ですが、キャロルがかつては女性誌の編集長をやってたり、作家活動みたいな所も割と彼女のアイデンティティの一部なのかと意外な発見もありました。

 

以前に取り上げた「アベンジャーズ:ハルク・ウェーブ」に収録されてる、ローグ初登場号のキャロルの話もやっぱり重要なエピソードのようで、その辺りにもきっちり触れてありました。何かの記事で書いた記憶ありますが、こうやって飛び飛びの日本語版でもたまにこういうリンクを見つけたりすると結構嬉しいものです。

 

せっかくなので、キャロル関係で出てるもう一冊。時系列的にはもっと前のミズ・マーベル時代のシビルウォーを次は読もうかなと思います。

 

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