僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

ロキ:エージェント・オブ・アスガルド

ロキ:エージェント・オブ・アスガルド (MARVEL)

LOKI:AGENT OF ASGARD
著:アル・エウィング(ライター)
 リー・ガーベット(アーティスト)
訳:秋友克也
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2017年
収録:ALL-NEW MARVEL NOW!POINT ONE #1.NOW(2014)
 LOKI:AGENT OF ASGARD #1-5(2014)
☆☆☆★


かの悪名高き欺瞞の神ロキが、美青年に転生!?

「シージ」の戦いで散った欺瞞の神ロキは、死の女神ヘラとの取引で無垢なる少年に生まれ変わった。数多の冒険を経て青年へと成長したロキは、かつての罪を帳消しにしようと、母なる女神達オールマザーズの下僕となって、任務達成のために世界を駆け巡る。その名は「エージェント・オブ・アスガルド」!生まれ変わったロキがスパイとなって暗躍する娯楽作!

 

MCUドラマ3弾「ロキ」スタートしました。2話まで見たけど、これ大丈夫なの?ケヴィン・ファイギよくこれ許したなってくらい設定的に色々と踏み込んでて凄い。ロキは面白いキャラだけど好きかどうかっていうと、そんなでもなかったので、期待度はあまり高く無かったのもあってか、逆に序盤から非常に面白いです。

 

ドラマ版は完結してから書きますが、こちらもロキが主役のシリーズ。ドラマの原作ストーリーとかではないですが、共通する部分もいくらかあって、イメージソースの一つくらいにはなってるのかな?

 

MCUではトム・ヒドルストン演じるイケメンキャラですが、そもそもの原作のロキは基本的に醜悪な容姿で描かれるのが基本でした。
(「ソー&ロキ:ブラッド・ブラザーズ」参照)

curez.hatenablog.com

今回は映画に合わせてイケメンロキで、ヒーローに転向。まあMCU絶好調だしね、人気が出たものをコミックに逆輸入とか昔からあるし、こういうのはこういうのでしょうがない部分あるよね・・・とか思ってたら、見事にやられました!

 

いやそんな単純な話じゃねーぞ、とビックリさせられます。いやこの辺はアメコミらしく、絶妙なシナリオ展開だなぁと唸らされます。

 

詳しくは言いませんが、イケメンロキと、昔ながらの醜悪なロキと両方が出てきて、単純に片方が偽物だったとかじゃない。

 

映画から入った人をコミックに呼び込みつつ、ちゃんと延々と続く原作のロキもイメージを壊さず両方からのアプローチをしてくるという流石な展開。しかも今の時代で新しいロキの部分を描きつつ、アスガルド時代の「テイルズ・オブ・アスガルド」的な古いファンタジー世界みたいな部分も絶妙にリンクさせてくる、という手堅い作り。

 

「勇者ソー アスガルドの伝説」の時にもちょっと触れましたが、アベンジャーズ合流後のマーベルユニバースの中のソーと併録で「テイルズ・オブ・アスガルド」というバックアップストーリーも連載されてて、そっちはバリバリのファンタジーだったんですね。個人的にはそんなに面白いとは思わなかった部分ですが、そういう部分もまたソーというキャラクターを特徴付けるものであったのも確か。

curez.hatenablog.com

なので、そこをちゃんと生かしてある辺りがなかなかに面白い。

 

そしてロキと言えば、裏切りの神様とかいたずらの神様とか言われてるように、どこまでが本心で、どこからが嘘かがわからないというのが魅力。そこはドラマの方とも共通してますが、何もそれはロキ個人に限った話じゃなく、ストーリーそのものも、どこまで真実かよくわからない、コミックを読んでいる、或いはドラマを見ている私らユーザー側の方がまるでロキに騙されているかの如く、ここは本当の事を言ってるのかな?いや違うかも?みたいに翻弄されるのが面白味です。

 

今回のコミックでロキはオールマザーズ、ドラマだとTVAのエージェントになってるわけですが、ロキだけでなくそいつらも怪しくなってくる、という辺りが非常に面白いし、逆に全てが嘘なのかと言えば、いやこの部分は本心じゃないか?なんて、見ているこちらが揺さぶられてしまう面白さ。

 

まさしく欺瞞の神の掌の上で弄ばれてる感じで、非常に面白い一冊でした。

 

関連記事 

curez.hatenablog.com