僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ロキ:地球に落ちて来た神

ロキ:地球に落ちて来た神 (ShoPro Books)

LOKI: THE GOD WHO FELL TO EARTH
著:ダニエル・ギブルスミス(作)
 ジャン・バザルデュア、他(画)
訳:吉川悠
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2021年
収録:LOKI #1-5(2019)
 WAR OF THE REALMS:OMEGA #1(2019)
☆☆★


悪戯の神、嘘の神、
そして物語の神――ロキ。
地球にやってきた彼が
アベンジャーズに加入!?

マーベル・ユニバースのトリックスター
ロキは驚異の英雄(マーベル・ヒーロー)なのか、それとも……?
霜の巨人として生まれ、アスガルド人として育てられたロキ。彼は戦争で英雄となった功績によって、生まれ故郷ヨトゥンヘイムの王座についていたが、とある目的のために王座をほったらかして地球を訪れる。
一方で別の次元では、隙だらけの王座を狙う邪悪な影が動き始めていた!ロキは王座を守る責任を全うし、自身の目的を果たすことができるのか!?

 

2019年のシリーズで、5号で打ち切りになったシリーズ。
何故これの日本語版を?という感じですが、まあロキ人気にあやかって、何か出せるものをって感じなのでしょうか?

 

ここの前のイベント「インフィニティ・ウォーズ」と「ウォー・オブ・ザ・レルムス」でロキは結構な活躍をしてるそうで、だったらそっちの方を読みたいぞと思うのですが、いずれ出してくれるんでしょうか?ソー系列はあんまり邦訳版には恵まれて無くて、だいぶ前の話ですが、アスガルドが崩壊した「ラグナロク」編もすっ飛ばされて、そこまで散々煽られてきた最終決戦のラグナロクは読めんのかい!ってなったりしてました。

 

で、まあそんなラグナロクという運命の輪みたいなのから遂に解放されて、これからは新しい時代が作られて行くぞ、となった時に、ロキも負け続ける運命から逃れて、レディロキになったり、キッドロキになったり、エージェントロキになったりしてたわけです。そこは邦訳版でも飛び飛びで読める。

 

そして今回の話の直前の「ウォー・オブ・ザ・レルムス」でのロキの功績が遂に認められて、ヨトゥンヘイムの王座につく。ソーとロキは兄弟として、それぞれの国を治める形になった。ある意味、最後に丸く収まったような形ですが、そこで満足しないのがロキ。

 

再び悪だくみを始めて、他国へ侵略・・・とかではなく、いや自分もヴィランじゃなくヒーローになったんだから、めでたしめでたし、で終わりじゃ無いだろうと。人気のヒーローは永遠に続く物語でなければならないという、ある種メタ的な話をしはじめる。デッドプールとかグウェンプールみたいに第4の壁とかも意識しはじめたようです。

 

さらに、神よりも上位の存在であるチルドレン・オブ・エターニティと接触。未来まで含めたマーベル・ユニバースの物語が全て記録されているハウス・オブアイデアに辿りつく。

 

そこで見たものは・・・ロキの物語の少なさ。
え~!スパイダーマンとかウルヴァリンは棚に入らないくらいいっぱいあるじゃん!自分もそれくらいの存在になりたい!とか身も蓋も無い事を言い始める。

 

まずは手始めに・・・自分もアベンジャーズに入れてくれと兄者を頼るも、アベンジャーズに入りたいんだったらアイアンマンの所に行けよ、と、トニー・スタークを訪ねる。・・・そこでの口あんぐりぽかーんなトニーが面白い。

 

MCUドラマ版でも、マルチバースの暴走に関わっちゃったし、そんな役をロキにやらせていいのかな?ってちょっと思ったけど、原作でのこういう役回りとかも踏まえての事だったんでしょうか?

 

「ソー&ロキ:ブラッド・ブラザーズ」で描かれてた、どんな世界においても永遠に負け続ける運命を背負ったロキっていうのも、あれはあれで面白かったし、その悲壮感みたいなのもある意味でのロキの魅力とも言えるものでしたが、そこから脱却した時に、ロキはどこを目指すべきか?っていうのって先述のラグナロク崩壊後のロキのシリーズにおいても、いろんな方向に行きつつ、なんかあんまり定まって無い感じですよね。

 

それこそがトリックスターであるロキの魅力と言えなくもないし、普通に改心してアベンジャーズの一員になりましたってのも、それはそれで埋もれちゃうような気はする。

 

所謂アークヴィランとかの存在。マグニートーとかドクター・ドゥーム、ノーマン・オズボーンとか、(オクタビアスもそうかも)とかって、今はもう単純な悪役とかを飛び越えた存在になってますけど(レッドスカルはどうだろう?)、ロキはそこまで至って無い・・・のかな?そういう気はしないでもない。やっぱりその定まら無さがロキっぽいとも言えるんだけども。

 

今後はしばらくMCUに寄せていくのかなぁ?とも思うけど、こっから更に10年後とか、元に近い感じに戻っちゃうのか、それとも全く別のアイデンティティを会得してるのかはロキの場合想像しにくい。

 

一応は今回もヴィランとしてナイトメアとかと戦うんだけど、そこを自慢の嘘で一蹴出来るくらいにはロキも役者が違う。

 

ぶっちゃけ、MCUから入った人がロキのコミックも読んでみようかな?と手にするには変化球すぎてちょっと厳しい話だと思われますが、解説にもある通り、ロキというキャラが持っているポテンシャルという意味ではなかなか面白い話ではありました。

 

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