監督：山口恭平
脚本：香村純子
スーパー戦隊シリーズ Ｖシネクスト
日本映画 2022
☆☆☆☆★
本日より公開。スーパー戦隊シリーズお馴染みのＶＳシリーズ。
「機界戦隊ゼンカイジャー」「魔進戦隊キラメイジャー」のクロスオーバー作品。
早速観て来ました。
個々の作品の方の感想でも書きましたが、私の中では「ゼンカイジャー」はちょっと物足りない部分もありつつ、「キラメイジャー」はこれぞスーパー戦隊の王道って感じでメチャメチャ好きな作品でしたので、キラメイメンバーにまた会えるっていうのが一番の楽しみでした。
今回、キラメイジャーの方のメイン監督だった山口恭平監督で、脚本はゼンカイジャーでフルに脚本を書いた香村純子。そういう意味ではキャラクター描写は１００点なのは間違い無し。
お話的には、いわゆるゼンカイ脳炸裂な感じで、カルビワルドが現れたら、そりゃあ戦闘は焼き肉勝負しかないだろ！といういつものように頭のねじがぶっとんだ展開。
「キラメイジャー」もコメディ要素はそれなりに多めでしたし、元がカラッと明るい作風なので、ゼンカイ脳にも十分に対応出来ます。特に元からコメディキャラになてったシグルの対応ぶりが凄い。いや流石マンリキ芸人です。
全編コメディー要素がたっぷりなので、私は最近あまりやって無い「帰ってきた」系のＯＶっぽさも感じたかな？帰ってきたシリーズだと、どっちかつーとシリアスじゃ無く内輪受け的なコメディー部分の方が大きかったので。（元々、おまけのアンコール的なＯＶですしね）
帰って来たと言えば、ゼンカイジャーが普通に帰ってきてて可笑しい。いや、エピローグ的に、これからいろんな世界を回って俺達の旅は続くんだ！的な旅立ちだったわけじゃないですか。それが普通にただいま～って戻ってきた。おみやげいっぱい持ってたから実際旅はしてきたんだろうけど。
そして今回、ちょっと嬉しいのはマブシーナ姫の出番が多い。まさかマブシーナのアクションシーンまで見れるとはって感じで、下手したらお兄様より出番多かったかも。
カナエマストーンを使ってトジテンド残党が復活を目論む、という形で、そのカナエマストーンの争奪戦にキャプテン・マーベラス／ゴーカイレッドと夜野魁利／ルパンレッドも絡んでくる。
お宝に目をつけて、俺もそれ欲しいぞって狙ってくるのかなと思ってましたが、これがなかなか、流石センパイジャーとでも言うべきか、二人とも良い奴でした。魁利君、メチャメチャ優しい先輩だし、マーベラスもね、パクリのゴールドツイカーと対に対面とか果たすんだけど、変につっかかってくるというより、いっちょ後輩がどんなのか見てやるか！的な感じがなかなか良い。
ゴーカイジャーはメインでは無いものの、香村さんも脚本書いてるし、ルパレンはメインライターでしたし、「ゼンカイジャー」を経て、かつての先輩たちはこんな感じで居てほしいな、みたいな感じなのかな？元のキャラからは決して外れて無いものの、新たな一面みたいなのが見れて凄く嬉しい。
センパイジャーの顔出しはその二人だけなんだけど、ゴーカイ以降のレッドバスター、キョウリュウレッド、トッキュウ１号、アカンジャー、ジュウオウイーグル、シシレッド、パトレン１号の近年のレッドがセンパイジャーとして集結。魁利君が「優しいお巡りさん」ならぬ、優しい先輩方って言ってましたが、そうだよねぇ、みんなきっと後輩が困ってたら助けにかけつけてくれるよね！という感じがとても良いです。
ライブラリ音声というか、名乗りバンクはそのまま使ってるので、そこだけながらちゃんとオリジナルの声ってのも嬉しい。東映はね、そういうとこ手抜きがちな事も多いだけに、それだけでもやっぱり嬉しいもんです。
コメディーで十分に笑わせてもらった後に、全員分の戦闘シーンもちゃんとカッコ良く演出してくれてましたし、ステイシーもちゃんと一員感があって凄く嬉しい上に、今回はフルＣＧでゼンカイオーのみながらロボ戦もちゃんと入れてくれてました。
いつものゼンカイジャーっぽい１話でありつつ、ファンサービス的なツボもちゃんとついてくれるし、１本の映画とかいうよりは、ファンに向けた極上のエピローグみたいな感じで、満足度は非常に高いです。面白かった。
ポットデウス君もね、可哀相な奴だったけど、使い捨てにされる気持ちはステイシーが痛いほど理解してくれるでしょう。きっと同じ世界の仲間としてけじめはつけつつ、受け入れてくれるんだろうなって思えるのも良かった。
唯一の不満といえばは、ＥＤ曲でしょうか？毎度おなじみのダンスが見れるのは嬉しいしありがたいんだけど、ゼンカイジャーのＯＰとキラメイジャーのＥＤのリミックスが流石に上手く噛み合って無い感じがして、最後の最後にちょっと変な気持にさせられました。いややりたい事はわかるけど！みたいな。
ただその中で、本編にも無い１シーンがちょっと嬉しい。せっちゃんとナビィが並んでるシーンが１カットだけ入ってて、そうそう、こういうのが見たいんだよ、っていうのに十分に応えてくれててそこは嬉しかったよ。
定期的に顔を見せてくれるマーベラスはともかく、魁利君とかもね、珍しい人選はやっぱり嬉しいし、変わらずこうやって先輩として登場してくれるのは本当に嬉しい。またいつか会いたいなと切に願います。
あと今回の話にも出ないし、作品としては関係無いのですが、とにかく今やってる「ドンブラザーズ」が蓋を開けてみたらこれがメチャメチャ面白くて、戦隊良いよね、って思ってます。とにかくここ数年は、戦隊は厳しい状況って言われがちですが、内容的には凄く面白いので、ライダーに負けないくらいの勢いをまた取り戻してほしいぞ。
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