僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(MCUその43)

www.youtube.com

原題:GUARDIANS OF THE GALAXY VOLUME 3
監督・脚本:ジェームズ・ガン
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2023年
☆☆☆☆☆

アントマン&ワスプ:クアントマニア」から始まったMCUフェイズ5の2本目。
劇場公開映画としてはシリーズ32本目。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」としては完結編とされ、監督のジェームズ・ガンは今後はライバルのDCUのプロデューサーとして就任済みで、離脱決定。主演俳優も何人かは今回で役からの卒業を明言してたりもするので、まさしく一区切りつくといった趣。

 

そういった経緯もあってなのか、毎回評価が割れていた印象のあるフェイズ4以降、みんなが求めていたのはこれだったと大絶賛されてる感じ。
これね、向きが違うんですよ。エンドゲーム以降、新たなフェイズとして世界観を広げる方向に行った諸作品と違って、この作品は閉じる方向に向いてるの。そこの差だと思う。

 

公式の宣伝の仕方もあったと思うけど、一つ前の「アントマン3」なんか特に、「今後のシリーズラスボスが出てくる作品」みたいな見方ばっかりされてて、やっぱりそこはちょっと作品としては不幸だよなと感じました。

 

アベンジャーズ:エンドゲーム」という10年を締めくくる大団円があってね、その後の続け方に、作る方も観る方も実は戸惑ってるんだと私は思ってるんですが、そんなの試行錯誤するの当たり前じゃないですか?

だってエンドゲームに至るまでの10年間も、映画史に置いても誰もやった事の無い積み重ねをしてきたんですよ。その更に先をどうやって行けば良いかなんて、誰も知らないんです。前例が無いんですから。

 

なのに、こうじゃないだの何だの言ってる人の気持ちが私にはよくわからない。何で前人未到の知らない世界の事をあなたは知ってるの?え?まさか・・・まさしくあなたが時の征服者カーンなの?

 

ガーディアンズの前にDCを語っちゃうのはどうかとは思うけど、ジェームズ・ガンによる立て直し、実は凄く期待してます。逆にあっちは旧シリーズがグダグダになったという、言い方はキツイですが失敗例もあるわけだし、マーベルの成功と言う前例ありきで進められるんだから、より上手く行ける可能性は高いはず。勿論、厳密に全てが同じでは無いですし、時代の変化もあるから、成功が約束されたシリーズとまでは言えませんが、純粋に期待は高まります。

 

だってそこはガーディアンズにも重なる部分じゃないですか。誰も知らない宇宙のはぐれ者が集まって、最初は自分勝手な奴らでまとまりもなかったけれど、戦いを重ねて行く中で、かけがえのないファミリーになり、いつのまにかみんなの期待を背負う銀河の救世主ですよ。

 

何度でも言うけど、ガーディアンズなんてそれなりのアメコミファンでも知らなかった。私だって、超マニアとまでは行かないまでも、日本語版くらいずっと追い続けてきたそこそこのファンだと自認してたけど、映画で初めてガーディアンズを知りました。

 

監督の、ジェームズ・ガンガーディアンズ前はインディー映画で名を上げてたカルト監督でした。フェイズ1辺りのマーベルは、監督もそれなりに実績がある人が多かったけど、ガンの起用と成功から、その後のMCUでインディーズ上がりの新進気鋭の監督を多用するようになったきっかけになりましたよね。そんな輝かしい部分もありつつ、今度は過去の発言が仇となって、ディズニーから解雇通告、そこでDCが拾ってくれたわけだけど、違う監督になるならもうガーディアンズには出ないと俳優陣がボイコット。首の皮一枚で繋がって、再度ここで最終章を作れるようになった。

 

まさに、ならず者の集まりが、家族になって互いを支え合うという、リアルガーディアンズみたいなメタ要素もあってこその、より作品の強度が深まり、さらに面白さが増すという部分。

 

冒頭、アダム・ウォーロックの襲撃によりロケットが重傷を負ってしまう。でもガーディアンズの皆は、ロケットを助けるんだ、大事な家族の一員なんだって本当に必死になってロケットを思うんですよね。もうここがボロボロ泣けてきて仕方なかった。

 

皆、口が悪いし憎まれ口とかポンポン出てくるキャラだったりするし、過去に喧嘩もしたりしたけど、それでもロケットを絶対に失いたくないその気持ちに泣かされる。

 

そしてその瀕死の重傷を負ったロケットの走馬灯のように、ロケット誕生から過去のオリジンが明かされる。原作にあったハーフワールドと、今回のメインヴィランであるハイエボリューショナリー絡みのカウンターアースを合わせてアレンジして使ってましたが、ロケットの最初の仲間・家族をここで掘り下げてくる。

 

そうか~、エンドゲームの時とかもロケットでガーディアンズを家族って言ってたけど、それは一緒にチームを組んでやってきた仲間意識みたいな所が強いのかと思ってたけど、この最初の家族があったから、それを胸に抱えてロケットは生きてたのか。ここも凄くグッと来る。

 

ロケットの初期作で今回の設定のベースにもなってる「ロケット・ラクーン&グルート」にも収録されてるロケットのミニシリーズの話がなかなか面白くって好きでね、
ヒロインのライラとか出てきて、おおっ!となりました。ライバルのブラックジャック・オヘアも出てくると思ったけど、そこは居なかったのがちょっと残念。今後に期待でしょうか。

curez.hatenablog.com

 

で、この辺りの設定も面白ければ、やっぱりビジュアルショックが凄かった。ノーウェア、オルゴスコープ、カウンターアースと全然違うビジュアルになるのも面白いし、やっぱり今回は有機体を改造して作ってあるというオルゴスコープのビジュアルが気持ち悪くて圧巻。
他の作品を悪く言って申し訳ないけど、いやアントマンの量子世界で何故これをやらなかった!

curez.hatenablog.com

こういう、今まで見た事の無い世界を期待しましたよね、量子世界って。
このジェームズ・ガンのセンスが本当に凄い。

 

荒唐無稽でリアリズムなんか全く無いシュールなアメコミ世界なんだけど、こんなの見た事無いってワクワクさせられるわけで、ガーディアンズは今の時代におけるスターウォーズなんだって評価を受けるのも頷けるものがありますよね。

 

マーベルの最近の欠点と言われたCGのクオリティの低さも、今回はまさしく映画として抜け目なくきちんと作りましたよっていう感じで凄く良かった。個人的にCGのクオリティって、見ててわかる部分はあるけど、そこはしょうがないんじゃないのって、個人的にはそこまで見るうえでのノイズではなかったんだけど、やっぱり高いクオリティは凄い。ってか具体的に動物の毛並みがリアルで良かった。

 

今回は完結編っていう形で、広げるよりも締める形で作ってるのはやはり大きいと思うけど、例えば途中でコズミック系の流れでキャロルとかちょっと絡めたりせず、ガーディアンズガーディアンズとして作ってある感じが凄く良い。新キャラのアダム・ウォーロックも原作とはほぼ別物ながら、ガーディアンズらしいキャラクターになってて、凄く馴染んでるんですよね。こいつは今後、他の作品にも絡んで行くキャラですよ的な印象を受けない。

 

今回はその辺りの取捨選択がバツグンに上手い。作り手が表現したいもの、客がみたいもの、作品としての客観的な魅力、そういうものをちゃんと熟知しているというか、例えばガモーラの選択なんかも、こび過ぎない感じがガーディアンズらしいなと感じた。

 

しかもテーマ的にもね、完璧さを求めるハイ・エボリューショナリー、完璧である事を求められるアダム・ウォーロックに対してさ、俺らみんなポンコツで欠点だらけだけど、それで何が悪いのさ?みんなそれぞれ良いとこ悪いとこあるさ、でもそれを補い合うのがチームであり家族だろ!っていうヤンキー感、アウトロー感をきちんと残してある感じが本当に凄い。


アッセンブルだし、友情パワーなんだけど、決して彼ら彼女らを変に浄化させたりせずに、アウトローチームとして描き切った所にセンスを感じるし、数あるスーパーヒーロー物の中でもガーディアンズらしい個性だなぁと思えて、最高に心地良い作品でした。

 

ありがとうガーディアンズ
このチームで再集結とか、ガン監督がマーベルに戻ってくるとかはこの先あったとしてもまた10年以上先でないと難しそうだし、一区切りはついた感じですが、MCUが続く限りは、個々のキャラとかはまた出る可能性は十分にあるので、再び会える事を信じて。

 

MCU作品としては次は映画だと11月の「マーベルズ」
ドラマは確かその前に「シークレット・インベージョン」が見れるんだっけか?
MCU枠では無いけどマーベルとしては「スパイダーバース」もありますね。
ライバルのDCの方は個人的にはテンション下がりつつも、公開されたら結局は観に行きますし、アメコミースーパーヒーロー映画は今年もまだまだ続きますので楽しみです。

 

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com