GETTER ROBOT HIEN -THE EARTH SUICIDE-
原作:永井豪・石川賢
漫画:島津直人
刊:幻冬舎コミックス バーズコミックス 全3巻(2008-9)
☆☆☆
島津直人の手によるオリジナルノゲッターロボコミック。
終盤、ゲッターエンペラーの時間軸に飛ばされたりするシーンもあるからか、石川賢作では無いものの、分類上ゲッターロボサーガに分類されてたりもするっぽいですね。
劇中では特に説明は無いですが、肩に「真」の文字が入ってたりするように、巻末の設定画では真ゲッターの汎用機という位置付けの機体の様子。
物語の後半の展開にもかかわってきますが、ゲッター炉とプラズマ炉のメインエンジン二つ持ちで、前半の方はゲッター炉は使わずに、終盤でようやく火が入り、最終的にゲッターロボ飛焔へと覚醒するという展開。
神隼人が司令官として若いパイロットを導いて行くというパターンと、過去には恐竜帝国、百鬼帝国との戦いがあった上での世界観。
ゲッター線が、地球と言っても人間では無く、その大地そのもの、植物を進化のパートナーとして選んでいたら?みたいな感じですけど、時代こそ違えど、80年代末~90年代初頭辺りに流行っていたガイア理論「母なる地球こそが全てに置いて最優先事項であって、それを汚す愚かな人間どもよ!」みたいな一時期凄く流行ったパターンのゲッターロボ版と言えなくもないです。「逆シャア」とか「寄生獣」とかあの辺のやつね。
メカ物を多く手掛ける島津直人さんですので、デザインや絵柄は手慣れた感じでレベルは高い方。ただねぇ、それが「ゲッターらしさ」という捉え方なんでしょうけど、最後がね、やっぱりトンデモな所にブン投げて、さっぱり完結しないまま終了という、見事なくらいのゲッターリスペクトです。
それを面白がれる人なら良いですけど、私は石川先生にしても永井豪ちゃんにしても、あの風呂敷を広げるだけ広げてあとはただブン投げて畳まずに終わる、という作風、正直好きじゃないです。百歩譲ってもはやそれが作風と認識されてる本人なら良いですよ。でもこういう別の作者が描いてる物なら、そこは投げずに畳もうよ、と私は思うぞ。ブン投げて終わっちゃうと、正直ただのパロディというか劣化コピーみたいに思えてしまってね。話の作り方やキャラの立て方も、いかにもゲッターっぽいでしょ?と言われたら確かにそうなんだけど、作者が違うなら、違う作者なりの物が見たいわけで、そこは何とももどかしいです。
決して悪くは無いんだけど、劣化コピーの同人誌感は多少否めず。
評価が割れる所だとは思うけど、私はこういうのでも作り手の主張みたいなのは入れてほしいかなと思う方です。一般的な「ゲッターっぽさ」「ゲッターらしさ」は100点レベルかと思いますが、違う作者ならではの部分は薄い。
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