僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

THE KING OF FIGHTERS 外伝 ―炎の起源― 真吾、タイムスリップ!行っきまーす!

THE KING OF FIGHTERS 外伝 ―炎の起源― 真吾、タイムスリップ!行っきまーす!(1) (マガジンポケットコミックス)

漫画:あずま京太郎
原作:SNK
刊:講談社 シリウスKC(コミックス) 全2巻 2021-2022
☆☆☆★


「KOF14」のコミカライズ「THE KING OF FIGHTERS 〜A NEW BEGINNING〜」を手掛けたあずま京太郎の次の作品。KOF初期、94~98までの草薙京を主人公としたいわゆる「オロチ編」を補完するバックアップストーリー。

 

タイトル的には流行りの異世界転生物っぽいフォーマットですが、過去の世界で無双するとかそういうのではなく、草薙家・八神家の血族に纏わる過去の因縁を自ら体験して知るという、メチャメチャシリアスな話。

 

オロチ編の時期のKOFはゲームやってたので、基本的なストーリーとかは知ってたのですが、小説版とか外部で語られた細かいストーリーまでは把握しておらず、今回、この漫画を読んだ後に少し調べてみた所、そもそも昔から過去の因縁とかまでは明確には語られておらず、断片的に設定の端々で語られてきたぐらいだった様子。

 

そこを今回、独自に掘り下げて描いた感じ。冒頭の現代パートで草薙柴舟と神楽ちづるといった既存のゲームキャラは登場するものの、660年前の過去に遡れば、所謂既存のキャラのイメージを重ねた御先祖様的なキャラは出るものの、基本的には漫画オリジナルキャラ。

 

最初はね、「龍虎2」の如月影二 →「月華の剣士」の斬鉄みたいな感じでね、過去編なら自由にSNKの御先祖様キャラみたいなの出せるし、KOF過去バージョンみたいなノリで行けそう、とか安易な物を期待してしまったのですが、まさかの超超シリアス、真面目かよ!って突っ込みたくなるレベルで、思ってたのと違うなぁと思いつつ、でも気を取り直して正座してこちらも真剣に向き合うと、これが思ってた以上に面白い。

 

絵も前作よりメチャメチャ上手くなってるし、話の立て方も物凄く上手い。普通に考えたらね、真吾が過去に行ってそこで草薙家の御先祖様に弟子入りするみたいな現代と同じ設定を過去に再現するみたいになりそうな所を、基本的に真吾が絡むのは草薙家の方では無く、八神の先祖である八尺瓊家の方に関わっていくという形にしてあるのが上手い。
そしてマガイという、紛い物=偽物風の名前のキャラを出す事で、八神庵のまがいもの的な意味なのかな?と思わせつつの・・・という捻りもあり、ただの設定話に終始させない作りに感心しました。

 

しかもちゃんと主人公の真吾もこの世界間の中では異物でありながら、存在感や暗くなりがちな話の中で明るい性格を出す事で、上手い温度感みたいなものも保っててちょっと凄い。あれ?前作でこの人こんなに漫画上手かったっけ?と思うくらい。

 

「オロチの力」も単純に暗黒の力的なイメージでしたが、異形の蛇の要素がビジュアル的にも今回は結構出てて、そういう妖怪や邪悪な霊みたいなものに対抗する手段として炎の技で対抗したというのは結構すんなり受け入れられる設定ですし、なんか思ってた以上に面白かった。

 

前作の時にもちょっと書きましたが、私は「KOF」だと怒チームが好きで、京・庵・真吾辺りはチーム専用EDを見るくらいの時しか使って無いので、そんなに思い入れは無かったりするんだけど、それでもオロチ編はボスキャラとかも含めてそっちの話でしたし、馴染みもあって素直に良かったです。

 

まあぶっちゃけ、掘り下げが必要なのは前作と同じく、過去作品のストーリーじゃ無く現行の方をゲームとともに盛り上げるとかの方が大切なんじゃないかと思いつつ、レトロゲーマーとしては楽しませていただきました。

THE KING OF FIGHTERS 外伝 ―炎の起源― 真吾、タイムスリップ!行っきまーす!(2) (マガジンポケットコミックス)

 

関連記事

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

 

 

curez.hatenablog.com