原題:CAPTAIN AMERICA THE WINTER SOLDIER
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2014
☆☆☆☆☆
MCUフェイズ2の3作目にして「キャプテンアメリカ」2作目。
そして3作目の「シビル・ウォー」のみならず、アベンジャーズの締めくくり「インフィニティ・ウォー」「エンドゲーム」まで手掛ける事になる、ルッソ兄弟がここからMCUに関わる事になったという意味でも、重要な1本。
MCU最高傑作と評価される事も多い、人気の作品。私は忘れないぞ、キャプテンアメリカだせぇとか、アイアンマン・ソー・ハルクと比べたら弱くね?何でそんなのがアベンジャーズのリーダーみたいな事やってんの?とか散々言ってたくせして、この作品を境にコロッと手のひら返ししやがった事を。
うん、でも私も人の事をとやかく言えない。原作の方の「ウィンターソルジャー」と「ニューディール」を読んでからキャップに転んだ口なので、実は大差ありません。
合わせて関連作を再読しようと思ってたものの、コロナの影響で新作映画がストップ、そこで何とMCU旧作が上映される事になって嬉しい悲鳴。でも私の行きつけの映画館はまだ時間短縮で夜やってないのが非常にもどかしい。全部見たいくらいなのに、休日しか見れない・・・。今回はDVDでの鑑賞ですが、そんな背景もあって次はガーディアンズを飛ばして「エイジオブウルトロン」の再上映を観てきて、その翌々週に「ガーディアンズオブギャラクシー」の再上映に行く予定です。作品の順番前後しちゃいますけど、その辺はご容赦下さい。
で、MCU「ウインターソルジャー」です。ロバート・レッドフォードを悪役に、政治スリラーとして描いたのが特色、と評価される事が多いので、私もそんな気分になってましたが、こうして見返すと、まずとにかくテンポの良さとアクションが圧倒的に凄い。アクションの質を上げたのもそうですが、シチュエーションがアクションパートの度に違う形でやるので、同じ事を二度も三度も繰り返すんじゃなくて、見ていて飽きない流れになってる辺りが流石です。
で、「ダークワールド」の時に書きましたが、ファルコンが新登場で、ブラックウィドウも脇役で無くメインなので、アイアンマン2やアベンジャーズの時ともまた違って、その魅力が十二分すぎるほど描かれる。敵のウインターソルジャーもやたらカッコいいし、フューリー、マリア、シャロンとか時間は少ないながらも魅力的に描かれ、コミックファンとしてはバトロックとかラムロウとかその辺りも楽しい。
MCU人気が爆発したフェイズ3に通じる、1本の作品のワクワク感があるのがこの作品からなんだなぁと改めて感じました。それでいて政治性やアクションの面白さもある。(コメディ要素は少なめ)これまでがマーベルヒーロー、或いはマーベルユニバースの紹介みたいなものだったとすると、それをより面白く、より魅力的に伝えるにはどうしたらいいのか?っていう描き方にシフトしたのがこの作品の気がします。で、そこがインフィニティウォーやエンドゲームにまで繋がると。
そして何より今回のキャップが物凄く魅力的に見えるのは、アクションのカッコよさもさることながら、キャプテン・アメリカがアメリカに従うのではなく、アメリカが掲げる理想、真の自由の為に戦い、アメリカと言う国が間違いを犯すのなら、その国に対しても戦うというのがキャプテンアメリカと言う存在なのだと、堂々と描き切ったのは大きい。
そう、キャップの魅力はやっぱりそこ。ナターシャも迷い、フューリーでさえその道に迷いかける中で、キャップだけは迷わず理想へ突き進む姿。カッコいい。ファルコンじゃなくてもそりゃ惚れる。
そんなキャップも一つだけ迷う事がある。それがウインターソルジャーとなってしまった親友バッキー。そりゃあ腐ってなくてもメロメロですよ。
私もどっちかと言えば真面目で堅物な方のタイプなので、アイアンマンよりはキャップみたいになりたいって憧れます。
原作だと白人フューリーもそっちに近いタイプかと思いますが、MCU版はアルティメット版の黒人フューリーがベースなので、結構悪役っぽい感じですよね。(いや最後はやっぱり味方だけどさ)そこは同じような方向性にするより、かぶらない方がキャラも立つし話も作りやすいっていうのもあるのかなとは思いますが、その分ますますキャップの株が上がるという面白い構造。つーか眼帯してる方の目、友人に裏切られたとかこの時点でカッコつけてます。
とにもかくにもルッソ兄弟の手腕恐るべし。
次は家での鑑賞で無く再上映の「エイジ・オブ・ウルトロン」です。
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