僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

マイティ・ソー/ダーク・ワールド(MCUその8)

マイティ・ソー/ダーク・ワールド MCU ART COLLECTION (Blu-ray)

原題:THOR THE DARK WORLD
監督:アラン・テイラー
アメリカ映画 2013年
☆☆☆

 

MCUフェイズ2の2作目にしてマイティ・ソー第2作。
割とMCUのシリーズの中では「インクレディブルハルク」に並んで、低評価を受けがちな作品ですが、別にそんなにつまんないとかではなかったような?という当時の印象。でも、じゃあソー2ってどんな作品だったっけ?と言われると、ロキが良いんだよなぁというのと、ヴィランは確かダークエルフとかだっけ?みたいに曖昧な印象なのは確か。

 

で、今回見返して見てどうだったかと言うと・・・うん、つまんなくはなかった。でも確かに印象に残りにくい作品だなぁと。敵がダークエルフのマレキスですが、多分邦訳版の範囲内での原作コミックの方では出てきた事が無いキャラですし、いわゆる新キャラ初登場みたいなのが無いのか原因の一つ。

 

「アイアンマン3」も正直ヴィランが有名スーパーヴィランじゃなかったですし、他のアベンジャーズメンバーが絡まないのもあって、似たような作りなのかなと思いますが、あっちは終盤に新型アーマーが大量に登場という見せ場らしい見せ場があった分、そこに新鮮さがありました。同じ2で比較するなら「アイアンマン2」だとウォーマシンにブラックウィドウにフューリーが本格参戦。で、この次の「キャプテンアメリカ2」ならファルコンにウィンターソルジャー。今度はこれが出てきたか!っていう表層上の目新しさがあるわけです。

 

これがダークワールドには無い。印象にも残りにくいし、MCUの中でも重要イベントがあるわけでも無しで、そりゃ「あまり語られない作品」になっちゃうのも仕方ないのかなと。

 

かと言って既存のキャラのウォリアーズ3+シフの魅力が存分に描かれるかと言うと、ルーチンワーク的に一人づづ順番に1度の見せ場がある、という程度。(日本人的に注目する浅野忠信のホーガンなんか見せ場すらない。)これちょっと勿体無い。無難に作ってある分、逆に普通というかこの作品ならでは、という感じがしない。

 

肝心のマレキスも動機や強さが中途半端な気がするし、「エンドゲーム」で拾われた母フリッガとソーの別れも、そもそもこの親子の描写が少ない。ストーリー上、母との話がソーでなくロキの方に比重を置いて描かれてる。

 

フェーズ1は「アベンジャーズ」を成立させるという確固たる目標があって、じゃあそのアベンジャーズをやった後に、何をやるのか?次はどこを目指す?っていうのが曖昧になってしまっていた時期なのかなぁと。

 

前作までで、ロキがアベンジャーズで使ってたセプターとキャップ1作目のコズミック(4次元)キューブがインフィニティストーンという事になって、今作の「エーテル」も6つのストーンの内の一つだよ、というのが作中で明確に言われていて、インフィニティサーガとしての目標は設定上ここから入ってきてはいるんだけど、それはあくまでただの仕込みであって、映画単品の作品としては何をやりたいのかがちょっとわかりにくい。

 

この作品、後に「ワンダーウーマン」を大ヒットさせるパティ・ジェンキンスが最初は監督の予定でした。でも意見の相違みたいな感じで降りてしまう。で、そのパティ押しだったナタリー・ポートマンも今回の仕事はやるけど、これ以降はちょっと、と距離を置いてしまう事に(結局また戻ってくる事にはなりましたけども)

 

「アイアンマン」も監督としては3でファブロー降りてしまいましたし、同じくフェイズ2で進んでいた「アントマン」もエドガー・ライトが同じような理由で途中で降りてしまったと。そういうネガティブな要素が生まれつつも、逆にルッソ兄弟とかジェームズ・ガンを起用したり、今後のMCUの隆盛を左右するするくらいのポジティブな面もある。フェイズ2はまさしく過渡期だったんだなと、改めて思います。

 

で、そんな中でもMCU屈指の人気キャラのロキですよ。
「ソー1」はともかく、「アベンジャーズ」でまさしくやられキャラという役をまっとうし、逆に今度はその小悪党っぷりがコメディリリーフとして愛されキャラになる辺りがまさしくトリックスター。愛憎渦巻くシリアスにもなれれば、ギャグまでこなし、本心が見えないが故に、こいつは何を考えているんだ?っていうドラマやストーリーの牽引役までこなせる。下手すりゃソー以上にロキの存在感は大きい。

 

ついでに、思いっきりコメディ要素として描かれる、地球(ミッドガルド)の科学者ご一行様チーム。セルヴィグ教授に助手のダーシーに助手の助手イアン。アスガルドでシリアスな話やってんのにこいつら何やってんのよ、という落差が非常に楽しい。リアルタイムで映画館で見た時も、そんなにつまんない印象が無かったのは、多分この人達のおかげです。

 

MCUがDCEUと比べると明るいってよく言われますし、ソーも次の3作目でよりコメディ要素を増やしてようやく跳ねたって言われてますが、そういう「その後」の事を考えると、科学者御一行様がドタバタやってたのは決して無駄じゃ無かったと私は強く言いたい。

 

確かに色々な要素が散漫で、インパクトのある新しいキャラも出ない。エーテルの下りも正直雑だと思う。でも、これはこれで私は楽しんだし、MCUでは飛ばしてもいいみたいに言われると、これもそれなりに楽しんだ身としては、ちょっとかわいそうかなと思います。

 

こうやって見返してみると、意外とまた色々な発見や分析も出来てやはりMCU楽しい。

 

さて、次はみんな大好き「ウィンターソルジャー」です。


映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』日本版予告編

関連記事

 

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com