監督:中澤祥次郎、他
脚本:荒川稔久、他
特撮TVドラマ 2011-12 全51話
☆☆☆☆☆
東映特撮youtubeチャンネルでの公式配信、完走しました。
リアルタイムでは見てませんでしたが、何年か前に戦隊もきちんと一度見ておこうかなと思って選んだのがゴーカイジャーでした。
プリキュアついでにたまに戦隊も見たりはしてたのですが、そんなに面白味は感じて無くて、毎週きちんと見ようとかいう感じではなかったのですが、ライダーも何本か一気見したのもあって、じゃあ戦隊も一度は、という感じだったかな?
記念作品で過去戦隊がゲストですので、シリーズの勉強にもなるし、全話の内の半分くらいがレジェンド回だったので、もし面白くなくってもゴーカイジャー単体の話は半分くらいだから飽きずに見られるかなぁ?ぐらいの若干ネガティブな感じで見始めたんだったかと。
でも実際見てみたらレジェンド回も通常回もどっちも面白くってそんな心配は全くの杞憂に終わり、戦隊もこうして見ると凄く面白いんだな、と教えてくれた作品でもあります。で、その後も他の戦隊も何本か見て(全部は見て無い)そっちの別な作品を見終わったら、ゴーカイのレジェンド回に戻ってくる、みたいな見方をしてました。そういう意味ではとても思い入れのある作品。
戦隊は最初はレンタルとかで観てたけど、youtubeでも公式配信やってるので、見てみようかなと興味を持った奴がタイミングよくやるならそっちで観たりも。ただ、最初の内は掛け持ちで何作品か並行で見たりもしてましたが、週替わりだと忙しいと見逃しちゃって途中で離脱しがち。マジレンジャーとゴーオンジャーはyoutubeで完走して見たんだったかな?
今回、ゴーカイジャーが配信される事になって、一度見てるし最悪見逃しがあっても大丈夫かなと言う感じで見始めたのですが、何度見てもやっぱりゴーカイジャーは面白くって、なんだかんだと完走して全部見終わりました。
同じ記念作品でレジェンドを熱かった「仮面ライダーディケイド」と比べても、ちゃんとレジェンドに対するリスペクトがあるのが素晴らしい。でそこだけでなく、レジェンド回でもあくまで現行のゴーカイジャーが主役、子供達にとっては現行戦隊こそが自分達のヒーローなんだっていうのをちゃんとわかってて、あくまで先輩たちの思いを引き継いでいくような形にしてあったのがやっぱりグッと来ます。
ただの話題作りの客演とかでなく、引き継ぎっていう要素をフィーチャーして。作品として意味のある形に出来たのはやっぱり大きい。(ディケイドもライター降板しなきゃ名作になってた可能性はあるんですけどね。会川昇って「ナデシコ」でも「コンレボ」でもメタ要素を生かして面白い話やってたわけですし)
それでいてゴーカイジャー単体の話としても、マベちゃんは赤の海賊団としてアカレッドやバスコとの過去、ジョーはシド先輩、アイムは滅ぼされたファミーユ星の姫とか各々のストーリーラインがあってそこも面白いし、そういう背景と言う面では若干弱いハカセも、毎回の戦闘シーンで面白バトルがあって存在感はバッチリですし、空気になるキャラが居なかったのは大きい。
今はスーパー戦隊それなりの作品数見ましたが、お当番回はとりあえず全員分あるけど、それでもやや空気気味になるキャラっていうのは居て、私はレッド一強とかの戦隊より、各メンバーが別々に立ってる作品の方が自分の好みには合うな、という気がしています。レッド以外がボスなり幹部なりを倒すシーンがあるとメチャメチャテンションが上がります。
よく、戦隊をディスる時に使われるのが「1人の怪人と5人で戦うってイジメの助長じゃね?」みたいなのありますけど(いやその前に戦闘員何倍も居るだろうに)一応、昔は「5人の力を合わせないと倒せないくらい強い敵なんだ」っていうコンセプトだったんですが、どっちかというと私はもっと現代風に、一人一人でも単体で成り立つくらいのヒーローであるっていう流れの方が好きでまあ今で言うと「アベンジャーズ」方式ですね、そんな感じの部分があるやつが好きです。
なのでレッド以外が単独撃破とかするシーンが好きなのです。次作「ゴーバスターズ」も巨大戦と等身大の戦闘が同時進行という作風のおかげもあって、そういうシーンがとても多いのが、ゴーカイと同じくらいゴーバスも好きな理由の一つだったりします。
その辺で言うと、矛盾してるようですが、アイムが国の仇としてザツリグに立ち向かう41話とか凄い好きな話で、ゴーカイジャーとしてではなく個人の仇として一人で戦おうとするアイムと、何言ってんだ仲間だろうっていう信頼感が凄く良かった。
この辺の後半の怒涛の流れがまた面白くってね、ジョーとバリゾーグの決着、ワルズ・ギルの最後、アクドス・ギル登場からアイムの決着があって、次のハカセが勇気を振り絞る話も良いし(ナビィもまた)バスコとの決着、最高のお宝、そして最終決戦と、レジェンド要素もちょくちょく挟みつつ、ゴーカイジャーの話として一気に盛り上がる感じが最高に面白い。
で、その最終決戦も、最初はただ地球にお宝があるからと来ただけの宇宙海賊が、地球も悪くないな、と。ここで序盤でレンジャーキーを奪って小さいシンケンレッドに変身したあの子が出てくるのがまた最高。「お前こそ見つけたのか?この星の価値?」「ああ…デカいもん見つけた…お前の言うとおり、どこにでもあった…ここにもな!」 凱君はマンモスレンジャー・ゴウシと会ったり、ジョーとハカセはレジェンドでも変身者ではないゴセイジャーの山田ルイとマジレンジャーの山崎さんと会ったりして、同じようにこの星に受け継がれているものを改めて知るんだけど、レジェンドではないあの少年っていうのがグッと来ます。
で、ここでようやくスーパー戦隊?知らねえな、じゃなくって宇宙海賊であると共に35番目のスーパー戦隊である事を名乗る。1年間通してきて、ここでっていうのが最高。
元々スーパー戦隊に憧れた凱君も、逆にここで宇宙最高のお宝をふりきって、一人前の海賊と認定されるのも凄く良いし、ラストでアクドス・ギルの所に直接乗り込む所も、ジョーにお前も一緒に行け、この地球を守る事がお前の夢なんだろって後押しされるのも最高。直接のトドメもゴーカイシルバーがガレオンバスターを構えて、レッドは後ろで支える役っていうのがホントによかった。
と、その前に大艦隊を前に打つ手を無くした所にナビィがフリージョーカーで来るとこも良かったし、本当に終盤の展開が圧倒的に面白い。
何度見てもゴーカイジャー最高だったな、と思える作品でした。過去戦隊を知らないと楽しめないのかな?と最初は思う部分もあったけど、知らなくても全然大丈夫ですし、飽きずに楽しめるという部分では自分がそうだったのもあって戦隊初心者もここから入るのはアリなんじゃないかと。
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