僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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タイムマシン

タイムマシン 特別版 [DVD]

原題:The Time Machine
監督:サイモン・ウェルズ、ゴア・ヴァービンスキー
原作:H.G.ウェルズタイム・マシン
アメリカ映画 2002年
☆☆★

 

<ストーリー>
1899年のニューヨーク。科学者のアレクサンダー・ハーデゲン教授は、スケート場で恋人のエマにプロポーズする。しかしその直後、強盗に襲われ、目の前でエマが殺されてしまった。アレクサンダーは、彼女の死の運命を変えるため、タイムトラベルを決意する。友人のフィルビーが止めるのも聞かず、アレクサンダーは家に閉じこもって研究にのめり込んだ。4年の歳月をかけて、ついに彼はタイムマシンの発明に成功する。
MIHOシネマさんより引用

 

という事で映画「タイムマシン」です。
宇宙戦争」「透明人間」「Drモローの島」とかで有名なHGウェルズの原作を、なんとその曾孫が映画化。古典を知っておきたいのもありましたが、「シュタインズゲート」の元ネタという事で見てみました。

 

もうタイムマシンというタイトルからして、タイムリープ物だろう。今だと何回もループする奴だよね?っていうイメージですけど、実際は全然違いました。

 

シュタゲの元ネタになってるのは1幕目の部分。科学者の恋人が強盗に殺されてしまって、それを受け入れられない科学者が歴史を変えるべく数年かけてタイムマシンを開発。過去に戻って彼女を救おうとするも、別の死を迎えてしまって、その因果律からは結局回避できないのか?っていう部分です。

 

実はそこ、原作には無い映画オリジナルの部分だそうな。その部分を膨らませたのが「シュタインズゲート」という作品。恋人の死を嘆くとことか共通する部分もあって「おっ!確かにシュタゲ」と思えました。

 

ただ、映画としてはそこはただの導入部で、タイムマシンを作ってしまう動機みたいなものを入れよう、的な意図で足した部分だと思われます。時間移動の理屈までは解明出来たものの(タイムマシン作ってるわけですしね)歴史改変の因果律みたいなものは解明できてないので、なら未来に行けばその辺りはもう解明されているのでは?という事で未来に飛ぶ。

 

元居た1890年代から2030年まで飛ぶ。(今見るともうすぐな年代ですよね)テクノロジーの発展をそこで見る事にはなるものの、まだこの時代ではタイムトラベルの因果律までは解明されておらず、さらに未来へ行こうとするが、トラブルで80万年先にたどり着いてしまう、という所からが映画としては本筋っぽい。

 

過去に戻って歴史を変えると言うより、未来はこんな世界になってるんだよ、みたいな所を描きたかった作品なのでしょう。元の小説原作が発表されたのが1895年という事ですから、歴史改変の面白さというより、タイムマシンで過去や未来に飛ぶ、という所だけでも面白味があったのかなと思います。

 

その辺を調べてみると、明確にタイムマシンが登場するのは1887年のエンリケガスパール・イ・リンバウ著「時間遡行機」というのが一番最初だそうです。その後にこちらのHGウエルズの小説が1895年に出て、一般的にもよく知られるようになった、という事のようです。単純に時間うんぬんの概念で言えば神話の時代とかからあるので(時間の神様とかいますしね)明確に何が原点というのはわからないそうな。なるほどそこも面白い。

 

で、80万年後の未来世界に行くと、一度文明は崩壊してしまっていたと。僅かに残った人間が原始人のような暮らしを送っている。

 

つーかこれ「猿の惑星」じゃねーか

 

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは タイムトラベル物の古典として「タイムマシン」を見たがいつのまにか「猿の惑星」になっていたぜ」

という感じです。猿の惑星の2作目でしたっけ?地下にミュータント化した人間が出る奴。あれまんまの話でした。

 

勿論、「猿の惑星」シリーズもタイムリープ物のジャンルに十分に入る作品ではあるのですが、まだその辺のSFの黎明期として、テーマ的にはどちらかと言えば「未来への警告」このまま科学が発展し続けると人間はヤバイ事になっちゃうんじゃないの?的な方にテーマとしては振ってる感じです。

 

単純に映画としてはちょっといかがなものか?という作品ではありますが、「ジャンルとして歴史を探る」的な視点で見ると色々なものが見えてきてそこはとっても面白かった。

 

「X-MEN」で地下に住んでるミュータント集団でモーロックスっていうのが居るのですが、なるほどこの辺が元ネタだったのか、というのも知る事が出来ました。

 

2002年の作品なので、映画としては古典ではないのですが、原作的には十分な古典作品ですので、この映画版も含めてジャンルとしてどういう進化を遂げて行ったのか。


CGは使ってますが、モーロックがVFXメイクで凄く80年代90年代のクリーチャーっぽかったり、色々な方向性で時代の変化を凄く感じられる作品。

 

そういう意味ではこの映画こそがまさしく私にとっての時間旅行=タイムマシンであったのかと思えて、凄く見た甲斐のある作品でした。


『タイムマシン』(2002)日本版劇場予告編

 

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