監督:田中裕太
脚本:田中仁
日本映画 2023年
☆☆☆☆★
2回目を観に行ってきました。
正直、初見では結構戸惑って、これどう評価したら良いものかと結構悶々とした所もあったけど、そこはね、思ってたのと少し違ったなぁという意味で戸惑ったのであって、最初からこういう作品ですよというのを割り切って観る分には面白い作品だろうというのはありました。
ただ、プリキュア映画はソフト購入して揃えてるのもあるし、見返すのはいつか買った時で良いかなと思ってた所に、「Fナイト応援上映」全国展開なる企画が。大都市とかだと、夜中の初日最速上映だとか、大人向けにレイトショー時間でも上映やってたりするとこもあるっぽいですが、地方じゃ基本的に夜の回は無い。
ずっと楽しみにしてた映画とか、金曜の公開初日に仕事帰りに観に行くとかたまにやってますが、プリキュアは夜やってないのでそれも難しい。まあ毎回遠征して観に行ってるのもあって、そんな経緯で基本は初週の日曜日とかにいつも観に行くみたいな感じです。
今回は、メモリアル作品で力を入れれているというのもあるのか、(もう歴代映画の1位の興行収入に達しましたが)大人向けの夜の応援上映。グッズやライトの持ち込みありで、声出しもOKというのを映画館の独自判断だけでなく、盛り上げる為の企画として全国で同日にやっちゃうよ、という感じのイベントが開催されたのでした。
全国展開とは言え、ホントに地元の山形はあるのかなぁ?と調べた所、こちらでは「ムービーオン山形」という所が企画参加の上映館になってました。ここの映画館、昔は近くだとプリキュア映画はここでしかやってなくてね、プリキュア映画に通うようになった初期の頃は基本ここで見てた映画館です。
家から30分くらいなので、次の日も仕事ですが、まあ無理とかせずに普通には行ける。
・・・けど、実は結構直前まで迷ってました。
初見でこれはとてつもない名作だと思ったわけでも無く、正直モヤった部分も大きかったし、何より金欠気味でねぇ。今月はメモリアルアニバーサリーブック2冊にまたお金出さなきゃならないし、ライブの配信もある。ここまでも結構お金を落として来ました。まとめパンフ買ったり、ガチャ回しまくったり、あとは中古ですが先日デパプリのBD確保したりと、流石に金使い過ぎじゃね?状態です。数万とか通常のおこづかいの範囲は軽く超えて貯金減ってるぞおいっていう。
う~ん、1回は観たし、応援上映つったって一人で行くんだからたかが知れてるよなぁと思い、スルーしようかとも思いました。
いやでもね、金欠つったって、たかが映画1回分のお金で、明日から食えなくなるほど切羽詰まってるわけでもなし。どうせお前、新しいガチャとか出たらまた3~4000円分とか普通に回すんでしょ?どの口でそれを言うのか?ただの言い訳じゃね?
1回目はモヤったから?いやいやいや、だったら最初からこういう作品として割り切ってみる分には最高なんじゃないか?って感想にも自分で書いてるじゃん。オタクならそれこそ「たしかみてみろ!」だろ?
そして何より、今回は特別なアニバーサリー作品だからこんな企画がある。夜の大人向け上映?まさにお前みたいなプリオタ向けにやってくれた企画じゃねーか!日頃からプリオタとしてどうこう言ってる奴がさぁ、まさに「ここで行かなきゃプリオタの名がすたる!」じゃあないかと。
万が一、企画したけど誰も来なかったとかになったらどうするの?普段の上映の時からオタク層なんか皆無なんだから、東映からの指示でこんな企画やってみたけど、結局誰も見に来なかったね、やっぱり地方じゃこういう企画は無理なんだよ、って映画館に判断されたらどうする?
他人の厚意を無下にするとさ、人脈って減っていくだけです。他人に誘われて、今回は都合が悪くてって断って良いのは最悪2回目まで。3回断られたら、あの人は誘っても無駄だからって、その後2度と誘われる事は無くなります。そこは社会人の常識。
ならもう、行くしか無いじゃないか!
とかね、実際に足を運ぶまで心の中では色々葛藤があったんですよ。メンドくさい奴ですよね。
でもって2回目観てきて・・・
いやぁ~面白かった。
最高でした。
最初は秋映画的な感覚で見たので、なんか「ひろプリ」の単独作の枠でこれをやったのは勿体無い感じがするなぁ~と思ったけど、オールスター枠の春映画として見たら、最高オブ最高ですよ。春のオールスター枠は昔から、話はちょっと微妙だけど、過去キュアに再開できるのが何よりの嬉しい部分。そういう観点で言えばね、次から次へとこんなに過去キュアが出てくる作品なんですから、そこは楽しくないわけがないのです。私はシリーズ全部見てるし、好きの大小は多少はあれど、全員に思い入れありますよ。
そういう人達に向けて、そういう映画にしたんだから、まず素直にそこを受け入れて楽しめよと。
思えば「アベンジャーズ:エンドゲーム」でも「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でもありました。過去コンテンツを再利用するような形で、こんなの観た事が無いっていう好印象が多数の中、凄いけどこれ映画か?と、濃い映画オタクであれば映画オタクであるほど、同時になんかちょっと引っかかりや違和感を口にする人もそれなりに居ました。
あれと同じですよね。確かに1本の優れた映画、1本の優れた作品かと言えば、なんかちょっと反則っぽい気もするし、自分が観て来た歴史や価値観の上では測れない別の文脈、みたいな形になってしまう。
私もね、プリオタであると同時に、映画もそれなりに好きなオタクですから、昔から「ちゃんと1本の映画として評価されるプリキュア作品もいつか見てみたい」っていうエゴはずっと捨てきれないであります。具体的に言えばね劇場版「若おかみは小学生」とかが、本来のターゲットを越えて、映画オタクの間でも「あの映画凄いらしいよ」って噂になって、実際かなりそっち界隈をザワつかせたんです。ただの子供向けのアニメ映画に見えて、その実これはとんでもない大傑作の凄い映画だぞと。
プリキュアもね、これだけ本数が多いんだから、1本くらいそんな作品が作れたりしないだろうか?しかも20年も続いて今は子供だけのものから世代を超えて愛される作品に育ちつつある。そろそろどうですか?みたいな気持ちは私もずっと持ち続けてます。
同じ東映で「魔女見習いをさがして」もね、残念ながらそこまで世の中には届かなかったけど、個人的には面白いアプローチの作品だなと感じました。
ただ、妄想や願望としてそういうものを求めるのは勝手だとは思うけれど、それを押しつけて考えてしまうのは違うよな、と少し反省もしています。この映画も1回目に見た時は、そんな自分の中の葛藤があったから勝手にモヤモヤしたんですよ。20周年の特別な作品だけど、閉じたファンムービー過ぎないか?みたいなね。エンドゲームもノーウェイホームも絶賛したくせに。
こんなオールスターズの豪華版みたいな作品で・・・って!
いやいや、オールスターズの豪華版をこっちは出してきたんだが!?って話ですよね。
はい、今なら素直に言えます。またみんなに会えて素直に嬉しいです。
メモリアル作品でファンムービーのどこがいけないのよ!って話ですよ。もうね、感動で嗚咽しながら見てたとかじゃないんですけど、素直に涙が溢れてくる感じで見てました。
いや良かった。印象に残ったシーンは特に大きくは変わらないんだけど、やっぱりプーカの手を握るのどかちゃんが凄いなと思えて、その真意は測りかねますが、ラビリンとかに接してたから、同じように心の肉球に響いたんでしょうか。前の感想にも同じ事を書いたけど、「女の子は女神様じゃ無い」という主張をしたヒープリで、のどかがナチュラルにこういう事をする凄さ。
そして1度観て結末を知った上で、という部分では、やっぱりプーカに感情移入して見れたのが2週目での変化かなぁ?捨てられた存在っていうのがね、やっぱり勝手に自分とかにも重ねちゃって、それがゆえの最後がやっぱりグッと来るんですよね。
私は普段はプリキュアの妖精ってぶっちゃけそんなに肩入れしてる存在では無かったりするんですけど、それでもね「オールスターズNS2」とかトップクラスに好きな作品だし、単純に心持ちみたいな意味、精神的な意味では自分もプリキュアになりたいみたいに思う部分はあるけれど、性別とかポジションとかで言えば、プリキュアをサポートする妖精が自分ら男の枠かなと思ったりする部分もあって(だから「NS2」が特に好きなんです。エンエンは自分じゃないか!みたいなね)そういう部分では妖精は妖精で面白い位置だなと思う所も当然あるので、そんな感覚の上でねプーカもねぇ、結構グッと来ます。しかも最後はね、二人で手を繋ぐわけですから。
そういえばキュアシュプリームの登場作品テロップ、一応ギリギリ読める作りにはしてあるらしいんですけど、タイミングは見計らってここだ!と注視したけど、結局は読めなかった。何かしらの文字列は確かに書いてあるっぽいロゴでしたが。ここはやっぱりソフトが出てから一時停止で確認かなぁ?その前に解析するファンが現れたり、ムック本とかで明らかになるでしょうか?多分、まだ正式な答えは出て無いですよね?
一時停止で確認したい枠と言えば、プーカ変身の時に力を貸したのはキュアペコリン、キュアモフルン、ロイヤルキャンディとあと一人は誰だったかな?
あとサブプリキュア枠の中にキュアオアシスさんが居たのも今回見つけました。
あの辺はやっぱり一時停止して確認したい。
2回目だけど物凄く楽しめました。
作品の感想とはまた別のとこで言えば、客層はどんなもんかと思ったら、小さい箱でしたけど2~30人くらいは居たかな?20時からの上映でしたが、子供連れのファミリー層みたいなのが2~3組くらい。女性のグループが3~4組くらいだったかな?女性一人も数人、男女のカップルが一組、男のオタクが私含めて2人かな?正確な所まではわかりませんが、おおまかにはそんな感じだったはず。
一番後ろの列の私の一つ離れた席がカップルの方だったので、男性は女性につきあって
連れてこられたのかな?とか勝手に想像しちゃいましたが、上映中は普通にライトとか振ってたので多分お二人でプリキュアファンなのでしょう。何とうらやましい。どうぞ末永くお幸せに。
基本私は持参したミラクルライト(厳選して色の違う4本を持参)を振ってるくらいで、迷った挙句、声はちょっと出せませんでした。女性の方は元気よくちょこちょこ声援とか送ってる方も居ましたが、男の声が響いたらノイズになっちゃうかな?とか考えちゃってね。
最後の最後くらい、手を繋ぐシュプリームとプーカに対して「二人は、プリキュア!」と声を出したくなりましたが、こらえちゃった。台本にもト書きでそう書いてあるらしいですよ。
東北人、山形は特にシャイな人が多い人種ですから、常に声援が飛び交って大盛り上がり!とは言い難いものの、それなりに盛り上がったし、ライト(ペンライトやサイリウム含む)を持参してるかたも多くって、綺麗な光に満足感は高かった。
たまたまなのかもしれないけど、近年は昔と比べると、ライトの光の数が少なくなってる印象が割とありました。初期の頃はね、これがプリキュア映画の特色なのか!って感動して、実際の記憶より誇張してイメージの中にあるのかもしれないけど、初めて映画館で見た「スマイル」の時に、やっぱり子供達のミラクルライトの光の渦に感動したんですよね。
なんかねぇ、あの時の光に近いものを感じて、そりゃあ今回は大人も光らせてるんだから当然かもしれないけど、そこもね、何気に昔を思い出させてくれる光で嬉しかったな。
なんて考えながらボーっとしてたんでしょうけど、映画終わって席を立って帰ろうとした時に、「財布忘れてますよ」と、カップルとは反対側の席に座ってた男性一人に声をかけていただきました。うわ~、ありがとう!大変な事になるとこでした。財布を席にそのまま置いて帰るとこでした。本当に助かりました。心より感謝のお礼を。
財布忘れたらそりゃ困るだろうなと、とっさに勇気を出して声をかけてくれたあなた。
ありがとう、あなたのその心がプリキュアです。あなたもプリキュア!
帰り際にね「我々みたいなのは肩身が狭いですね」と、再度声をかけていただいたのですが、「いや~いつもこんな感じですよ」と軽く流してしまいました。塩対応でごめんなさい。
だって10年も劇場でプリキュア映画を見続けてますが、正直その中でオタク層みたいな方がいらっしゃったのって、10年、映画20回くらい見てて、10人にはきっと届かない、恐らくは片手で数えられるくらいの人しか居なかったんですよ?
最初はね、そういう人も少しは居るのかなと思ってたし、ネットなんかの話ではそこそこそういう男のオタクも居るっていう話は目にするのですが、私は10年の間、いっつも家族連れの中にキモイオッサンオタクが一人っていう形でずっと見てるんですよ!こういうのは何食わぬ顔でそそくさと退場がいつものセオリー。ちょっと今回は想定外でした。
家帰ってきてから、せっかく声掛けてくれたんだし、軽い立ち話でもしてくるべきだったか?とか後から考えてしまった。こういうのを「階段の機知」って言うんですよね。
こんな事を今更ここで書いても仕方ないですが、すみません本当にありがとうございました。
そんなこんなもあって、こうやってブログに書くネタにも困らないし、金欠だの自分に言い訳したり、おっくうがらずに足を運んできて素直に良かった。
こんなのもまたプリキュア20周年の一つの思い出です。
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