僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜 第1話「ミライノカタチ」

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シリーズディレクター:浜名孝行
シリーズ構成:成田良美
TVアニメ 2023年~
☆☆☆☆☆

 

「オールズターズF」の興奮も冷めやらぬまま、遂に「オトナプリキュア」もスタートです。
現行のTVシリーズの「ひろプリ」があって、更にこれと、週に2本もプリキュアが見れるという不思議な感覚。「'23」って普通に考えれば年号でしょうから、年末までの放送で1クールの12話か13話構成でしょうか。

 

コロナ禍以降は変更になっちゃいましたけど、春映画の最初の「オールスターズDX」以降10年くらいはね。春映画・秋映画と年に2本も新作映画が見れるのがプリキュアの贅沢な強みの一つでした。そこが終わっちゃってね、残念だなぁと思ってたけど、まさかこうしてTVシリーズが2本並行してあるとは。

 

来年放送予定の「魔法つかいプリキュア2(仮)」は民放で深夜アニメ枠らしいので、今回の流れとはまた別企画っぽいですが、好評につき、また次も・・・みたいに続いてくれたら嬉しい。

 

それはともかく、「キボウノチカラ」第1話。
元々はNHKからの提案で、SDGsに絡めたアニメを作って欲しいという要望から始まったのが今回のアニメ。なるほどそういう絡め方をしてくるのかと1話から納得してしまった。
脚本の成田良美は、元の「プリキュア5」のシリーズ構成のみならず、初代から今に至るまでかなりの頻度でプリキュアに関わってる人で、割とプリキュア説教とか言われがちな人でもあったりするので、今回みたいなテーマも何気に親和性は高いような気はします。

 

逆に監督の浜名孝行という人は初めて聞く名前。「テニスの王子様」とかその辺で有名な人のようです。プリキュアは多分初参加だと思うけど、多少近い所では美少女物として「リリカルなのは」の劇場版の監督なんかもやってるっぽいですね。どういう人選なんだろうか?いずれスタッフインタビューなんかもあるでしょうから、その辺りも楽しみに待ちたいと思います。

 

で、そんなSDGSやら、新しい試みの「オトナプリキュア」という部分の前に個人的に一番ひっかかった所。

 

「キボウノチカラ」というタイトル。そして中心に居るのが夢原のぞみ。かつてのキュアドリームです。

 

まずここでね、ああなんかプリキュアはまた凄い事やってないか?と思ってしまった。
だって「夢と希望」ですよ!?

 

作中でもちょっと触れてましたが、「子供の頃は何でも出来ると思ってた」って言ってたし、のぞみ先生もまだ夢に向かって進んでる最中だとは思う。プリキュアを見ている今の子供達も夢や希望に満ち溢れていると私は信じます。

 

でも、今の大人。いや大人になる前の中高生くらいの子でもいいや。
「夢や希望」って持ってますかね?

いや現実に上手く行くかは別として、まだ実現に向かう前の段階でも「夢や希望」なんだからそれくらいあるだろう!っていう人には何も言う事は無いです。

 

でもさ、正直、そんな大それたものねーよ!って言う人もそれなりに居るんじゃないかなぁ?若い人を見てても結構その辺は感じたりします。

 

なんかねぇ、一時期の子どものなりたい職業の1位が「ユーチューバー」とか数年前になってたのを見た時は、おいおい本気で言ってるのか?とか正直思ったものですよ。でも今はそんなの時代も終わって「公務員」とかが1位になったりする時代なんですってね。派手な仕事じゃ無いかもしれないけど、安定して食べていけるのが一番いい、みたいな考え方らしいです。急に現実的になったなおい!

 

ただそれもね、私は所謂就職氷河期時代のロスジェネと呼ばれる世代ですけど、やっぱり子供の頃は「夢や希望」みたいなのがあるのが当たり前、それが人の正しい生き方だ、みたいな風潮に対して、そんな押しつけは嫌だな的にちょっと子供の頃から冷めてた部分はあったんですけど、それでもね、今みたいな世の中は想像して無かった。

 

お前らが今の世の中を作ったんじゃないか!って子供たちや下の世代に攻められると、非常に心苦しいものはあるのですが、実際問題、今の時代でどう夢や希望を持てと言うんだろう?そうだよね、夢も希望も無い世の中、そんな社会だよね、ってすっごく思います。

 

ここでね、いやそんな事は無いだろう、厳しい部分も確かにあるけどチャンスなんか自分で作るものだし、成功している自分はお前らがのほほんとTVとかゲームとかで無駄な時間を費やしてる間も自分は努力してきたから今の成功があるんだ。努力しなかったお前らが悪いんじゃない?弱肉強食が世の中の常なんだから自業自得でしょ?と言う人も居るでしょう。それは上に行けた人だからこその意見であって、実はそこって聴く必要は一切無い。全て自己責任を押し付けるのは長年自民党政権が続いた政治のおかげです。

 

あのね、昔は10人居ればその内の8~9人が成功できたんですよ。億万長者にはなれなくても、普通に結婚して幸せな家庭を持って、仕事でもそれなりに暮らしていけて自分の家を建てたり。

 

それが今は10人中成功出来るのは1人か2人だけになっちゃった。それが所謂格差社会というやつで、その一人二人しか居ない成功者が自分はお前らより努力した結果なんだ!って事を言ってる。実際努力や勉強も足りて無い人も一人二人は居るでしょう。でも真ん中に居る残りの7~8人が努力して無いとでも?そこの中間層が上に行けなくなったし、そもそも下に居る人だってそれなりに生きて行けたのが昔の世の中です。


だから成功者の言う事なんて実は聴く必要が無い。努力は勿論したでしょう。そこは確かに立派だと思います。でも同じくらいの努力をしたって運が味方しなかった人だって沢山居るし、むしろその層が一番多い。格差社会というのはそういう事です。

 

相変わらずだけど、だいぶプリキュアから話がそれたぞ。プリキュアに話を戻す。


そんな「夢や希望」を持てなくなった時代に、じゃあ同じように大人になったプリキュアは何を思うのか。そしてプリキュアは何を主張してくるのか。

 

もうねぇ、メチャメチャ楽しみです。

 

ええとね、ネットのニュース記事とかだと、それなりにプリキュアの社会性みたいなもの(一番多いのはやっぱりジェンダー論ですが)が取り上げられる機会は多い。プロデュサーの鷲尾さんもよく言ってますよね。最初から狙って作ったわけじゃないけど、近年になってから特に取り上げられるようになった的な事。

 

ただねぇ、ツイッター(X)とかそこら辺のファンコミュニティを覗き見してる程度だと、あんまりそこを中心とした話題になる事は少ない。
ツイッタなんて、たかが数行で「楽しかった」「可愛かった」「カッコ良かった」とか小並感を吐き出すくらいの事しか出来ないのがメディアとしての特性でもあるのでしょう。
逆にネット記事的なのは、わざわざ記事を書くにはそれなりの中身が必要だったり、PVを増やす為にも、話題性のあるネタじゃなきゃ記事を作る必要が無いという、そっちもそっちでメディアの特性でもあるのでしょう。

 

そして今まではやっぱりプリキュアは子供がメインターゲットでありユーザーなんだから、そこに大人がとやかく言うのは野暮だろう、みたいな風潮はあったと思う。私もそこはやっぱり気にする部分でもありましたし。

 

でもさ、今回はオトナに向けて作ったプリキュア。大人に向けてボールを投げて来たんですよ。そんな作品に対して、そこでまた「可愛い」とか結局は小学生並の反応しかしなかったりします?

 

いやまだ1話だけですし、この先どうなるかなんてわかんないです。
でもねぇ、私は1話の時点で、面白い所にボールを投げてきたなぁと、物凄くワクワクしました。

 

しかもこれ、たまたま偶然なんでしょうけど、「キボウノチカラ」1話と翌日の「ひろプリ」36話が、どちらも親の都合で子供が転校してしまうという、ちょっと似た要素のある話になてってね、ミラクルな面白さがありました。あげは先生、やっぱり「ひろプリ」だから前向きなラストなんですよ。
対するこちらは、1話完結じゃなく、ちょっとキツイ感じのまま来週に続く。決して対比として作ったとかではないんでしょうけど、その違いが凄く面白かった。いやどっちがじゃなく、どっちも面白かったんです。

 

プリキュア5」って私は特別思い入れがある作品では無いんですけど、プリキュア5って前のプリキュア大投票なんかの時も女性人気が凄く多くって、それは子供時代にここを通ったって言う人が多いからでしょうし、5人の個性があった分、好きになるキャラや自分を重ねやすいキャラが多いみたいな理由がきっとあるのでしょう。「私のプリキュア」的に思ってる女性が多そうなので、逆にそこは私的には客観視して外から見たいプリキュアな感じ。

 

ついで言えば今回一緒に出てくる「スプラッシュスター」の方は、昔から心無い人に、不人気プリキュア的に叩かれる事が多い作品だったので、いやいやいや、SSも他のシリーズにひけをとらないくらい面白いでしょ?と擁護したくなる気持ちもあって、ちょっと贔屓めに見てしまう部分はあるかもしれない。

 

でもってプリキュア5の舞台だったサンクルミエール学園。学校も街並みも、結構ヨーロッパ風味というか、いかにもな日本じゃ無い無国籍感がある舞台だったんですが、なんかそれが普通の現代的な街並みになってるのが何気に面白いポイントでした。

 

決して寂れた街並みとかではなかったけれど、なんか普通な感じで、大人になるとキラキラしたあの世界から庶民的な世界観になるんだな、的な部分でも面白かった。

 

そして幼馴染ののぞみとりんちゃんは普段から会ってるけど、他のメンバーとは数年ぶり?(数か月ぶり?)とか、久し振りに会ったというのもまた良い。
意外とね、プリキュア5ってチームだったんだし、あの関係がずっと続いてたわけじゃないんだ?って思った人も多かったようですし、私も最初ちょっとそこは思ったのですが、考えてみるとそれぞれみんな夢持ってるじゃないですか。のぞみは学校の先生、かれんさんは医者とか、相当に勉強が必要だし、こまちさんは家の和菓子屋も手伝いつつ、多分、仕事の合間に小説とかまだ書いてますよね?(あるいはもう作家としてデビューしてる?)うららは女優だろうし、目指すものがある人って、正直そんな時間に余裕無いと私は思う。

 

1年に一度集まろうか、的な事はやろうとするけど、毎年なかなかフルメンバーが揃うとかまではいかなくて、みたいな感じなのかなと勝手に想像しちゃって、なんかその方がリアルに思えます。

 

元々のプリキュア5のコンセプトが、いつもべったりしてるとかじゃないよ、でも何かあれば特別な絆がちゃんとあるんだよ、という感じなわけですし、そういうとこも何気に面白いポイントに感じました。

 

そんな中でね、「学校ではちゃんと大人やってるよ」っていうのぞみに対して、「私の前でも大人になってよ」っていうりんちゃんがね、ああこの二人はやっぱりこうなんだなって思えて、メチャメチャ良いシーンでした。

 

毎話感想を書いたりしませんが、これから毎週楽しみ。
始まるまでは、正直どうなるかな?と思ってた部分もあるけど、素直にとっても良かったです。

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