僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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魔法☆中年 おじまじょ5~結成!おじまじょ5~

魔法☆中年 おじまじょ5~結成!おじまじょ5~

原案・キャラクターデザイン:ぼへ
企画制作・販売:CROWN WORKS
ドラマCD 2014年
☆☆

おっさんが魔女っ娘に!?
出演 中田譲治/関 俊彦/浪川大輔中井和哉松本保典石田彰

 

たまたまブックオフで安く見かけて確保。当時発表になった時もネットニュースか何かでたまたま目に入って、ちょっと面白そうだなとか思った気がします。

 

おじさん5人がカラフルな魔法少女風の衣装に変身するという話のドラマCD。
好評だったらしく、2枚目3枚目と出てたようです。流石にそれは確保してないですが、コミカライズ版とかは確保済み。

 

まあ正直、飲み会でバカ話して出てきたアイデアを実際にやってみました程度で、俗悪なパロディー以上のものは無いです。

 

ただ、企画・発売元のCROWN WORKSってとこはインディーズレーベルらしいのですが、こんな誰でも考えつくような安っぽいアイデアでも、こうやってA級の有名声優を使ってドラマCDの形ででも実現出来たんだから、それはとてつもない努力の賜物。そこに対しては素直に敬意を表する。

 

あのね、ピクシブとかツイッターで1枚ネタイラストを描くとか、それくらいならまだしも(いやイラスト1枚でも軽く考えるのは失礼ですが)きちんと商品にして、しかも専門学生や研究生とかじゃなく、オタクなら誰でも知ってるくらいの超売れてる声優を使ってここまでやるのは、真似しろつったって普通に出来る事ではありません。そこは凄い。

 

しかもねぇ、これ2枚組なんですよ。ただ2枚組み分のボリュームがあるわけではなく、恐らくは企画上は1枚だったんだけど、収録してみたらCD1枚からちょっとだけはみ出すくらいの時間になってしまって、キャストコメントとか最後に収録して半ば無理矢理な形で2枚にしてあるのがちょっと面白い。

 

制作のコストや利益を考えたらね、普通に考えて2枚になんかしたくないんでしょうけど、そこは逆にインディーズだからこそ、「短く切る」というプロの判断が出来なかったんだろうなとか勝手に想像しちゃいます。

 

因みにね、こういう俗悪なパロディー物。私は見てないけど「魔法少女俺」とか「俺、ツインテールになります」でしたっけ?男が魔法少女やってみましたみたいなの、何年か前にやってましたよね。

 

パロディーってね、徹底的な研究を重ねるか、ジャンルに対しての批評性みたいなものが入ってないと、価値はほぼゼロに等しく、ただの消費の象徴になります。この作品もまさしくそうです。「魔法少女俺」「俺、ツインテールになります」も多分そうでしょう。って、見もしないでそんな事を言うのも失礼か。もしちゃんと内容や批評性とかのあるものだったらゴメンなさい。そうであったのならば全力で謝ります。


多分この魔法少女物の流れって、「魔法少女まどかマギカ」のヒットからの流れで生まれたものだと思うけど、私も以前に感想を書いてる「せいぜいがんばれ魔法少女くるみ」とかも、パロディーとしては面白いけど、1期2期は魔法少女あるあるに対してのパロディーやカウンターで話は作れてたけど、3期はあからさまにやる事なくなっちゃって息切れしてました。

 

そもそもの「まどマギ」そのものが魔法少女物のパロディー作品で、キラキラしてる裏でこんなにダークで残酷な現実が待ってるんだよ、という低俗な発想で生まれた作品。けど、そこにちゃんと時代性や批評性が作品として描かれていたからあれは価値があるんです。

 

例えば、あくまで一つの読み方としてですが、少女に対しての搾取で、少女が大人になってしまったらもう価値が無いものとして扱う世の中への批評みたいな風にもまどマギはちゃんと読めるじゃないですか。10代のアイドルを使い捨てる世の中で、三十路にもなると女は価値が無いみたいな風潮を批評として重ねる事も出来る。(「マギアレコード」の方もそういう部分の延長の要素は多分にあって、その部分の読み解きや評価軸にしてる人なんて私は見た事無いけども)


こちらのドラマCDも、タイトル的には「おジャ魔女どれみ」と「プリキュア5」みたいな感じですが、変身のイメージソースとしては「セーラームーン」風っぽかったり、言ってしまえば「魔法少女物」と言われて、何と無くのイメージでやっちゃってる。オタクが本気で作ってる奴と、薄っぺらい表面だけのパロディーってそこで差が出ちゃいますよね。

 

多分この作者に「セーラームーン」「どれみ」「プリキュア」の違いを聞いてもきっと何がどう違うのかわからないんだろうなって思うし(そこは「くるみ」にも感じた)更に言えばそこ以外でも「魔法少女リリカルなのは」とか「戦姫絶唱シンフォギア」とかのそれぞれの違いをちゃんと理解してるような人でなければ、中身のあるパロディーとかとてもじゃないけど作れるはずが無いし、だからこそこういう表面だけの薄っぺらいものが出来てしまう。逆に言えばそこをちゃんとわかって語れる人は立派なオタクです。いや作ってる方もこれただのパロディーですからとしか言わないだろうけど。

 

そう言う意味では、ちょっと勿体無いかなとも思わなくもないです。キャストコメントで、出演声優さんが皆一様に、これどこ向けに作ってるものなの?と不思議がってますが、こういう変なキャラと言うかコンセプト自体はきっとみんな楽しんでるでしょう。全員ベテランですし、ヒーローとかカッコいいキャラを自分はやりたいんだみたいな新人的なものは今更無いでしょうし、一番若い浪川だって会社の社長さんですから、世間の酸いも甘いも当然知ってるでしょうしね。一番似合いそうな石田彰は魔法中年ではなくマスコットキャラなのはセンスが良い気はします。石田だとセーラースターズもありましたし、こんな感じって言うの想像出来ちゃいますから。

 

魔法少女とは何か?
じゃあそれを少女では無く男性にしたら何が描けるのか?何が違うのか。
美男高校地球防衛部」とかもありますよね。
じゃあ少女では無く大人の女性にしたら?
奥さまは魔法少女」とか「美少女戦麗舞パンシャーヌ」とかもあります。
そういう先行作品から更に進んで、じゃあおじさんにしたら、何が違って何が描けるのか?ただのパロディーじゃなくて本気で考えたらこういうのはこういうので面白いと思いません?プリキュアは男子とか挑戦してきちゃいましたよ?

いやこれギャグでしょっていうのは百も承知で
そんな事を考えてしまいます。

 

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