僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士ガンダム 水星の魔女 PROLOGUE

www.youtube.comMobile Suit Gundam THE WITCH FROM MERCURY PROLOGUE
監督:小林寛
日 アニメ 2022年
☆☆☆★

 

10月よりTV放送開始「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の前日譚、「PROLOGUE」がweb公開されてたので早速観ました。
ロングPVみたいなものかと思ってたけど、ガッツリ「第0話」的な1本分の尺があって見応えがありました。

 

「水星の魔女」の主人公、スレッタ・マーキュリーの幼少期時代、そのご両親の話なので、本編に先駆けての世界観の説明みたいな感じだったでしょうか。
一応、公式からは学園物っていうアナウンスも出てるみたいですが、おそらくは1クール目がそんな感じで、2クール目からガンダムらしいシリアスな戦争物っぽい感じに突入すると思われます。少なくとも「PROLOGUE」はメチャメチャシリアスでした。


学園物でキャラクターに親近感を持たせて、その後に命のやり取りをする事で、より感情移入度を高めるっていうのはまあ「AGE」のアセム編でやろうとしてた事ですよね。

 

モビルスーツを身体の延長と捉えて、サイボーグ化している肉体とリンクさせたりしてた部分は「サンダーボルト」にも通じますし、富野が凄く昔に一時期だけ言ってた身体のサイボーグ化は一度きちんと描きたいテーマの一つって言ってたのを思い出しました(富野的にはダイターンの延長的な感覚もあったんだと思う)

 

あと、科学技術の発展は人を救えるのか、というテーマに関しては、マイナーゆえかガノタの間でもそのテーマ性まではあまり語られる事の無い「アウターガンダム」がやってたテーマですよね。アウターは「アトム」と「ガンダム」を系譜として繋げるという変わった事に挑戦していて、個人的にとても好きな作品。いずれは一度きちんと語っておきたいとは思ってます。

 


他にも、戦争をするなら最低限、お互い向き合って命のやり取りをする事を自覚しておかなければらなない的な言い分は「W」のトレーズっぽかったし、「全てのガンダムを否定する」は、劇中のガンダムタイプに対してのセリフでありつつ、そこにメタ的な匂いを感じずには居られませんでした。全てのガンダムを肯定する「∀」であるのか、ガンダムガンダムとは何かを語る「X」的な感じになるのか、そこは大いに気になる所です。
シリーズ構成が大河内一楼なので、恐らくは∀ガンダムを起点にして、そこから20年後のガンダムはどう変わったのか的な作家性が出てくるだろうとは想像出来ます。そこを意図的に大きく打ち出してくるのか、表には出さないけど背景に透けて見える程度なのかどちらかは不明ですけども。

 

やっぱりね、ここ20年でガンダムもまた立ち位置が変化してたりはします。ガンダム以外の新作ロボットアニメがほぼ作られなくなった今、例えば「オルフェンズ」なんかは別にガンダムじゃ無くてもよかったけど、ガンダムシリーズじゃないとプラモやゲームの展開的に商業上の理由で無理矢理ガンダムにした的な事を言われがちですが、私はそれで良いと思ってるタイプの人です。ガンダムってついてりゃ、とりあえず見る人居るんじゃね?程度のものでも、それはそれで全然構わない。だってそれがブランドだし、そこを頑張って作ってきたのがそれこそここ20年とかのガンダムなわけじゃないですか。そこを利用するのは当然だと思うし、私は間違って無いと思う。

 

「水星の魔女」がどういう話になるのかは知りませんけど、それこそ「ガンダムは人を救うのか」みたいなのはそういうメタ部分にも繋がってくるはずだし、ガンダムXで言えば「ニュータイプは人を救うのか」っていう言い換えをしてたわけですよね。

人類の未来、人が発展していく為にはガンダムの力が必要なんだ!っていう主張もあれば、そんなのは金儲けの為の方便に過ぎん!って言うのもあるわけで、もしその辺りが描かれるのなら面白くなりそうな予感はあります。

 

ただ私、オタクとか日本のアニメ業界とかは基本は信じて無い。今回、外伝とかそういうサイドストーリー的な物を除けば、ガンダムの大きいメイン作品では初めての女主人公なんですよね。昔から、時折マンネリ解消の為に女主人公とかやってみたら的な事はファンの間でもよく言われてました。ただそれ、深い考えも無いファンの戯言や欲望程度のもので、それをする事によって何が出来るのかとか具体的に考える人は居なかったはず。

 

言っておきますが、私はポリコレ大推進派です。社会性・時代性と向き合って無い
エンタメなんか興味ありません。言っておくけど、SW新3部作がクソつまんないのはポリコレのせいなんかじゃないぞ。単純に脚本とか考え方がつまんないだけでしょあれ。ポリコレを意識して無いキャスティングになってたらあれが面白くなんかなってったと思う?その作品がつまんないのは、ポリコレのせいなんかじゃなくて、単純にその作品に力が無いだけ、と感じる事の方が私は多いです。

 

まあそんな個人的な感覚はともかく、ガンダムの主人公に女性を置いて、じゃあそこから何が生まれるのか?何を表現できるのか?なんて事をね、ガンダムのスタッフが本気になって考えてきて、それを作品で描き切れるのか?なんて風にはとても思えない。

 

SHフィギュアーツで主人公の女の子を出します!って言われて、おいおいそこだよそこ!って私は思っちゃった。いやそういうの出してくれるのは素直に嬉しいんですけど。

 

例えばね、マーベルが今は女性主人公ばっか増えてます。そこに対する批判の声も結構聞こえてくる。でも、スーパーヒーロー映画なんて、キモオタ御用達で映画館に行ってもそっち系のオタクしかいなかった世界ですよ。スーパーヒーロー映画に女性の観客を呼び込んだけでも凄くないですか?しかもそこに共感や親近感まで持たせられたなら、そりゃ成功に決まってますよ。

 

イケメン俳優目当てで見に来るだけから、一歩踏み込ませたのは凄い事です。それこそガンダムもね、イケメンキャラで女性層を取り込む所まで来ました。W、SEED、OOとかその辺大きいですよね。オルフェンズなんか女性受けはしなさそうなのに、それでも結構な話題作にはなった印象。(絵では無くオルガと三日月の関係性とかが良かった感じでしょうか)

 

そこからの「水星の魔女」。女性主人公である事で、これまでとは違う変化を生みだせるのか!?って考えると、そこは凄く期待薄かなと。

 

そんな事を考えつつ、何だかんだと「水星の魔女」は正直とても楽しみにしています。

 

「ビルドダイバース」も「ガンダムブレイカーバトローグ」も「ビルドリアル」も毎週それなりには楽しんでました。ただやっぱり私はもっとシリアスなやつが見たい。「オルフェンズ」がね、ダインスレイブがどうとか変な部分はやっぱりあったんですけど、基本的には面白かったんですよ。私は凄く好きでした。

 

あんまり期待をかけすぎても、逆にガッカリする原因になりかねないので、そこはほどほど程度で待ちますが、何にせよ楽しみになってきました。

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