SAKURAQUEST
脚本:入江信吾、横谷昌宏
販売:東宝アニメーションレコード
2017年
☆☆☆☆☆
少し前にたまたま中古ショップで見かけて、あれ?サクラクエストにドラマCDなんてあったのかと速効で確保してきた1枚。
調べたら、東宝オンラインストア限定とかで発売されてたものっぽいですね。サントラとかも置いてあったけど、ゴメンそこはスルー。主題歌CDもあったし、おそらくはファンがまとめて手放したものなのでしょう。もしやBDの全巻セットとかもあるかなぁ?とか思ったけどそこは無かった。
しかしwikiにもドラマCDの記載無いとか、やはり不人気作品なのかなと改めて思わせてくれます。
以前にコミカライズ版の感想を書いた時にも触れましたが、PAワークスお仕事シリーズという形で「花咲くいろは」「SHIROBAKO」と比べて全然と言っても良いくらい跳ねなかった作品ですが、私は大好きな作品の一つです。村おこし事業とまではいかなくても、NPOでの社会活動とか多少なりともやってた身としては「サクラクエスト」もあるあるが詰まってて物凄く親近感もあり、結構特別な作品だったりします。ただその分、世間には伝わりにくいものではあるのかなという感覚はある。
「花咲くいろは」がそうでしたけど、アニメは中高生とかが主人公なのが大半で、二十歳過ぎの大人が主人公っていうだけで一気に数減りますからね。アニメ大国と呼ばれながらこういう偏りは勿体無いなと思うし、逆に今は大人が普通にアニメ見ててもそんなにどうこう言われる時代じゃないから、逆に金脈があると言えなくもなさそうですが、まあサクラクエストも商業的にはきっと失敗の部類でしょうし、なかなか難しい。
という本編の話はさておき、ドラマCDです。
基本コメディー。全6話のオムニバスで、各話は短いながらも合間にアニメ本編と同じようにサンダルさんの次回予告も入ったり、面白い構成。
タイトルにもあるように、メインの5人+喫茶店のアンジェリカさんとその娘のエリカちゃんを含めたちょっと長めのドラマと、後は5人の業務報告という形で短い奴が話分。
私はドラマCDを聞く時って、大概長距離ドライブのお供にしてたりするのですが、オムニバスで1エピソードが短いのもあってか、あっという間に聞き終えた感覚で非常~~~~~に面白かった。運転しながら何度も噴き出して爆笑してしまった。
本編も勿論コメディーシーンはちょこちょこあるけど、基本的にドラマであって全体としては決してギャグ物とかではないので、その真面目さゆえに変な事をやるっていうのが面白いんですよね。どちらかといえばシュールさというか。おでん探偵のツッコミが追いつかないくらいの感じが非常に面白かった。
あとメインの女子5人・・・の中の人、声優さん。
しおり役のうえしゃま、早苗役のみかこしは当時から売れっ子だったと思うし私もその辺りは知ってる人でしたが、主人公木春由乃役の七瀬彩夏さん。今は言わずと知れたひろプリのキュアバタフライことあげはさんですよ。あげはさん18歳。こっちの由乃ちゃんは20歳。設定年齢に反して声の出し方が、あげはさんの方が大人っぽく聞こえたりして、今聴くとなんだか面白いです。
真希役の安済知佳さんはダイナゼノンでこの前声聞いたな~と思いつつ、残りの凛々子役の田中ちえ美さんですが、私は見てないけどラブライブの「ニジガク」ってシリーズのメインキャラの一人をやってるんですね。(ラブライブは私は最初の「無印」と「サンシャイン」は見てるので、次のもいつかとは思ってはいる)
この手の5~6人がメインの女の子アニメって、飽和状態すぎて一つの作品でメインキャラを務めても、その後も売れる人は売れるけど代表作がそれ一つくらいしか無いっていう人もそれなりに居て、そこら辺の格差も難しいなと思いつつ、こうして放送から数年後に振り返ってみた時に、「サクラクエスト」の5人は皆なんとか生き残れてるんだなって思うとなかなかに感慨深いです。
特に私はあまり深夜アニメとかを幅広く何本も見たりはしてない人なので、これは前に見たあの役をやってた人か!みたいな繋がりが見つかるとちょっと嬉しかったりする。
アンジェリカ役の森なな子さんも、娘のエリカちゃん役の黒沢ともよさんもプリオタな私的には知ってる名前ですし、知ってる声優さんばっかで凄い!とかリアルタイムでアニメを見てた時には思わなかった変な事を今回考えたりしました。
20年前30年前のむっかしのアニメとかを今見て、今は大御所になってる声優さんがまだモブとかやってた時代だったりすると、こんな有名な人がモブやってんの?すげぇ豪華じゃん!みたいな錯覚、たまにありますよね?なんか今回ちょっとそんな感じでした。
私はこのサクラクエストに思い入れがあったからこそ、最初からバタフライ押しというのは決めてました。いや、見てると結局全員好きになるのがプリキュアあるあるなんですけども。
それはともかく、今回のドラマCDはメチャメチャ楽しい1枚で、満足度MAXです。コミカライズもダイジェスト感があまりなくて良かったし、なんかどこまでも地味な良作なのかもしれない。
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