HIROGARUSKY!PRECURE
シリーズディレクター:小川孝治
シリーズ構成:金月龍之介
プロデュサー:髙橋 麻樹・鷲尾 天
TVアニメ 2023~
☆☆☆☆☆
「ひろがる世界へ!ホップ!ステップ!ジャンプ!」
プリキュアTVシリーズ20作目「ひろがるスカイ!プリキュア」スタートです。
モチーフは「空」、テーマは「ヒーロー」
監督(シリーズディレクター)は小川孝治。
小川さん、プリキュア過去シリーズの各話演出とか、映画では私の大好きな「プリキュアオールスターズNS」シリーズの2と3の監督ですし、いつかTVシリーズの方も、と期待してました。
東映では「ワールドトリガー」シリーズと「ゲゲゲの鬼太郎」現状での最新作第6期のシリーズディレクターなんかも務めてました。鬼太郎、ネットで結構話題になってたので私も気になりつつ結局見なかったんですけど、社会風刺なんかを押し出した作風が特色のシリーズでそこが高い評価を受けた部分でした。そこは元々原作からの鬼太郎が持っている作風の一つでもあるんですけど、小川さん「NS」シリーズの時も割とテーマ性は強く打ち出してきた人でしたので(だってプリキュアで今回は「いじめ」をテーマに選びましたとか言っちゃう人です)そういう作風の人なのかなという印象もあります。
ひろプリでもいきなり「迷惑系キュアチューバー」とかいうパワーワードが出て来ましたけど、いやこれ偶然にしてもタイムリーすぎやしませんか?だって1話の脚本なんてそれこそ半年とか遅くとも3~4か月前には出来あがってるはずで、今の外食チェーン店の問題とかをすぐに取り入れたとかでは無いはず。
まあこういうのは以前からありますし、ネットインフルエンサーのリテラシー問題とかそういう事に対して、ただ目立って有名になる事がヒーローなんかじゃないよな、みたいな気持ちはきっとあったのかなと想像してしまいますね。
プリキュアとヒーローというテーマに関しては、私は以前から色々と書いてきてる部分
curez.hatenablog.com今回はここに戻ってきたかという印象。
ただ、原点回帰というよりは、積み重ねの方だと思います。
スーパーヒロインから始まったプリキュアは、女の子のためのヒーロー、日常を守るヒーローみたいな所からスタートしました。ここが初代~5GoGoまでの1期。
そんな積み重ねが浸透していき、世間一般にもヒーローとして認知されるまでがフレッシュ~ハピネスチャージまでの2期。
そこから、じゃあそもそもヒーローって何?ただ悪を倒すことがヒーローなんていう単純なものじゃないよね?というのに向き合って、自身の内面であったり、逆に社会に目を向ける所に踏み込みました。ここがゴープリ~スタプリまでの3期。
そんな中、コロナや格差社会、果ては世界情勢的には戦争まで始まり、変な話ですが今は世紀末みたいなもの。たった3年で世界は激変し、この合間のプリキュアは今を生きるのに必要な事と向き合って来ました。ヒープリ、トロプリ、デパプリの3作品ですね。ここが4期。
一応言っておきますが、公式的なものではなく、テーマ的な事を総括して見て行くとこんな見方も出来るんですよ、という話なので誤解無きよう。私はそんな感じでシリーズを俯瞰して楽しんでますよ、こんな見方をしてもプリキュアは面白い流れが出来ているんですよって事です。
そんな風に考えると、これまで描いてきたものの総括みたいな所が今回は大きいのかな?なんて単純にテーマとしては思うんですけど、そこはやっぱりプリキュア。子供達のための番組なんだから、ノスタルジーなんかどこ吹く風、次の時代を見据えてっていう感じが1話から感じられて、面白かった。
1話の本編では何も触れられてませんでしたが、オンライン発表会見でもう公式から発表されてるので言っても良い情報なのでしょう。
キュアスカイ、キュアプリズムの2人の他に、キュアウイングとキュアバタフライと他に2人のプリキュアが出てくる。キュアウイングは12歳の男の子、キュアバタフライは18歳の成人設定と、なかなかに攻めた設定。
そこでプロデューサーの鷲尾さんも、20周年のメモリアルイヤーとして色々な企画も用意してますよって言ってましたし、男の子キュアとか成人キュアとかまずそこに対して何を思ったかと言うと、ああ幅を多く広げたいんだなと。
20周年PVだと、ただの印象論ですけど女の子のためのプリキュアとしてこれまではありましたっていう感じでした。
今年はせっかくのメモリアルイヤーなんだし、女の子だけと言わずに、「大人も子供もおねーさんも」的に、「みんなのプリキュア」として盛り上げたい、そんな気持ちが伺えました。
いやだってね、バンダイの本社ビルとかまでプリキュア仕様にしてくれたんですよ?
勿論プリキュアも主力IPの一つとはされてきましたが、「ガンダム」「仮面ライダー」「ワンピース」「ドラゴンボール」とかと比べると、ちょっと桁が違うくらいにプリキュアは下がっちゃうわけです。女の子向けの中では主力、程度の認識なのかなと。
それでもこうしてちゃんと看板の一つですよ、今年はメモリアルイヤーでそこを盛り上げるためにちゃんと色々やりますよ、っていうのね、ファンとしては正直とても嬉しいです。
仮面ライダーや戦隊が好きな女児とか、逆にプリキュアが好きな男児とか、数年前からちょこちょこネットニュースとかで話題になってきました。そういう層も、素直に楽しんでくれていいんだよ、っていうアンサーだと思ったし、それこそ大人の女性だって一度はプリキュア卒業したけど、恥ずかしがらずにまた見てくれても良いんだよっていうアンサーだと私は受け止めた。
勿論、ジェンダー問題とかもゼロではないでしょう。だって日本は国の首相が同性婚に差別意識を向ける後進国ですから。そこに対して何かしらのメッセージ的な物になる可能性は十分にある。でも、それ以前に今回はお祭りだから、文字通り老若男女みんなで楽しんでくれると嬉しいなっていうのが、まずありきなんじゃないかと感じました。
小難しい事を言う前に、まずは子供向け、子供が楽しめるように作るんだっていうのはずっとプリキュアで継承されてきた部分ですし、今回のひろプリ1話でもね、パルクールでのアクションや異世界の目新しさ、敵も下品ですけどいきなりおならをかましてきたりと、子供を飽きさせずに楽しませる絵作りが徹底されてました。
というか、今更プリキュアに心配なんて気持ちは私は抱かない。だってプリキュアでしょ?絶対面白くなるって!みたいな信頼感しかなくなっちゃいました。これまでとは違う新しい事に挑戦するのも、だってそれがプリキュアでしょ?っていう20年の積み重ねがあるのが強み。
というか、万が一微妙な作品になったとしても、それはそれで比較対象として面白かったりするから、まあどういう視点で見るかっていうとこでしょうか。
あとは何でしょう?「ヒーローとは?」って実は相当に曖昧なテーマだと思うので、ソラちゃんが今回みたいに、泣いてる子供をほっとかない!ヒーローだから!的なベタな所を積み重ねて行って、ましろちゃんがわりと独特な感じの子に思えたから、女の子っぽい視点で、そこはこういう意見もあるよね、みたいな所を加えて行って、子供視点のウイングと大人視点のバタフライ色々出てくる、というのに期待でしょうか。
何気にバタフライ役の七瀬彩夏さん、私が好きな「サクラクエスト」で主役やってた人で、そこもちょっと楽しみ。ウイング役の村瀬歩さんは、発表になった時にネットでもトレンドに上がってたけど直近だとドンブラのムラサメ役。ムラサメが今度はプリキュアに転生かと騒がれてました。マザーもキュアエコーですしね。
プリキュアならでは、プリキュアらしいヒーロー論と、歴史の上で積み重ねてきたもの、そして20年前とはまた違う現代ならではの新しい価値観みたいなのが提示されてくれれば面白い物になりそうかなと思います。
ってかそんな風に書くと思いっきり「キラメイジャー」っぽい。
今回もねぇ、スカイの肩マントのデザインが同期になる「キングオージャー」とちょっとかぶってたりするんですよね。センカイジャーとキュアサマーの同期でセンター白とか、スーパー戦隊とはかなり親和性が高い。それは、傍から見ると毎年同じような事を繰り返してるだけに見えて、その中には創意工夫が積み重なっていて、ちゃんと毎年違うんですよ、っていう所がどちらの作品にも共通してる部分。
そんなこんなの雑感がありつつ、また1年楽しみにプリキュアとともに歩んでいこうかと思います。
ああそうそう、発表会見で鷲尾さんがメモリアルイヤーを楽しんで下さいって言ってたのを受けて、私も1年間の企画みたいな事をやろうかなと思いました。
とはいえ準備はしてません、会見を見ての思いつきです。ウチのブログは実質読者一人しか居ないブログですので(PVは1日100くらいはあるのだけど)たまたまプリキュアの検索で引っかかった人が、継続して見てくれるような読者になってくれないだろうか?みたいな思惑。
過去作品19シリーズ語るのに1カ月に一度だと間に合わないので、月に2回かな?1作品つづ過去シリーズの振り返りみたいな事でもやろうかなと。
映画は全部一度感想書いてて、そこでTVシリーズの事にも触れたりして、ある程度語り尽くしてる感はあったりするのですが、同じ事も含めて軽いまとめぐらいならやれるかなと。
個人的にもいつか総まとめ的な事を一度やっておきたいと思ってましたし。
お暇な方は是非、読者登録してコメントとか気軽にいただけると嬉しいです。
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