僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE & PIECE

機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE(1) (角川コミックス・エース)

MOBILE SUIT CROSS BONE GUNDAM LOVE & PIECE
漫画:長谷川裕一
デザイン協力:カトキハジメ・宮崎真一
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全2巻 2023-24年(連載2022-24)
☆☆☆☆☆

 

愛と平和の「love and peace」じゃなく、愛の断片という事で「PIECE」の綴り。
クロスボーンガンダム短編集。
劇中でもパズルのピースがモチーフとして出て来ますが、話の作りが色々な所とリンクしてカチっとハマる感じが素晴らしい。長谷川先生、短編凄く上手いですよね。

 

短い話の中でも割とテーマ性を重要視してくれるのが個人的に好きな所です。
今の世の中って、まずはキャラクター性を一番の売りにしてるものがほとんど。物語であるとか、ましてやその背後にあるテーマ性なんて2の次3の次。

難しい映画や漫画を自分なりに解釈して行く面白さなんか、有識者のみの楽しみ方。youtubetiktokの短い動画で簡単に答えなんか教えてくれるし、そもそも自分で考えるなんてそんなの時間の無駄です。スマホゲームに忙しいからね。

そんな時代背景までもをちゃんと話の中に取り込んでくる長谷川先生のセンス!流石としか言いようがありません。
ぱっと検索してみた限り、この部分の面白さを解説してるyoutuberなんて一人も居ません。誰もやって無いなら逆にそれはチャンスなんじゃないかって私なんかは思ってしまうけれど、そもそもがそういう界隈では求められて無いのでしょう。

 

でも描いてる方はちゃんとそこ考えてやってるのわかるし、じゃあ私はこうして細々とブログで書いていく事にします。

 

■1話目 KA・RR・AS
U.C.0103 若いカラスVS木星兄さん!

まさかのカラス先生の若い頃の話。最初は凄く嫌なキャラでしたし、今回も悪逆非道な行動をとったりしますが、「強者こそがこの世界の真理」っていうカラス先生独自の哲学がどこかカッコいいんですよね。
それは貴族主義の教えとか、木星のドゥガチ総統の教えとかではなく、本人のみの哲学。ただの三下の悪役では無く、独自の思想を持っていると言うのが魅力。

それに対抗するのはあの木星じいさん!というのが熱い。
後のガンプの左腕、ペンチみたいな形になってましたが、今回はまだ普通の腕で、それを失う瞬間が描かれたりと、細かいネタも面白い。

年代的なものもあってかグスタフカールが出てるのも珍し気です。


■2話目 キュクロープスの花嫁
U.C.0169 ヨメ取り物語!

フォント&アーノルドの活躍と、ネオ・コスモバビロニアの顛末。
貴族主義もこんなんなっちゃったかぁ、と思いつつ、黒姫(ノワールプリンセス)の一筋縄ではいかないキャラが面白い。

フォント君、シリーズの中でも一番好きですし、アーノルドも情けないけど憎めないキャラです。X13ハーフクロスとコスモバニロニアの量産機スレイヴ・ニールがなかなかにカッコいい。

黒姫の前に現れるのは白馬に乗った王子様でなく、黒い馬に乗って現れるというのも面白い。


■3話目クレッセント・ムーン&ペイル・ルージュ
U.C.0159 女スパイ潜入編!

カグヤ・シラトリとイオ。女二人でダーティペアの大冒険が始まるかと思いきや、管理社会SFの話が始まるのが抜群に良いです。

閉鎖空間である木星帝国の管理社会でも良いですし、今なら「シードフリーダム」のデスティニープランと重ねて見るのも良いのではないかと。
で、そこは最初に触れた通り現代社会の風刺でもあるんですよね。こういう話を短編でサラッと入れてくる辺りが本当に凄いなと感心せざるをえません。


■4話目直線の迷宮
U.C.0171 木星軌道レース!

再び薄紅姫と、今度コンビを組むのはみんな大好きニコル君。
ただこっちは本編(DUSTとX11)終了後の話。

読者も含め、容姿がトビアに似てる分、どうしてもそこと重ねられて見てしまうニコル君。でも本人もそこは自分でも感じとっていて、かといってじゃあ同じ事が出来るかと言えばやっぱりそうではない。そんな中でね、他の誰でも無い自分は自分の道を行くんだっていうのは読んでてグッと来る部分です。

そして試作機のグランパスミノフスキードライブのテスト機で戦闘用じゃないから武装が無いのはわかるけど、ミノドラって完成すれば理論上は亜高速まで加速できるとかじゃなかったっけ?コクピット回りがガラスってそれはどうなのよ?速くなれば速くなるほど小さいデブリ一つが致命傷になったりしないもん?何かしらバリアみたいなものが欲しい気がするぞ。


■5話目 春が来る
U.C.0171マックの恋物語

まさかの主人公になれる容姿はしていない(自分でも言ってるし)爆弾魔のマックが主人公F89という由緒ある機体を受け継いだのが幸いしたか?長編で主人公になるにはキツイけど、短編だからこそこういうのも描けるっていう感じでしょうか。でもさぁ、あったけぇなぁっていう話なんだよね。これで締めるセンスがやっぱり凄いわ。

 

そして何気にF89アンカーヘッドの機体解説の最後。
アンカーを失ったアッシュは次の機体を準備中。

 

うん、これで終わる気なんか無いよね。知ってた。

 

ガイア・ギア」がU.C.0203
「Gセイバー」がU.C.0223
ですから、隙間はまだ余裕ありますね、先生。

機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE(2) (角川コミックス・エース)

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