僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(MCUその15)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス [4K UHD & Blu-ray UHDのみ日本語有り リージョンフリー](Import版)

原題:GUARDIANS OF THE GALAXY VOL.2
監督・脚本:ジェームズ・ガン
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2017年
☆☆☆☆☆

 

MCUフェイズ3の3本目。「ガーディアンズオブザギャラクシー」としては2作目。公開当時から散々言われましたが、日本語題の「リミックス」はまあ無いな。世界中で大ヒット、興行収入だけでなく、批評家筋からも絶賛されたものの、日本ではパッとせず、2とかの続編だとハードル上がっちゃうから、気を利かせて音楽用語っぽい感じでリミックスとかつけましたよ、どうせシリーズで見る人は2なんだって知ってるから別にいいでしょ?お仕事だから大変なんですよ、みたいな感じが最低な日本版タイトル。

 

でもそこ考えたらさ、今ではこれだけ跳ねた「マーベル」って看板も、当時はそこそこは浸透してきたけど、「アイアンマン」とか「アベンジャーズ」でないとまだ見る人は少なくなっちゃうんですよ、という状況だったという事なのでしょう。

 

かく言う私も、長年アメコミファンをやってきながら、1作目の時点ではガーディアンズの事は知りませんでした。勿論、マーベルのシリーズだしと映画館では見てます。けど、どんなキャラでどんな話?へぇ~こういうのなのかと。宇宙の話なので、1作目も2作目も、アベンジャーズ方面とは特に絡むクロスオーバー要素も無し。勿論、サノス絡みで原作で言う所の「インフィニティガントレット」的な物を将来やりたいんだろうな、というのは理解出来てましたが確かにMCUの中では番外編的な印象もあるにはありました。

 

でもね、クロスオーバーがあろうが無かろうが、まず純粋に作品として面白い。じゃあそこから2ではどんな進化を遂げるのか。

 

前作では立場も目的も違う存在であった各メンバーが、最終的にはチームになって銀河の危機を救う!という所まで行きました。で、それを踏まえての今作。最初からチームとして出来あがってる感じがもう最高!

 

冒頭のタイトルが出るシークエンスのバトルからして、コンビネーション抜群とかではなかったり、表層的にはあんまりチームとしては纏まって無いんですよね。でも、それにも関わらず、各々が好き勝手やって、それにお互い文句を言い合ってる姿こそが、内実みんな実はこのチームが特別な形になってる、という感じがして、そこが最高に好きな部分です。一見バラバラなんだけど、みんなちゃんとチームだと思ってるし、そこには特別な思いがあるという。

 

この、チームが疑似家族になってる感。前作から今作の描かれない合間にも、おそらくは数々の冒険をしてきたんでしょう。「おいロケットお前何やってんだよ」「あ~?うるせーぞピーター」「ちょっとあんたたちいいかげんにしなさいよ」「ガハハハ」と文句言い合いながら、みんなそれでもグルートの事も可愛がってるし、ああ、こいつら仲良いな、なんかまた皆と会えて嬉しいなと思ってる所に、私がお前の本当の父だ、と出てくるこの絶妙な展開。

 

疑似家族か、或いは血の繋がった本当の家族か、という所で揺れる姿を描いておいて、更にそこに絡んでくる、育ての親であるヨンドゥ。何この脚本の絶妙な組み立て方。まさかヨンドゥに泣かされるなんて、誰も予想してなかったはず。

 

アベンジャーズ」の方でもブラックウィドウが空虚な自分に居場所を与えてくれたという感じで、アベンジャーズこそが家族、みたいな流れがありましたが、映画2本をきっちり使ってそこを描いてるガーディアンズの方が、どうしてもそこはより深く感じられる作りになってます。勿論、ブラックウィドウは次の新作で初めて単発映画としてそこは掘り下げられるようですので、そこには超絶期待してます。

 

で、ヨンドゥもまた「ようこそガーディアンズへ」って言われる下りとかね、血が繋がっていないけど、あんたもまた家族なんだと。
エゴにいいように使われていたマンティスもそうだし、姉への異常な執着を見せるネビュラもそう。それぞれのキャラクターの活躍やドラマが全て、本当の家族って何?みたいなテーマに基づいて描かれてる。この辺のドラマの作り方が超絶上手いし、また俺達が銀河の危機を救っちゃうのか!?みたいな一見軽いノリをやりながら、全員にきちんと見せ場を作った上で、根っこの所のドラマがちゃんとしているという、もう最高としか言いようがない。

 

金ぴかのソヴリン人やら、エゴ・ザ・リビングプラネットやらトンデモ世界も堪能できるし、映画館で見た初見の時より、より今回の方が圧倒的に楽しめました。この絶妙な脚本、ホントにジェームズ・ガン凄いんじゃないかと。

 

ただやっぱり、ガン特有の悪趣味部分とかは結構強かったりもして、(テイザーフェイスとかね)これは私の勝手な想像ですけど、その後のジェームズ・ガン解雇騒動って、10年前のツイッター不適切発言だけが全ての原因じゃなくって、品性素行の良さを求めるディズニーが、このままシリーズを任せていたら、清く正しく子供にも害の無いディズニーブランドを維持していく上で、将来的な危険を察知して、何かしらの理由をつけてガンを外したくなった、的な面ももしかしたらあるんじゃないかなぁ?とか思ってしまいました。

 

でも、やっぱり正しい行いをするヒーローばかりが全てじゃ無くて、多少、タガが外れた危険スレスレの問題児みたいなのも、いてこそ世の中じゃないかなぁと私は思うし(個人的には決してそういうのが好きなわけではないのですが)割と正しい倫理観に乗っ取った人達ばかりがヒーロー物としては自然に多くなるであろう中で、ガーディアンズのシリーズくらいはアウトローだったり悪趣味だったり、これも一つのラインとして残しておいても良いんじゃない?こういうのもまた個性だよね、なんて風にも思ったりはするので、VOL.3にガンが戻ってきてくれる事になったのは嬉しいです。

 

おふざけ全開でやってるように見えて、きちんと芯の部分では王道展開を巧みにやってる、ジェームズ・ガンの手腕には本当に脱帽という感じで、最高に面白い作品でした。いやMCU恐るべし、です。

 

次は「スパイダーマン:ホームカミング」だったかな?何でこんなに面白い作品が続くのかと、まさに破竹の勢い。こうして再見していくだけでも、伝説が作られていく様をリアルタイムで追えたというこの上ない幸せを感じますが、逆にそうやってのぼせあがっている状態ですから、3週目とか、いつかこの勢いが止まってしまった時(それは必ず来るものですしね)にまた見ると、その時はその時できっと印象が変わるんだろうなと思うし、それもまた将来的な楽しみだったりします。

 


映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』日本版予告編

 

 

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

 エゴ・ザ・リビングプラネット登場作

curez.hatenablog.com

 

 

風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ [DVD]

監督・脚本・原作:宮崎駿
日本映画 1984
☆☆☆☆★

 

「一生に一度は映画館でジブリを見よう」
キャンペーン。うん、私は映画館でジブリ映画を見た事が無い。見ようとも思わない、見たくも無い。そもそもジブリに興味が無い。

 

う~ん、ナウシカラピュタは面白かった記憶がある。初期の頃のは「魔女の宅急便」くらいまでは見たっけかな?その後は「もののけ」と「千と千尋」ぐらいは見たかなぁ?吾朗の「ゲド戦記」と「コクリコ坂」は見たかな。「猫の恩返し」も見た事ある。それくらい?話題になった奴くらいは、いつか見てみようかなとは思いつつも、レンタル店に行っても、いつかでいいや、みたいになってしまう。

 

ディズニー、ピクサー系も割と似た感じで、ファミリー層向けでしょ?映画館に1年に1度か2度くらいしか行かない人が、面白かった~感動した~とか言うけど、1年に1度の人が比較対象無いのに?「面白かった」って言う前に、「自分は1年に1度しか映画館に行かないので、映画としてこれが優れているのかどうかはわからないけど」面白かったっていう前提が抜けて無い?

 

とかついつい言ってしまいたくなる私。ええ、私はメンドクサイ人です。自分が正しいなんて思ってませんよ、それは思いっきり偏見だし、批評的に高い評価を受ける作品も中にはあります。ディズニー・ピクサーは実際見ると面白いし、ディズニープリンセスの自己批評性とかホントに面白い変化だし、それこそ「ズートピア」なんて何の非の打ちようも無い100点満点の完璧な映画で、そんなもの滅多にお目にかかれない本当に凄い映画。

 

そっちはわかった。じゃあジブリはどうなの?うん、それは自分の目で見ないとわからない。見もしないで偏見持ってるなんて最低。まず見てみろ、俺。う~ん、手が手がぁ、レンタル店でジブリコーナーが見える度、いつか、またいつか、自分の偏見と葛藤を乗り越えられるきっとその日まで・・・というのが私のジブリの印象。

 

で、キャンペーンなわけです。
確かに一生に一度くらいは映画館で見ておかないとな。「遊星からの物体X」とか「地獄の黙示録」は、これは見ておかないと!と思ったんだから、まあこんな時世だし、見ておくか。見るならナウシカもののけかなぁ?ゲドは吾朗のコンプレックス大爆発な感じが面白いんだけど、2度も見なくていいだろうと。

 

という事で「風の谷のナウシカ」見て来ました。
うん、超おもしろい。

 

私は原作の方は読んだ事ありません。(おおまかな背景は知ってる)「AKIRA」と同じく、いつか読んでみようと思ってなかなか読まない漫画の筆頭です。単純に興味はあるんですけど、なかなか手が出ない。逆に私はアメコミとか読みまくってるけど、一般の人にとっては逆にアメコミなんかが映画で興味はあるんだけど、なかなか手に取るにはハードルが高い、みたいな感じなのかな?なんて風に思ってたりも。

 

大友も宮崎もその源流にはフランスBD作家のメビウスがあるわけですが、メビウスも私はマーベルで仕事した「シルバーサーファー」くらいしか読んだ事無いしなぁ、う~ん、そういうところも踏まえないと、その本質は見えないかなぁ?とか思ってしまう。

 

逆に宮崎の弟子の飯田馬之介(今回のナウシカにも原画だかでクレジット出てます)が「ガンダム08MS小隊」の後にガンダムAで連載した「宇宙のイシュタム」なんかはガンダム漫画の中でも屈指の名作と思ってたりして、そっちは平気で読めるのかよ!と、ただのめんどくさいオタクでしかない私。

 

今回、ナウシカの内容にはあまり触れません。
じゃあ何が面白かったのか?

 

うん、まずはすげーオタクくさい映画だったから。美少女主人公、フェティッシュなメカ描写。戦争批判、文明批判。もう、120%オタクアニメじゃんこれ。

 

ルックは後にジブリのブランドになって、これは萌えアニメみたいな奴の絵柄とは違いますよ、と皆が勝手にカテゴライズしてるから、オタク向けアニメの絵柄とは違うって言う認識になるだけの話で、まだこの時点では、宮崎・高畑路線の絵柄ならこういうのだよね、ぐらいだったはず。声も役者じゃなくて普通に声優さん使ってますしね。

 

ナウシカクシャナとか、美少女アニメ以外の何物でもないし、飛行機とか戦車とかへの駿の偏愛っぷりはモデグラの連載とか「紅の豚」でそこは皆が知ってる所ですし。

 

あ、リビドー全開でこれ「マクロス」とかと同じなんだ、ガイナのダイコンフィルムとかそっちの方がむしろ近い。富野とか押井とは違うんだなぁと改めて思った。

地球を汚染する人間は愚かな存在で勝手に殺し合ってればいい、みたいなのはもうこの時代と言うか、年代と言うかのお約束みたいなもんだし。

 

ただ、胞子とか菌の渦巻く世界みたいなのは後のディストピア未来世界のフォロワー作品でも少ない方だと思うし、これはどこから来たのか元ネタはあるんだろうか?そこに関してはメビウスとも違う感じがして凄く良かった。

 

オームと心を通わせて(るわけではないけれども)最後にナウシカがそれを止める、ぐらいしか憶えて無かったので、ドラマやアクションも物凄く新鮮で本当に面白かった。ナウシカの服の色が変わる、みたいなのも新主役メカ登場、新フォーム登場、みたいなイマドキ風の変化にも重ねられて、まるでダンバインビルバイン→迷彩ビルバインみたいな変化を映画でやってるというか、その上で救世主の誕生と言う映画的な演出になってて、そこの作りも凄く上手い。

 

演出とアニメーションの面白さの積み重ねだけで、凄く面白かったと思わせてくれるんだから、やっぱり相当にレベルの高いアニメーション映画なんだなぁと。ユパ様カッコいい、あれ?でも結局後半何もして無くね?でもいい、テトかわいいなぁ、最初のシーンがナウシカのキャラクター性を表してて良いよね、みたいな小さなシーンの積み重ねや演出の面白さ、そこだけでも全く飽きずに見てられる。

 

これまで何度か書いた事あるけど、私はアニメは普通に見るけど、いわゆる「アニメーションの面白さ」みたいなものにはほとんど興味が無いんだけど、やっぱりナウシカは素晴らしかった。

 

うん、一生に一度は映画館でジブリを見よう。堪能させていただきました。

 

 

 


・・・え?ナウシカってジブリじゃないの!?
じゃあ映画館でジブリ見て無いじゃん(オタク特有のメンドクサイやつ)


『風の谷のナウシカ』 特報【6月26日(金)上映開始】

スター☆トゥインクルプリキュア 感謝祭

スター☆トゥインクルプリキュア 感謝祭[DVD](特典なし)

MARVELOUS 2020年
☆☆☆☆☆


1年間のありがとうをこめて!
キラやば~っ☆なスペシャルステージも映像化!

 

プリキュアシリーズ初、放送終了後のファン感謝祭イベントのソフト化。2020年2月23日 東京・中野サンプラザホール プレミアム公園を収録(ファミリー公演もダイジェスト収録)

 

仮面ライダーとかスーパー戦隊なんかでは近年は毎年行われてきたファイナルライブ公演。プリキュアでは今回のスタプリで初めて行われました。キャストのスケジュールもあるのかな?ライダーだと東京公演とかですが、戦隊は地方ツアーもあって、私は実際に行った事は無いのですが、仙台とかなら近いので、いつも迷います。プリキュアで仙台公演とかあるなら確実に行きたいんですけど、新人メインの戦隊と違って声優さんだと難しいかな?回数を重ねて定番化して、そこまでのスケジュール込みになってくれたら最高なのですが。

 

発売日を心待ちにしていて、まだかな~まだかな~あれ?発売日過ぎても届かない?なんで~?と思ってたらそもそも予約注文入れて無かった。こんなの買うに決まってるでしょ?と思ってもう買った気になってました。そんな感じで発売日を過ぎてから急いで注文。無事届きました。

 

主題歌やキャラソンライブ、描き下ろしアフターストリーの朗読劇や着ぐるみショー、生アフレコにキャストトークと盛りだくさんな内容。

 

アフターストーリーはアラサー女子になった5人の再会飲み会という、かなりはっちゃけた内容。キャラクターショーの方もそうですが、アドリブあり、メタネタありと結構ぶっとんだ要素も入れつつ、ちゃんと本編を補完するような内容で、脚本はシリーズ構成の村山さんがやってるのでそこは安心。

 

大人向けのプレミア公演を収録してますので、キャストも客も、スタプリが大好きな人達だけの愛ある空間が心から嬉しい。

 

プリキュアシリーズは1年間のTVシリーズ、2本の映画とアニメ本編だけでも面白いのですが、春映画と合わせての新シリーズお披露目記者会見、夏頃の「フェブリ」プリキュア特集号、秋映画の舞台挨拶とか、そこに合わせた「アニメージュプリキュア増刊号、そして終了後のコンプリートブック、勿論、その合間合間にあるインタビュー記事とか含めて、キャストの1年間を追いかけていくのもまたプリキュアの楽しみ方の一つで、結構大きい要素です。そこで更にこの最後の感謝祭が加わったと思うと、キャスト達のプリキュア体験をこうして一区切りつく所まで追いかけられるのは凄く嬉しい。

 

「私たちは星、姿形何もかも違うけど、使命みんなもつ」
スタプリの記事を書く度に何度も何度もこれ書いてきたけど、個性もスタンスも気持ちもそれぞれが違う、皆違うのが当たり前なんだと、でもそんなそれぞれの星を繋いで一つの星座になる。それがスタプリ。

 

これを描けたこと、これを体現する感じの皆が心から嬉しいし、なんだろう?なんか本当に奇跡みたいな作品だなと思う。んな事言ったらどんな作品だってよっぽど変な物じゃない限り特別な作品に決まってるんだけど、他の星(作品)には無い特別な個性と使命に溢れている作品だったなと改めて思う。

 

ひかる役のえいたそも自分で、私は本業声優じゃなくて業界的には宇宙人みたいな存在だし、って今回や他のインタビューでもよく言ってるんだけど、そこでえいたそを作中でも宇宙人設定のララ役でなく、更に言えば他の位置の個性的なキャラ立ちをしている飛び道具的なキャラクターじゃなくて、それを主人公に据えるという判断。これが圧倒的な奇跡の作品になった要因だと思うし、それが出来るのが、安定より攻めを選べる「プリキュア」というシリーズの強さでもあり面白さだと私は思う。

 

15周年記念で盛り上がって、SNSを中心に話題性みたいな所で「HUGプリ」から飛びついたファンにはちょっと伝わりにくかった印象のあるスタプリですけど、長年プリオタやってる身からすると、HUGも凄いし、スタプリも同じくらい凄い。ちゃんと別のベクトルでこんな凄い作品作れるんだ、と思える作品だった事は伝えていきたい。

 

戦隊もプリキュアも興味無い人にとっては、毎年同じような物やってるな、という印象だと思うのですが、そこをじっくり見ていくと、やっぱりそこは違うしその個性こそが面白味。入り口と同じものをついつい求めちゃうのはわかるけど、こういうのもあるのか、今度はこうきたか、を楽しめるようになってくるとまた違う視点で見れるようになると思うし、そういう視点で見た時のスタプリのこの圧倒的な個性。伝わってくれたら嬉しい。

 

でディスク1枚目は盛りだくさんな内容で、凄く満足度も高く、要所要所で泣かせつつ、最後まで楽しかったなぁと思った所で、特典ディスクとなる2枚目。ファミリー公演の方のダイジェスト収録だし、まあおまけかな?ぐらいに思ってたのですが、最後の最後に、全公演の最後のカーテンコールみたいなやつも入ってるじゃないですか。

 

もうね、これのえいたそが凄い。最後の挨拶をしちゃったらもうスタプリが終わってしまうと、このまま話続けてたら永遠に終わらないんじゃないかと、伸ばして伸ばして、あ~もう終わっちゃうよ~みたいな所が泣かせつつ面白いし、その名残惜しさがもう最高。


スタプリの作品の中の物語も最高だったけど、プリキュアになりたいという夢を叶えた「えいたその物語」もね、やっぱり愛すべき最高の物語だったなぁとちゃんと最後に思わせてくれる、そしてその姿を映像で残してくれていて、それを見れるってとても幸せ。

 

唯一の不満所は、「スタプリライブ」の時に書いた、パッケージがクリアグリーンだったら100億点!というのが残念ながら実現して無かった所。若干白っぽいクリアケースでした。う~ん、これは自分で探して入れ替えるか。2枚組なので探すの大変そうです。


『スター☆トゥインクルプリキュア感謝祭』視聴動画

 

 

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

 

イット・カムズ・アット・ナイト

イット・カムズ・アット・ナイト [DVD]

原題:IT COMES AT NIGHT
監督・脚本・編集:トレイ・エドワード・シュルツ
アメリカ映画 2017年
☆☆★

 

<ストーリー>
夜襲い来る“それ”の感染から逃れるため、ある一家が森の奥深くにある一軒家に、外界との接触を断ちひっそりと暮らしていた。しかしある日、そこに別の家族が助けを求めて転がり込んでくる。うまく回り始めたかに見えた2組の家族の共同生活。しかしある夜、固く閉ざされていた禁断の赤いドアが開き、彼らの静寂が破られる…

 

新作の「WAVES/ウェイブス」が公開中の監督で、前作のこれが予想以上に良い出来で面白かったよ、とマクガイヤーチャンネルで語ってたので、新作の方にはあまり興味持てませんでしたが、ホラーという事でこちらの方は面白そうだなと見てみました。

 

予告だと超常ホラーっぽいですが、実際はその要素は皆無で、極限状態を描く心理ホラーという感じでしょうか。

 

謎の感染症が蔓延して、人類はおそらくほぼ絶滅状態。山奥の家に立てこもる3人の家族の前に、同じく生き残った人が現れるが・・・みたいな感じです。

 

実際ここまでにはならないかなとは思うものの、感染で人類絶滅とか2017年の作品ながら、すごく今のコロナ渦の状況にも通じるものがあって、もしかしたら未来はこんな風になっちゃうんだろうか?みたいな気持ちにもさせてくれます。

 

水は浄化装置で何とか確保しているものの、食料は少なめで1日2食。感染に怯え、外に出る際はマスクと手袋は絶対に欠かせないという状況。

 

家族以外は絶対に信じるな、という教えがあるのですが、私は多分生き残りとか見つけたら、なんとか協力しようってなっちゃう方ですね。でもそれだと多分生き残れないんだろうなぁとかは思ってしまいますけど。

 

一応、この家族もとりあえずは救う方向には行くものの、些細な事から疑心暗鬼になってしまい、疑いの眼差しを向けギスギスしていき、やがては衝突にまで発展してしまうと。そこら辺をホラーっぽい演出も入りながら描かれます。

 

う~ん、自分と自分の家族だけが生き残ればいいのか?私は家庭を持つ身では無いので簡単にみんなで協力して知恵を絞ろうよ、自分だけが生き残ればいい世界なんて嫌だよと政治とかも含めて言いがち。でも家族を持ったら他人を犠牲にしてでも家族を守るべき、みたいな考えも生まれちゃうものなのかな?とも思わなくは無いです。

 

こういう作品は、もっと他の世界がどうなってるのか見たい!食料の確保とかどうなってるんだろうか?とか色々と気になり始めるとキリがないですが、シチュエーションスリラーですので、人の心の奥底にあるものは何だろう?何が人をそうさせるのか?みたいな所こそを探りながら見るものかな。

 

絶賛とまでは行かないまでも、凄く今を感じさせてくれる作品としてそこは面白かった。


映画『イット・カムズ・アット・ナイト』予告編

スパイダーメンII

スパイダーメンII (ShoPro Books)

SPIDER-MEN II
著:ブライアン・マイケル・ベンディス(作) サラ・ピチェッリ(画)
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2019年
収録:SPIDER-MEN II #1-5(2017-18)
☆☆

 

2人のスパイダーマンがスイングする!!
もう一人の”マイルズ・モラレス”とは誰なのか?

 

前作「スパイダーメン」から5年後に描かれた続編。似て異なる世界、多元宇宙に自分が知っている人が居るのなら、この世界にもマイルズ・モラレスが居るのかな?と検索してみたところ、これは?という所でラストを迎えた前作ですが、その後「シークレット・ウォーズ」イベントで世界が統合、普通にピーター・パーカーとマイルズ・モラレス2人のスパイダーマンが居る世界になってしまいました。

 

普通に考えたら正史世界に居たマイルズも一人になってしまったように思うのですが、それはそれ、このストーリーだと正史616版のマイルズは居るんだよ、という形で話は進みます。

 

話としてはそこは面白いのですが、オチまでそのまま強引に進んでしまうので、う~ん、それはちょっと無いんじゃない?と一気に冷めてしまった。勝手な想像ですが、世界統合イベントを前提としないまま脚本を進めて、そのままオチも変えずに描いちゃった、という感じなのかなぁと。


だって「世界は統合されて一つになった」アルティメットユニバースはもう無くなってしまったんですよ、という大がかりなイベントをやった後に、すぐに実はまだありますよ、そこ前提で話作ってたんだから今更もう変えようがないじゃん、みたいな事をこの作品単発で勝手にやってしまった。しかも特に納得できるような理由もつけずに。

 

更に数年後にパート3でその謎を明かしますよ、ぐらいなら許せますが、ブライアン・マイケル・ベンディスはその後マーベルを離脱してDCの方に移籍してしまいました。少なくともベンディスがさらなる続編をやる確率はほぼなくなってしまった。この作品を利用して他者が上手いアイデアでフォローを入れる、くらいの事をやってくれないと結構困っちゃって黒歴史扱いになりそう。

 

が!何気に映画版「スパイダーバース」の方が、前作のネタを使ってましたが、こっちの続編の方のネタも実は使ってたのか、と今回読んで初めて知りました。映画スパイダーバースの元ネタ作品という価値は確保されてしまった。

 

映画版スパイダーバースはキングピンが奥さんのヴァネッサを亡くしてしまった悲しみを埋める為に、多次元のヴァネッサでもいいから再会したい、という思いから多次元への扉を開いてしまうという動機でした。

 

今回の「スパイダーメンII」だと、同じくキングピンがそういった気持にも芽生えつつ、そこをグッとおさえる。が、別のキャラが同じ理由で多次元への扉を開いてしまう、というストーリーになっている。そのままではないにせよ、明らかに元ネタと言えるくらいのものだったんですねこれ。

 

ピーターとマイルズの師弟関係と、各々が抱える葛藤。
探偵と言えばのジェシカ・ジョーンズ登場。
単純なバトルではほぼ勝ち目のない圧倒的強キャラっぷりのタスクマスター、
ヴィランでありながら義理を重んじるキングピンの矜持。
見所、面白い所はいっぱいあって、私も読んでる途中までは普通に楽しめてたのですが、やっぱりこの投げっぱなしで回収する事も無いであろうオチがひどくて正直ガッカリしてしまいました。

 

関連記事

curez.hatenablog.com

 

地獄の黙示録 ファイナル・カット


2/28(金)公開 映画『地獄の黙示録 ファイナル・カット』予告編

原題:Apocalypse Now FINAL CUT
監督・脚本・制作:フランシス・フォード・コッポラ
原作:ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』
アメリカ映画 2019(オリジナル1979)年
☆☆☆☆

 

<ストーリー>
1960年代末、ベトナム戦争が激化する中、アメリカ陸軍の
ウィラード大尉は、軍上層部から特殊任務を命じられる。
それは、カンボジア奥地のジャングルで、軍規を無視して
自らの王国を築いているカーツ大佐を暗殺せよという指令だった。
ウィラードは4人の部下と共に、哨戒艇でヌン川をさかのぼる。

 

映画館での特別上映。オリジナルは流石に劇場鑑賞とかはしてませんが、映画を見るようになって、有名作品だし見ておこうかな、的な感じで一度は見てると思います。再上映のアナウンスがあって、当時見た時は多分シネフィルとしては駆け出しだったから、今見たら全然違う視点で見れるだろうと楽しみにしてました。

 

でも上映時間を見たら、ん?3時間?こんな長かったっけ?ちょっと3時間はキツイかなぁとか思ったのですが、映画館で見る機会なんてそうそう無いし、まあいいかと見て来ました。これでも特別完全版より20分短いんですね。当時見たのは多分劇場公開版だと思います。フランス領の所とかは多分、初めて観たシーンでした。

 

今回見て思ったのは、とにかく暑い!暑苦しい!ジャングルの蒸し暑さ、マーティン・シーンの玉のような汗。見た時期もあるんでしょうけど、息が詰まるような3時間。

 

今ならCGでやるシーンをバカみたいな物量とナパームで焼き尽くして実際やっちゃった辺りは、単純ですけどこれやべーな感が半端無いです。有名な「ワルキューレの騎行」を流しながら爆撃するシーンは当時も今もやっぱり凄い。

 

川を遡りベトナムの森林の奥深くへ進んでいくにつれ、心の奥底へと入って行く、という構成はやっぱり映画的でとても良い。単純にストーリーが進むだけでなく、状況が心理描写とリンクしている、みたいなメタ構造は映画っぽくてとても好きな構造です。

 


軍から勝手に抜けて、ジャングルの奥深くに自分の王国を作ってしまうカーツ大佐ですが、これがね、もう人殺しなんかしたくない、国や人種が違ったって人はわかりあえるんだ、的なものじゃない辺りが、凄くアメリカ的だなあと。詩を読んだり、インテリ風を装ってるけど、自分の考えと違う人間は容赦なく殺すし、その実、ただの野蛮人でしかない。

 

主人公のウィラード大尉が、この戦争って何なんだ?カーツならその本質を理解しているかもしれない、と単純な暗殺任務から徐々に戦争に囚われてしまった自分は何をするべきなのかと期待を寄せていくように変化していくも、そこにあったものは・・・という。

 

日本も頭おかしい人が国の実権握ってたりするので人の事は言えませんが、ベトナム戦争ってアメリカのつまづきですよね。そこを反省して、変わるのなら良かったのですが、実はこっから大して変わってねぇぞ、という辺りがまさしくアポカリプスナウな感じです。

地獄の黙示録 ファイナル・カット 4K Ultra HD Blu-ray


関連記事

 

curez.hatenablog.com

ドクター・ストレンジ&ドクター・ドゥーム

ドクターストレンジ & ドクタードゥーム (ShoPro Books)

DOCTOR STRANGE & DOCTER DOOM: TRIUMPH & TORMENT
著:ロジャー・スターン、ビル・マントロ他(作)
 マイク・ミニョーラ、ケビン・ノーラン他(画)
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2017年
収録:DOCTOR STRANGE AND DOCTER DOOM: TRIUMPH AND TORMENT(1989)
 ASTONISHING TALES #8(1971)
 DOCTOR STRANGE Vol.2 #57(1983)
 MARVEL FAFARE #16(1984) #43(1989)
☆☆☆☆

 

ドクター・ストレンジ祭りが続きましたが、とりあえずここまでにしとこうかな。残ってるのはまた次の機会に。映画のドルマムゥみたいに「ストレンジはもういいよ」気分になってくれたでしょうか。

 

ストレンジと、マーベルユニバース屈指の人気ヴィラン、ドクタードゥームの共闘を描くグラフィックノベルとして刊行された表題作と、そこに至るまでの設定が描かれている過去作を収録。ついでに二人のドクターとは何も関係ないサブマリナー主演作を2作収録。

 

ドクター・ストレンジ&ドクター・ドゥーム(1989)
ロジャー・スターン作・マイク・ミニョーラ

 

グラフィックノベルとして刊行された中編。
過去作で描かれていた、毎年夏至の夜にドゥームがメフィストに囚われた母の魂を取り戻す戦いをひそかにしている、という設定から着想して、ストレンジがその戦いに協力する、という話。

 

ヴィランであるドゥームに協力するという部分を絶妙に描いてあって面白い。初心者でも読めるようにと、ストレンジとドゥームのオリジン要素に触れつつ、ストレンジのソーサラー・スプリーム至高の魔術師という部分も、改めて描きつつ、ドゥームの悪役の部分を崩さないながら、そのキャラクター造形の深さ、これは悪役でも人気出るわなって所を生かした上で共闘させるこのシナリオの上手さ。

 

ストレンジ「フォン・ドゥーム、そこまで母君を救出したいならビシャンティの集会に表れ、回りくどい段取りを踏まずとも…ただ、私に手助けを頼めばよかったのではないか?」
ドゥーム「どんな試練にも耐える覚悟はある。だが、誰にも助けを乞うつもりはない。では、よい夜を。」
ストレンジ「複雑な男だな、ボリス」
ボリス「知れば知るほどに」

っていう所がメチャメチャカッコいい。ドゥームの従者のボリスも、使える身としてドゥームの背景を知ってるし、それを支える唯一の存在としての保護者的な眼差しがとても良い。

 

ファンタスティック・フォー、リード・リチャーズのライバルヴィランとしてだけでなく、自国のラトベリアを治める王としての姿、世界有数の天才でありつつ魔術の腕も超一級。そして地球の危機には何気にヒーローと共闘とかツンデレ要素もあり。そりゃ人気出るわなと思います。シークレットウォーズでも物語の中心を務めてましたしね。

 

個人的には90年代のヒーローズリボーン日本語版最終巻での、ヒーローが全滅する度にドゥームがタイムリープして、勝つまで何度も戦いを挑むというまさにヒーローしてたのが凄く印象に残ってます。

涼宮ハルヒまどマギ、シュタゲとかよりそれを先に触れてたので、これヒーローズリボーンのドゥームじゃん!とか思ったものです。

 

悪魔メフィストに挑むヒーローとヴィランの共闘、二転三転するクライマックス、そして母の魂と共に解放されるドゥームの魂。読み応えがあってとても面白い一編でした。

 


■アストニッシング・テイルズ #8(1971)
ジェリー・コンウェイ作・ジーン・コーラン

 

母親の救済の為の戦いが最初に描かれたのがこちらの作品。アストニッシング・テイルズ誌は2話掲載誌で、一つはジャングルの王者ケイザーでもう一つがこちらのドゥームが主役の話。ドゥーム初登場がFF5号で1962年。10年くらいで悪役のドゥームを主役でやってた辺りで人気の高さが伺えます。

 


ドクター・ストレンジ #57(1983)
ロジャー・スターン作・ケビン・ノーラン画

 

ストレンジが弟子を募集しているという噂が広まり、応募殺到、因縁のある相手がそこを利用してストレンジに近づこうとする、という話。その噂がドゥームの耳にも入り、今では無いが魔術を使う身としてはいずれストレンジとも関わる事があるだろうと、少しだけドゥームの描写が入る。

 

いつかこの二人を絡ませて話を描きたいと「ストレンジ&ドゥーム」のロジャー・スターンがレギュラー誌のここで伏線を張っておいたという一編。

 


■マーベル・ファンフェア #16(1984) #43(1989)
ル・マントロ作・マイク・ミニョーラ

 

本編でもアートを担当したマイク・ミニョーラ画という事でストーリー上は全く関係の無い話ですが、サブマリナー主役の話を2本収録。

つーかビル・マントロ&マイク・ミニョーラと言えば「ロケット・ラクーン」(1985)のコンビじゃないですか!日本語版のみ追っかけてても、こういう意外な作品や繋がりが読めるのはとても面白い。

 

2本とも凄く幻想的な話。今のミニョーラとは通じる部分は少ないですが、貴重な収録ですし、サブマリナーの話も、キャップ絡みでインベーダーズとしての出番とか、X-MENに合流した後の話で少し出てるくらいで、こういう個人誌は他に邦訳されてないはずだったかと思いますので、そっちの面でも貴重。マーベルユニバースとしては重要なキャラなので、今後のMCUにも必ず出るキャラなので予習にもなるかも。

 

ドゥームも必ずMCUには出てくるキャラなので、登場を楽しみに待ちたいと思います。


関連記事

 

curez.hatenablog.com

 

 ビル・マントロ&マイク・ミニョーラ

curez.hatenablog.com