僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ヒーリングっど♥プリキュア オフィシャルコンプリートブック

ヒーリングっど プリキュア オフィシャルコンプリートブック (学研ムック)

Healin'Good ♥ precure Official Complete Book
刊:学研 Gakken Mook
2021年
☆☆☆☆☆


今年も出ましたオフィシャルコンプリートブック。作品の締めとして欠かせない風物詩みたいなもんです。今回、1650円とちょっとだけ値上がりしましたが、それでもこの内容のアニメムックでは格安すぎる価格設定。全話ストーリーガイドとキャスト&スタッフインタビューを収録。

 

去年もだったっけかな?プリキュア以外のレギュラーキャストのインタビューページ開いた瞬間に笑ってしまった。細かっ!何も2ページに9人分も詰め込まなくても。しかもみんな細かく答えてるので、老眼鏡無いと読めないんじゃないかってくらいにびっしり。でも、サブでもちゃんと各々の愛が詰まってて良いです。

 

監督とかプロデューサーのインタビュー読んでると、ヒープリは元々がオリンピックイヤーというのも重なって、最終放送話数が未確定なまま進んでたのね(最大で46話ではあったそうで)。最終的に休止した分の時期はずらして全45話になりましたが、元々が50話までは無い構成だったとの事、ただその中でも45話は実際に放送出来るかギリギリまで未確定だった為に、44話の時点でエピローグ部分まで入れて、最悪そこで終わっても大丈夫なように作ってたと。

 

近年はラス前に決着をつけて、最後はいわゆる引き継ぎ回にはなってるものの、未確定だった故に、シリーズディレクターである池田さんが最終話の演出に入ったという事です。基本的にシリーズディレクターは1話とクライマックス(と大概は中盤の山にも入る)をやる事が多いわけですが、今回44話は「ミラクルリープ」の深澤さんが担当してました。もしかして放送出来ない可能性もあるとの事で、池田さんがそこで迷惑かけたくないのでじゃあ自分でやるって言ったそうで、悔しい半面、仕事として責任感を持って対応したんだなぁと。

 

全体的な流れの構成自体は変わって無いそうですが、ただ放送が止まっただけでなくコロナで仕事も止まっちゃってるので、細かい所では変更は勿論あって、本来は映画のプロローグ編として「5GoGo」を一度TVシリーズの方で出してから映画に繋げる予定もあったものの、そこは取りやめになっちゃったのだそうな。

 

当然だけどコロナの影響がそりゃあゼロって事は無い。アフレコも最大4人までにして、消毒してからの入れ替えの形になっちゃった事も語られてます。あんまりアフレコの事は詳しくないですが、4本の設置されたマイクに入れ換わり立ち替わり入るって言うマイクワークを無くして一人一つの形にしたって感じでしょうか。

 

あと監督の話で面白いのは、ダルイゼン浄化の例の42話。あそこまで賛否渦巻くとはちょっと予想外だったって話。ここって色々な人の話を合わせて読むと、結構やっぱり複雑な要因が重なってて、そもそものダルイゼンが何であんなイケメンだったかというか、ヒープリは敵側を人間型にしたのは、怪人タイプの敵幹部だと子供が怖がるからっていう理由で人間型にしたと。でも敵は病気モチーフだし、最初から和解路線は考えて無かったそうですが、人間型にしてしまった故に意外と敵にも人気が出ちゃったのが想定外。しかも毎回敵側はコントで楽しいキャラにもなっちゃったからと、一応は若干のエクスキューズとしてシンドイーネをアースが取り込むという形になった。

 

私もヒープリ最終回後の感想で書きましたけど、やっぱりここってプリキュアの敵幹部の扱いの歴史にも色々と重なってくる部分だったようです。

 

ただここ、池田さんがここ最近のプリキュアシリーズで思ってた事にも重なってて、「私はプリキュアが観てくださっている方にすごく都合よくとらえられている面もあると感じたんです」って言ってて、だからこそ今回のヒープリは普通の女の子の話にしたかったと。ダルイゼンの話だって、プリキュアなら敵であっても全てを救うべきだ、過去のプリキュアだってそうしてきたし、そんな女神のような存在であるべきだ!的な所から反発が生まれたんですよねきっと。

 

でもこれ、シリーズの歴史背景の流れ的なものも踏まえた文脈で見ると凄く納得できる流れがあって、1作目の「無印」~5作目の「5GoGo」くらいまではやっぱり普通の女の子が世界を救うっていうコンセプトが根本にあった。言わばそれが1期目の特徴で、次の6作目「フレッシュ」から11作目「ハピネスチャージ」まではヒーロー物のコンセプトが強まって行きました。「たまたま普通の女の子が世界を救った」から「世界を救う為のヒーローがプリキュア」という感じで変化していきました。そこが行ってしまえばプリキュア2期目の特徴です。

 

で、12作目の「Goプリンセス」はその2期目のヒーロー路線を受けて、じゃあヒーローってどんな存在?みたいなものを描くようにシフトしていく。ヒーローたるべき理想の私は?という、言わば自己実現系の話になるわけです。そこから派生して、理想の自分だけでなく、理想の世界とは?みたいな方向に16作目「スタートウゥインクル」までで行きつく事になる。ここってなりたい自分とかなるべき自分、みたいな所がテーマにあるから最終回とかで大人になった姿が描かれるようになる。そこがプリキュアの3期目の特徴です。

 

あ、厳密に時期によって壁があるとかじゃなく、それぞれに引き継ぎつつゆるやかに変化していった形なので、そこは誤解無きよう。そこで意図したものでは無いにせよ、コロナ禍っていう大きな世界の変化がある中で、理想の自分、理想の未来、理想の世界を描くんじゃなくて、今を生き抜くのに大切な事って何だろう?にここでまたシフトチェンジが行われたわけです。これからを「生きてくって感じ」を描いたヒープリと、「今、一番大切な事をやろう」というトロプリに繋がると。だからヒープリからは4期目に突入したんだって思って間違いないと思います。

 

プリキュアは同じプロデューサーとか監督なり脚本家がずっと継続してやってるのではないですが、こうしてシリーズ全体の流れを把握して見て行くと、やっぱりそこは物凄く面白い。

 

いや~、ヒープリ見終わった直後はあんな散漫なまとめきれない感想になっちゃいましたが、こうして少し時間を置くと、なんとなくですがヒープリってこういう作品だったな、というのが多少は見えてきた気がします。

 

プリキュアはね、やっぱり面白いんですよ。


そしてコロナ禍の中でこうして苦労の多い中でも一生懸命頑張って愛を持って作ってくれてるんだな、と思うと、本当に感謝しかないです。

 

そしてちょっと意外な事実がシリーズ構成の香村さんから。ラビリンのモデルは工藤遥だそうな。香村さんは「ルパパト」のシリーズ構成もやってるので、ルパンイエロー役の工藤遥を隔て、この子いいなってそっから引っ張ってきたんでしょうね。(最終話のサルローさんもちょっとジュウオウジャーのラリーさんっぽかったけど)ルパパトも大好きな作品なので、そこはちょっと嬉しい発見でした。

 

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