僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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アニメージュ 2023年1月号増刊 デリシャスパーティ♡プリキュア特別増刊号

『デリシャスパーティ♡プリキュア』特別増刊号 アニメージュ2023年1月号増刊

Animage DELICIOUS PARTY ♡ PRECURE SPECIAL ISSUE
徳間書店刊 2022年
☆☆☆☆☆

 

今年も無事に出ましたアニメージュプリキュア増刊。
デパプリは映画が例年よりひと月早い公開でしたので、その分、間が開いたので、もしかして今年は出ないのかな?とちょっとドキドキしましたがちゃんと出てくれて一安心。

 

充実した内容で、今年も満足度は十分。あと何気にクリアファイルも可愛いんですよね。サイズが大きいのでその点での満足度もありますし。個人的にはB4サイズの奴とかだとちょっと使い勝手が限られてあんま好きじゃないのです。

 

映画とTVシリーズギリギリまでの内容と、アニメージュ本誌のプリキュア記事の再録もありがたい。普段アニメ雑誌とかは買って無いので、そういうのも十分に嬉しいです。初期の頃はオールスターズ映画に絡めて、過去シリーズの記事やインタビューもちょっとだけ入ってた記憶があるんですけど、デパプリは春映画無かったですし、そこはちょっと惜しい。

 

声優さんインタビューは勿論、スタッフインタビューやコメントも充実しててとても読み応えもアリ、楽しい。

 

TVの方の監督の深澤さん、ヤムヤム/らんちゃんは子供達には何かのオタクになってほしいという願いを込めたキャラなのだとか。オタクって所謂アニメオタクになって欲しいとかそういうのじゃなく、何かのスペシャリストという意味です。

 

これね!私も思う。というか正直、それって普通みんなあるでしょ?と私はちょっと前まで思ってました。一時期、結構人に聞いて回ったんですけど、意外とそれ持ってる人って少ないんですね。知らなかった。

え?だって自分の趣味とか好きな事ってあるでしょ?それ何年もやってれば、何も世界一とは言わないけど、町内で一番くらいとか、これについてはちょっとやそっとじゃ負けないよっていうもの普通あるんじゃね?と思ってました。腕に覚えがあるとか自信持って。これについてならどうどうとしてられるもの、もってます?そういうのあってほしいなと私も思う。

 

らんちゃんのお当番回でもそういうテーマの話が何度かありましたけど、突き抜けてる風で、実は結構気にしいというのも面白いです。逆にゆいちゃんはゆるがない、ナチュラルボーンヒーローですし、しっかりしてるようで真が弱いここねちゃんに、真面目すぎるが故に深刻さを抱えてしまうあまねとか、作る方の意図、演じる人の意図、そして見る側の印象とかも含めて、色々な側面から見れてデパプリのキャラは楽しい。

 

そして映画の方。監督の座古さんも、脚本の田中仁さんも、映画で何をやりたかったのかをはっきりおっしゃってて、改めて凄いなと。ちゃんと二人とも可視化されていない「貧困」を描きたかったって言ってます。

 

近年の映画ではメインテーマとして色々な監督が描いてるテーマですし、社会学とかでも基礎中の基礎なので、その辺りを知ってる人には今更説明する必要もないのですが、あんまり知らない人も居るかとは思うので、一応説明しますけど、「貧困」って単純にお金の話じゃないのです。アジアの発展途上国の子供が食べる物もなく、飢餓に喘いでいるとか、そういう何十年も前のイメージを持ってる人も中には居るかとも思う。

 

日本で餓死なんて信じられないけど、実際にこの日本でさえそういう状況もあったりはするし、だから「こども食堂」みたいな活動もあるわけなんだけど、単純に金銭的に貧しいというだけじゃなく、心の貧困とかも含めた話。こども食堂とかも、貧しい子にご飯を食べさせてあげようとかそれだけが目的なんじゃなく、あれはコミュニティなわけで、苦しい状況に陥った時、どこに相談したり繋がったりしたら良いかとかの、いわゆるセーフティネットとしての役割。

 

親が悪い、或いは自分が至らないからこういう現状なんだ、とか自己責任論だの親ガチャだのに押しつけるんじゃなく、社会としてみんなでフォローしあえるものを作っていこうよ、という動きですよね。

 

凄く当たり前なんですけど、プリキュア作ってる人はちゃんとそういう知識がある上でそこをテーマにしてる。改めてそこを知れたのは個人的にも面白かったです。ジェンダー論とかはまだしも、そういう社会的な要素をテーマとして取り入れてるというのを語る人はほとんど居なくてね、そこもプリキュアの面白い部分の一つじゃん!って私は前から主張してるんですが、反響が無いのがちょっと悲しい。

 

そこ考えるとさ、デパプリのシェアする喜びって、SDGS的な、誰も取り残す事の無い社会を目指して行こうよ的なテーマでもあって、おそらくは今後ナルシストルーさんにも手を差し伸べるような形にはなるはず。(実際に彼がそれを受け入れて救われる展開かどうかは別として)

 

そういう部分では、やっぱり「ヒープリ」以降は、この生き延びるだけでも大変なサバイバル社会。無理ゲー社会で私たちはどう生きるか、そして子供達にどうあってほしいか的な所を描いていて、ここ3年分はプリキュアネクストステージとしてテーマは一貫してると思う。いやコロナ以降でそういうテーマになるのは当たり前でしょとか言われたら確かにそうなんだけどさ。時代の必然というか、意識したくなくても自然にそう言う要素は入ってきてしまう的な。

 

宮崎駿がね、引退撤回して吉野源三郎君たちはどう生きるか」を映画化するとかいう話がありました。そんなの無くたって、プリキュアは「私たちはどう生きるか」をちゃんと描いてる。何度も言うけどプリキュア凄くないですか?

 

この本のインタビューでも誰か言ってる人居ましたが、デパプリは決してグルメプリキュアとかではないですっていうのはわかるんだけど、シェアする喜びって何だろう?
わかるようなわからんようなと正直ちょっと思ってましたが、なるほど、今回色々な人のインタビューとか読んで、私の中でデパプリは何をやってる作品なのかが落とし込めました。最終回とか、コンプリートブックで何を書くべきかも何と無く見えました。

 

幸せは誰かから奪うものじゃなく、みんなで分け合うもの。自分だけが助かりたい、幸せになりたいじゃなく、みんなで幸せになろうよ、その方がすっと嬉しいし楽しい。そんな世界を目指してプリキュアは戦ってるのでしょう。

 

色々と納得のいく一冊でした。やっぱりプリキュアは最高だなと改めて思うしだい。

 

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