僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(MCUその34)

 

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 原題:DOCTOR STRANGE IN THE MULTIVERSE OF MADNESS
監督:サム・ライミ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2022年
☆☆☆★

 

本日より公開!MCU映画最新作、早速観て来ました。
「ドクターストレンジ」単体としては2作目なものの、一つ前の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」にもストレンジ先生がメインキャラで出てましたので、話としてはそこからの続き。タイトル通り、マルチバースの脅威が差し迫る中で、ストレンジ達がどう立ち向かうのか?というお話。

 

最初からスカーレットウィッチことワンダ・マキシモフもメインで出る事が発表されてましたので、ワンダの方の話としてはディズニープラス配信のMCUドラマ「ワンダヴィジョン」の内容がどれほど関わってくるのかな?とも思ってましたが、これが私の予想とはちょっと違った。

個人的には、ドラマ見てない人への配慮として、知ってる人にはより深く楽しめるけど、知らないなら知らないなりにある程度は察することが出来るくらいに留めるだろうなと思ってましたが、これが意外や意外、ガッツリ話としては繋がってくる。むしろ「ノーウェイホーム」よりこっちの「ワンダヴィジョン」の方が前章という感じでした。

 

まあディズニープラス以前のドラマと違って、マーベルスタジオ直々に映画と同じような感じで作ってるからなぁ。そういうものになっちゃうのは仕方ないかも。

 

ただ、MCU各作品にどのくらいの予習が必要になるか問題に関しては私なりに思う所もあって。よく動画とかで、この作品を見るには最低何を見とけば楽しめるの?的なのよくあるじゃないですか?結局全部見ろってオチになるのは私もその通りだと思ってるんですけど、そうじゃなくても別に良いとも思ってるんですよね。

 

それは何故かと言うと、今のMCUって、映画としてうんぬんというより、コミックの本来持ってる面白さを映画に落とし込むっていう事をやってるわけじゃないですか?クロスオーバーだったりマルチバースしかり、エターナルズみたいな上位概念とかそういうのも含めてね。そもそもアメコミの世界って、毎月何10数タイトルとか出てて、過去50年分の歴史とかがある世界。それを全部読んでる人なんか居ないのです。研究とかで、過去に出たマーベルユニバースのコミックを全部読んだって人がニュースになるくらい。

 

何か一つ手にとって読んでみて、気になったら過去のタイトルに遡ってみるとか、関連タイトルにも手を出してみたりする。そういう読み方をするもの。だから映画も同じで、これを見る前にこれを予習しとけ!っていうより、一つ見て、気になったらリンクしてるのも見ればより深く楽しめるよ!で良いと思うんです。そりゃあね、公開順に全部見て行くのが一番楽しめますが、無理にあんまり敷居を高くしないでも、と思わなくもないです。

 

私は半分遊びでタイトルに「MCその○○」ってつけてきましたけど、ドラマ含めて今回で34作品目ですからね。履修作品多すぎて手が出ないって思ってる人には、まあそんなに全部とか言わなくても、とは言ってあげたいし、今回「ワンダヴィジョン」触れずにこの作品見た人には、ワンダの変わりようが気になったのならそっちも是非、って程度で良いのかなと。映画は映画として一つの作品ですしね。
もし、ドラマ知らないで見たから、今回はつまんなかったとか思う人が居ても、それはそれで一つの意見なのかなとは思います。

 

そんな前置きはここまでにしといて、私の感想をはっきり言っておきます。
今回、久々に外したなっていう印象。

 

いや、面白かったんですよ。別につまんなかったとは思わない。


ちょっとドクター・ストレンジの「1」を初めて見た時と近い感覚があるかも?
そんな事を言うとお前ストレンジ嫌いなんじゃないの?って思う人も居るかもしれませんが、そんな事はありません。

 

MCU、あるいはアメコミヒーローコミックも含めて良いかもしれない。アメコミの面白さって社会性、政治性、時代性とかそういうものも荒唐無稽なヒーロー物の中でやってるのが一番面白い部分だと私は思ってます。ドラマやキャラクター、ビジュアルも大事ですけど、そういう社会要素が含まれているからこそ、ただの勧善懲悪な話にはない面白味があると思う。

 

そう言う意味で、「ドクターストレンジ1」を劇場で初めて観た時は、ちょっとビジュアルが新しいだけで、話の作り方とか、前時代的や過ぎないか?と感じたのでした。MCU作品ではないけれど、同じマーベルの一つ前の「モービウス」もそうでした。ビジュアルとかカッコいいけど、健常者には無い苦しみとか、深堀りしてメインテーマとして描くべきものをサラッと流しちゃうんだな、勿体無いな~っていう感覚にも近いかもしれません。

 

「エンドゲーム」と「ファーフロムホーム」が終わってフェイズ4に入ってからの3作品「ブラックウィドウ」「シャン・チー」「エターナルズ」はどの作品も賛否ありましたが、私はどの作品も大絶賛したのは、ちゃんと私が求める社会性とかそういうのを軸に描いてあったから、本当に面白かった。

 

そういう部分がね、今回はちょっと弱いように感じました。単純なサプライズという意味ではやっぱり前作の「ノー・ウェイ・ホーム」があまりにも凄すぎましたし、今回もサプライズいっぱいあるけど、マルチバースにかこつけて、ちょっと雑に扱いすぎて無い?という印象が強かった。

 

原作コミック的にはメインのユニバースがアース616という設定で、過去に作られてきた映画やアニメやゲームも全部それぞれの別アースの物語世界という事にされて来ました。「スパイダーバース」なんかはそこを逆手に取った話にしたわけです。だから東映スパイダーマンとかレオパルドンが出てくる。(原作コミックの話)

 

「ノーウェイホーム」が過去のスパイダーマン映画を繋げたように、「X-MEN」だろうがベンアフ版「デアデビル」だろうが、「ファンタスティックフォー」の最初の映画もリブート版も、アン・リー版「ハルク」も、ニコラス・ケイジの「ゴーストライダー」も別に無かった事にされたわけじゃない。あれはあくまで別アースとして正規の話です、という認識は最初からあった。コミック基準で言えば、コミックのメインユニバースがアース616で、MCU世界がアース19999とされてきた。

 

だからそこをリンクさせるのは構わないんだけど、せっかくなら、こう・・・う~ん、今回はマルチバースの説明に1話使いましたっていう感じの、「説明回」にちょっと思えちゃったんですよね。ドラマだった「ロキ」とか「ホワット・イフ」ならともかく、映画1本分それに終始しちゃうのはちょっと残念かなぁと感じた。

 

「エターナルズ」なら、同じようにこの世界はこんなとんでもない設定になってるんですよ、という説明回的な位置付けながら、多様性とか一つの映画のテーマとしてちゃんと描けてたし、そこから更に、人ならざる者なら、そもそも人って何だ?みたいな深さがちゃんと描かれてた。だからこそ私は絶賛しました。

 

今回、あえてテーマ的な物を言えば、いくつもの選択肢を選んできて、別の世界線もあったけれど、今の自分をちゃんと肯定しろって事だと思うんですよね。

 

マルチバースという考え方の上にある無限の世界の中で、本当はこうなっていたかもしれないと思う世界を夢見て後悔するより前を向いて、今の自分を信じろ、きっとそこに意味はあるっていう、それなりに時代性や普遍性のあるテーマかとは思いますが、そんな纏め方は良くても、初見の印象としてはちょっと全体的にはガチャガチャしすぎてた印象の方が強いです。「1」もそうでしたが、2回目見るとそういうものと割り切って見れる分、楽しく見れそうですが。

 

 

 

以下はネタバレ注意!

 

 

 


ええ、もうワンダが辛すぎました。
「ワンダヴィジョン」での仕打ちがあって、更にこれかと。原作でもアベンジャーズ壊滅させたり、ミュータントを地球上から消し去ったりと、何度もやらかしを重ねて来た危険なキャラですけど、やっぱりこれまでの映画なりドラマを見てきて感情移入しちゃうとさぁ、ヴィラン化してしまうのは見ていて辛かった。

誰かに操られてるとか、黒幕が居て途中で目覚めてほしかったけど、最後の最後に多少の救いがあったとは言え、それでもヒーローがヴィラン化するのはやっぱりキツイなぁと。

強力すぎる力を持ってるキャラなので、いくらでも復活できるポテンシャルはあるはずなので、いつか救済を。「アガサハークネス」のドラマで出てくるのかどうかも含めて、いつになるかわかりませんが、何とかしてほしいぞ。

 

そして今回登場のアメリカ・チャベス
う~ん、可愛いけど、力に翻弄される未熟な少女、みたいな典型的な描かれ方をされてて、そこは正直やっぱりサム・ライミは彼女に興味無いんだろうな、というのがちょっと見えてしまった。原作だと、いかにも今風で勝気な女性というキャラなので、古い価値観に新しい風を吹き込むタイプになりそうなものなのに、ちょっと古い描き方になっちゃってて残念。

 

逆に元々サム・ライミが好きだったというドクター・ストレンジ(旧スパイダーマンにも名前だけは出てるんですよね)は面白い描き方をされてて、自分が読んでた時のストレンジは黒魔術と言う怪しい技を使いながら善行をするヒーローというのがストレンジの魅力だった、とパンフで語ってるのですが、まさに今回もそんな感じ。

 

近年のコミックから入った私にとってのストレンジの印象って、魔法で何でも出来るから、都合良く使われがちな便利屋っていう印象で、映画でも最も頼りになる存在って感じだったんですけど、今回、死者の蘇生とか禁断の魔術とか使ってて、怪しさ満載で、そこはサミ・ライミ流石!って感心しました。

 

考えてみると、前作でも師匠のエンシェント・ワンが実はダークディメンションの禁断の魔力も使っていたと言う事が明かされて、良い人だけど実は裏でそういう怪しい事もやってるよっていう共通項もあり、師匠が師匠なら、弟子も弟子だなっていう感じがまた良かった。

 

で、そんな裏の面が許せなくて離脱したモルドが、別の世界ではソーサラースプリームとしてイルミナティの一員っていうのも面白かった。悪いのはストレンジであって、モルドは正しい道を行きたいってだけなんですよね。結果イルミナティで裏の顔も持っちゃったりはするけども。

 

そしてそんなイルミナティ
錚々たる顔ぶれでした。

 

まずは遂に登場のミスターファンタスティックことリード・リチャーズ。
「F4」の前に登場しちゃいましたね。私は詳しく知らないのですが、次のMCU版でこの役をやるんじゃないかと言われてた人。
結構酷い扱いでしたので、そのままMCU版で主役やるって事は無いような気はしますが、コミックの方でもアルティメット版の方のリードが正史世界に合流して、メイカーという別キャラになるので、そういう展開もありなのかなと。

 

次はブラックボルト。
ドラマ版で演じたのと同じ役者さんだそうです。評判が悪くシーズン1で終了しちゃった奴ですが、ディズニープラスにはあるのでいつかは見ておきたい所。インヒューマンもマーベル世界では大きい勢力ですし。

 

そしてキャプテン・マーベルはモニカ・ランボー版。
原作だとイルミナティにキャプマ枠は無いので、MCUの中で居そうな枠でしょうか。

 

キャプテン・カーター。「ホワット・イフ」版そのまま登場が嬉しい。
戦闘シーンがカッコ良かったけど、この4人を軽くあしらうワンダが凄い。

 

最後にプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア。
パトリック・スチュワートが演じてくれてますが、流石に年取ったな。ミュータントとしてワンダともそれなりに縁のあるキャラですし、何とか助けようと頑張ったものの、結果は・・・。

 

これだけの面子を揃えておきながら、あっさり全滅は雑すぎた気が。


あくまでマルチバースですよ、スカーレットウィッチのアベンジャーズとミュータント全滅はこの時点だと出来無さそうなので、イルミナティ出して全滅させてみました!なのはちょっとどうかと思うぞ。どうせなら目の所が空いたレトロな感じのアイアンマンが居ても良かった気がするけど、流石にそれはファンの反感を買うかな?

 

ここね、凄い!と思った半面、ノイズになっちゃった感も否めないです。MCU特有の、原作ファンに「おお!」って思わせて、実は外してくるみたいな部分かとも思いますが。インカージョンが起こる!とか言われると、遂に映画でも来たか!って感じはするんですけど。

 

夢の世界は別のマルチバースの自分とリンクしてるっていう説明はわかりやすくて面白いと思うし、先ほども書いたような、作品のテーマらしき部分は決して悪くない。サム・ライミだしホラーテイストも面白いです。ただもし次もサム・ライミが監督をやるのであれば、もう少しシンプルにしても良いのかも?「ドクターストレンジ」という単体のタイトルとしての面白味は十分に出ていたとは思うので、そこを生かす方向で。


つーかもしかしてこれって結局「スパイダーマン3」と同じ轍を踏んでやしないか?
という気がしないでも無いです。


さて次は公開日と同じ日に最終回配信の「ムーンナイト」と、映画は予告も入ってた「ソー:ラブアンドサンダー」ですね。

 

「エターナルズ」の時に書きましたが、この快進撃はいつまで続くの?今回はまあまあだったかな?っていう時がいつかくると思うけど、というのがついに来てしまった感じ。けど、すぐに次があるのがMCUの利点です。1年2年待たされて、もういいかぁとなっちゃうまえに、はい次はこれね!って差し出されるんだから、プロダクションとしては完璧に近いものがありますね。

 

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