僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

キング・イン・ブラック

キング・イン・ブラック

KING IN BLACK
著:ドニー・ケイツ(作)
  ライアン・ステッグマン(画)
訳:吉川悠
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2023年
収録:KING IN BLACK #1-5(2020-21)
☆☆★

世界が闇に包まれし時、
暗黒の帝王
降臨する。

 

本当の闇を見せてやる。
銀河系を恐怖のどん底に陥れた、奈落の帝王ヌール。奴がついに地球に到達した。
恐るべきシンビオート・ドラゴンの軍勢を指揮下に置くヌールは、
アベンジャーズX-MENファンタスティック・フォーといった名だたるヒーローたちを次々に苦境に立たせる。
太陽と星々の光が消え、闇に覆われた世界で、人類に残された最後の希望は……
ヴェノムことエディ・ブロックだった!!

 


黒神ヌールとの最終決戦を描く、ヴェノム系列のストーリーのクライマックス。と同時に脚本担当のドニー・ケイツがしばらく前からマーベルの各誌で描いてきたものの集大成でもある。

 

ユニバース的な時系列としては丁度一つ前に感想を書いた「アベンジャーズファンタスティック・フォー:エンパイヤ」の次のイベント的な流れだった様子。
ヴェノムの邦訳的には「アブソリュート・カーネイジ」の後の話になる。

 

ヴェノム絡みの感想の時にちょくちょく書いてますが、私はヴェノムが昔からあんまり好きじゃ無く苦手な部類。最初のトッド・マクファーレンの印象が悪かったのと、ダークヒーロー的なものでありつつ、グリム&グリッティ路線を代表する感じが昔から凄く苦手。

 

ただねぇ、そんな初期のイメージでずっとやってるはずもなく、そこからまた30年も歴史を積み重ねてきてるわけですから、どんどん肉付けされて来たわけです。今回、というか近年のエディ・ブロックのキャラ付けって、「不器用なお父さん」ポジションですよね。息子のディラン君が重要なサブキャラクターになってる。

 

ついに地球への侵攻を開始したヌール。アベンジャーズはシンビオートの弱点である雷で対抗すべく、ソーとストームを軸に抵抗を試みるが、あまりの物量の差に追い詰められていく。ヌールと精神的な接触が可能なヴェノム=エディ・ブロックも作戦に加わるが、そう簡単には事は運ばない。

 

秘められた力を持つ、エディの息子のディランだけが唯一の対抗手段に思えたが・・・意外な救世主がそこに現れる。

 

現在のマーベルユニバース誕生以前から存在する奈落(アビス)そのものの具現化であるヌール。天上人セレスティアルズが世界を創造する時からの因縁という規模の大きい存在。

 


しかし、闇が存在するのなら、同時に光もまたあるのでは?ヒーロー達一人一人が光の散らばりでもありつつ、その根源にあるものは・・・みたいな感じのお話。

 

いやぁ、エディ出世したよね。昔の脳筋イキリおじさんが、アンチヒーローからヒーローになり、もはや神以上の存在にまで登り詰める。

映画とか見てるとね、ぶっちゃけスパイダーマン無しでヴェノムなんて成立できるものなのか?とかついつい思ってしまいますが、いやはやこういう原作を考えると、十分すぎるくらいにストーリーラインは充実してますし、かつての中二好みのキャラがユニバースの中心にまで来るこの出世っぷりどうよ?感慨深くない?みたいな所を狙って描かれたっぽいですが、う~んやっぱりヴェノムに思い入れの無い私的には今度の設定はこんな感じなのね、ぐらいの感覚でした。

 

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マダム・ウェブ

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原題:MADAME WEB
監督・脚本・制作総指揮:S・J・クラークソン 
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2024年
☆☆☆

 

MCUとは別ラインで展開しているソニーの方のスパイダーマンユニバース(通称SSU)「ヴェノム」「モービウス」と続いての今作「マダム・ウェブ」。
本来は去年公開の予定だった「クレイブン・ザ・ハンター」も完成済みなはずなので、そっちも今年中には公開されるのでしょうか?

 

別ラインのアニメ版「スパイダーバース」シリーズが、批評的にも興行収入的にも歴史的なレベルで高い結果を出したのに対して、こちらの「マダムウェブ」は真逆の批評的にも興行収入的にも歴代1のワーストを記録。

 

まあ、一つ前の「モービウス」が正直物凄~~~く勿体無い作品で、伸ばせる要素がありながらアメコミ映画のゼロ年代初期くらいの感覚で作ってある感が凄く残念でした。そんな流れもあったので、多分今回のもそれと同程度の作品なんだろうなと、ハードルを低くしていざ映画を見てみると、あれ?思ったほどは悪くないのでは?
普通には面白かった。

 

ただ、褒められたような作品じゃないのも確かで、子供達がピンチの中で、自分のルーツ&敵の情報を探るためとは言え、海外に一人で行ってしまったり、その敵・今回のヴィランのエゼキエル周りの描写が何もわからず、あいつ結局何だったの?みたいな、明らかに雑な部分や問題があるのは否定しない。

 

マーベル映画初のミステリーサスペンス的な宣伝もぶっちゃけ的外れ。ヒーロー物+他ジャンルの融合という所で新しさを出していた一時期のMCUの面白さを期待すると、そこはまあ雰囲気だけそれっぽくしました程度の志の低さは否めません。監督のS・J・クラークソンさん、ドラマの「ジェシカ・ジョーンズ」やってた人っぽいので、それに近い雰囲気は確かにあったかも。

 

ただ私が感心したのは、わけわからんコミックの設定を映画としてアレンジしてこんな風にしたのかっていう所に面白味を感じました。

 

世間的には実写化で原作を改変するな問題がまだ続いていますが、世界で最も売れたコンテンツのマーベル映画は原作を改変しまくってますよ。それでトップをとってる事を考えても良いと思うし、私は改変はむしろしなきゃいけない派です。(生み出した原作者がそれに満足していないっていう意見は尊重すべきだし、その気持ちを否定はしません)

 

今回の原作の「マダム・ウェブ」は私も全然詳しくないですが、その存在とか設定くらいはアメコミ読みとしては流石に知ってます。そもそもヒーローとかじゃなく、スパイダーマン達を支えるサポートキャラみたいな存在。

 

最初に並べた通り、SSU(ソニースパイダーマン・ユニバース)はヴェノムにモービウスにクレイブンと、スパイダーマン無しでその周りのキャラだけで進めているという不思議なシリーズ。
これは主役のスパイダーマン/ピーター・パーカーの物語を権利や利益はソニーに残したままで良いですから、制作だけはウチでやりますよとスパイダーマンの本編とも言える部分をマーベルスタジオが作ってるからですよね。

 

だからスパイダーマンの周りのキャラを映画化してお茶を濁してる。その後結局どうなったのか不明ですが「エル・ムエルト」だっけ?そんな誰も知らないようなスパイダーマンの脇役まで映画化の動きがあったりしました。
いやいやいや、ピーターが使えないならそれこそマイルス君の方を軸に作れば良いのでは?と素人的には思うのですけど、スパイダーグウェンと共にアニメの「スパイダーバース」の方はそっちを軸にやってるから、実写は難しいのかな?とも思う。

 

でもさ~、スパイダーバースにも出てたけど、スパイダーウーマンとか別に別アースとかじゃなくても、ピーターやマイルスと同じ世界にスパイダー系譜のキャラなんて原作には山ほど居るんですよ。それこそスパイダーガールズの一人の「シルク」なんか割と最近は人気も出てるようですし、そういう所を映画化すれば良いんじゃないの?とアメコミファン(アメコミ映画ファンじゃなく原作ファン)は思ってたりしました。

 

そこで「マダム・ウェブ」です。いやずいぶんニッチなキャラを持ってきたなと思いましたが、予告を見たら普通にスパイダーガールズいっぱい居るじゃないですか。
おお、やっとそこに気がついたのかと思ったのもあくまで予告編。

 

 

 


いいですか、ネタバレしますよ。気にする人は以下注意です。

 

 

 

 

 


うん、実際はスパイダーガールズとか出ません。

 

 

いや全く出ないわけでもないのだけれど、後にスパイダーウーマンとかになる事になるマティ・フランクリン、ジュリア・カーペンター、アーニャ・コラソンという3人の少女の未来像としてヒーロー姿のカットが少しあるだけで、本編中ではまだみんな能力を身につけていないティーンエイジャーの普通の少女。

 

キャシーの能力は時間をも超越するみたいな言われ方をするので、少女たちが後にヒーローになった後の時間と行き来したりするのかな?とも思ったけどそんな事はありませんでした。

 

ああ、マダムウェブって白髪の老人として描かれてきたけど今回は普通にまだ若いのはそういう事なのね。後にスパイダーマン達を支える存在になる前の、いわば「エピソードゼロ」だったのか今回は。本来は「スパイダーウーマン」「スパイダーガールズ」とかの「エピソード1」的なものを先に作って、そこに登場する指揮官のマダム・ウェブをエピソードゼロとして後から映画化するみたいな形のものを、実際に律儀に0回からやる。今回はあくまでプレリュードで、本格的に盛り上がるのは次からですよって始めたら、いきなり超惨敗して企画が流れてしまった的な奴だこれ。

 

しかもね、アニメ映画の方じゃ無く原作の「スパイダーバース」を私は初めて読んだ時、蜘蛛に纏わる運命を持つ存在のスパイダートーテムうんぬんっていう部分、結構面喰ってしまって、偶然と思っていた物が実は運命として決定付けられていたんだよ的な路線、私はあんまり好きじゃないのです。

 

例えるなら「エクソシスト」でたまたま少女に悪魔がとりついてしまい、という所に面白味があって、もしかして身近に同じような事が起きてしまうんじゃないか?と想像出来るのが恐怖なんですけど、それを続編の「エクソシスト2」とかで、あの少女が選ばれたのは偶然では無く仕組まれた運命の存在だったんだ!みたいになります。
これ、無理矢理作るパート2ものとかでありがちで、パート1で事件に巻き込まれた裏にはこんな背景が実はあったんだ!系、私はあんまり好きじゃない。無理矢理くさくて。

 

スパイダートーテムの眷属うんぬんっていうのもそれに近い物があって、私はあんまり好きな設定では無いのですが、そこら辺はアメコミの良くも悪くもわけわからん部分だよなと受け入れては居ます。ああ、映画だと「エターナルズ」がそれに近いかもしれないですね、あの戦いの背後にはこんな歴史も実はあったんだというのを追加設定として後出しする感じ。

 


トビ・マグワイア版、アンドリュー・ガーフィールド版、トム・ホランド版とどれもみんなスパイダーマン大好きじゃないですか。私も好きだし。そういうみんなが好きなスパイダーマンのひな型みたいなものに対して今回の「マダム・ウェブ」が受け入れられにくいだろうなってのは想像出来るし、同じような路線ながら圧倒的なクオリティで見る者を黙らせた「スパイダーバース」と比べてしまうとこのクオリティの低さでは何とも・・・という感じはします。

 

ファンが見たかった内容との乖離という意味では、ベン・アフレック版「デアデビル」なんかにも近い物があって、アメコミヒーローが出始めた時期でVFXの派手なアクションこそがアメコミヒーローの売りなんだってみんなが思ってた中、何だこのスパイダーマンを地味にした2番煎じみたいなヒーローは?っていう感じで評価は散々でした。
でも私はベンアフ版「デアデビル」大好きな作品で、悪に私刑の暴力で制裁を与える事はヒーローじゃないんだよ、ヒーローの本質は敵を倒すのとは別の所にある、というのをちゃんと描いてある良い作品だと思って、私は昔から擁護して来ました。

 

そういう例と比較してね、「マダム・ウェブ」も世の中に理解されて無いだけで本当は良い作品なんじゃないですか?なんて事は確かにちょっと言えない所もあって、擁護する程のものは無いかなとは思うんですけど、「モービウス」が現代的なホモソーシャル的な所に踏み込めたはずなのにそこをスルーしたのと違って、こっちの「マダム・ウェブ」はシスターフッドやガールズエンパワーメント要素も意識はしていて、家庭に居場所が無いから家族以外の場所に居場所を作るとか、単純でベタではあるけどそれはそれで現代において大切な問題ですし、そういうテーマを多少なりでも見えたのは評価したい部分です。

ただねぇ直近の「マーベルズ」も不評でしたし、割と前ですがDCの方の「ハーレイクイン」もそうで、女の子大集合的な路線の映画はアメコミヒーロー物に関わらず、どうも低評価が続いてる印象で、せっかくそういう企画が通るようになったのにまた止まってしまう流れにならないかちょっと心配です。

 

ああそうそう、私は吹き替え版で見たんですけど、主人公役の大島優子はテレビもアイドルも興味無い私にはどうでも良い部分ですが(決して上手くは無かったけど聞いてて極端なノイズになるほどまでに悪くは無かった)。

そこより少女3人組の方。
伊瀬茉莉也潘めぐみ、ファイルーズあいですよ。見事に全員プリキュア
ついで言えば子安も敵として居るしな。
つまり私にとって「マダム・ウェブ」吹き替え版は実質プリキュアオールスターズでした。

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エコー(MCUその49)

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原題:ECHO
監督:シドニー・フリーランド
原作:MARVEL COMICS
配信ドラマ 2024年 全5話
☆☆★

 

MCUのドラマシリーズで、今回から新設された「マーベルスポットライト」というカテゴリーに当たるもの。ユニバース全体の長編ストーリーの中の一部ではなくこれ単体で完結して、他の作品とのリンク要素はあまり気にせずに見れるものですよっていう枠らしいです。過去作で言えば特に他作品とのリンクの無かった「ムーンナイト」みたいな感じかな。

 

この辺は良くも悪くもな部分がありますね。ユニバース物なんだからリンクするのが面白味じゃないかっていう反面、複雑になりすぎてついていけない、数が多すぎてもうついていけないっていう声は多いし、逆に映画なんかも映画そのものよりエンドクレジット後の次の展開への橋渡し部分だけ話題にするようなケースも多かったし難しいとこです。

 

ということでドラマ「エコー」です。
同じくドラマの「ホークアイ」で登場した聴覚障害&義足の暗殺者でキングピンの部下。因みに原作では聴覚障害者ではりますが、義足の設定はありません。ドラマに合わせて原作でも設定変更とかはちょこちょこあるので、今後そうなる可能性はありますが、義足なのは演じた役者さんのアラクア・コックスさんがそうだったから。

 

ラクアさん元々が女優でも無く、エコーが初出演のデビュー作。マーベルが実際の聴覚障害者でエコーのイメージに合う人を探してる中で役者じゃないんだけど彼女はどう?みたいな感じで紹介されて、演技なんか後からでも身に付けられるからと彼女をスカウトしたようです。

 

障害のある役を、実際に障害を患ってる人に演じてもらうっていうのは今の映画業界ではトレンドみたいな部分もありますし、視覚障害デアデビル車いすのプロフェッサーXなんかの昔から居るキャラでもわかるように、何かしら身体に障害があっても、ヒーローになれるんだっていうメッセージはマーベルの(というより作者のスタン・リーの)作風でもありましたし、その魂を受け継いでいる、という部分は少なからずあるように思います。

 

そしてその役者のパーソナルな部分と言えば、今回はエコーのルーツが描かれる中で、ネイティブアメリカンの血を受け継ぎ、それが特殊能力にも繋がるという描き方をされてるのですが、多分そこも原作には無い要素のはず。アメコミは邦訳版しか読んで無いので、間違った情報だったらゴメンなさい。

 

つまり、俳優に合わせて原作からキャラを相当に変えてある。そんなんで原作ファンは文句言わないの?と思う人も居るでしょうけど、きっと大丈夫。エコーなんてそもそも大した人気があるキャラじゃないから。ミニシリーズくらいはあるのかもしれませんが、オンゴーイングでエコーが主役の単体誌とかは出て無いはず(またも不確定情報)

 

大した知識も無いくせに偏見も良いとこですが、エコーなんて2代目ローニンやってた事とか、エレクトラ出せない時に代わりにデアデビルと絡むくらいのイメージしか私には無い。あとムーンナイトとの絡みもあったか。そのくらいのイメージ。

 

人気があるというよりは、都合良く隙間で使われてるキャラな印象。じゃあ何でわざわざドラマの主役にまで抜擢されたかと言えば、それこそ障害者ヒーローとか、そういうポリコレ的な部分も関係してくるのは素人でも想像できますが、ポリコレってだけで極端に嫌う人も多いし(それって何でなの?私はわからん)、こういうのだって感動ポルノの延長みたいなものと考える人も居るでしょう。

 

けど、普段あまり日の目を見ることの無い人にチャンスが与えられるのは良い事だと思うし、そこでピックアップされて、経験者だからこそ出せる部分が、今後の映画やドラマ、或いは原作にも上手く生きてくるなら別に誰も損はしないのでは?とも思います。これのおかげで他のキャラのドラマが作られる可能性が一つ失われたとか言いはじめたらそれは流石にキリの無い話ですし。

 

綺麗事を言いたいわけじゃないのです。私も以前NPO活動をしている中で、聾唖者との接点が割とありました。最初はこれも経験かなと思って、自分の方からも話しかけてみたり、手話の単語をいくつか教えてもらったりはしたけど、やっぱりストレートに話せないのは面倒に感じる部分もあって、後々の方にはちょっと避けるようになってしまったのは事実。今回のドラマで、キングピンが映像で手話の自動翻訳みたいなのをマヤに渡すのですが、手話を勉強するのが面倒なんでしょ?それのどこに愛情を感じろと?みたいな正論で突っぱねるんですけど、そこは正直私の胸にもグサっと来ました。

 

ドラマですから、手話での会話に字幕はちゃんと入るし、理解はしやすいのですが、同時にそこがストレスに感じてしまう自分も実際に居るわけで、偉そうな事は言えないなぁというのは正直な気持ち。

 

でもね、偽善かもしれないけれど、こういうものに救われる人が少しでも居るなら、例え需要は少ないかもしれないけど、価値はあると思う。私は多数決とか民主主義とが信じないし、数で勝る人がそれを理由に少数派の声をかき消してしまうならそれは悪だと感じる。

 

正直ね、「シャン・チー」の時は、言葉や見た目だけでなく、その人のルーツにまで遡る事でのアイデンティティがあるんだっていう描き方に感動したんですよ。ただのカンフー映画とかにするんじゃなくて、こういう踏み込み方、こういう描き方をするのかっていう。

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それがね、「ミズ・マーベル」で、ああ今度はムスリムで、インド系のルーツを描くのか。そこは「シャン・チー」にも近い物があるなと感じました。

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更に次「ホワット・イフ?シーズン2」オリジナルの話のカホーリが、今度はネイティブアメリカンのルーツを描くのか。

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そこからの今回の「エコー」で、
え?またネイティブアメリカンのルーツ?あっちはモホーク族でこっちはチョクトー族だから別?「プレデター:ザ・プレイ」のは何だっけ?あれはコマンチ族?もうわけわからん。と、流石にちょっと続き過ぎて食傷気味。

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ただね、タイミングと言えば「漫画原作ドラマの改変」がニュースを賑わせてますが、私はどっちかというと原作まんまよりメディアに合わせた改変はすべきだと考える派です。勿論、それは良いものになるようにという意味でですが。

 

作品の根幹、芯の部分は残さなければというけれど、作者が伝えたい事と、読者や視聴者が求める物は違ったりするケースはどうなんでしょう?原作者はこういうテーマを世間に訴えかけたいんだ!と思っても、受け取る側は美少女だとかグロだとかそんなのを求めてるのであって、テーマなんて知らねぇよ、なんて作品、いくらでもあると思うんですけどね。

 

まあそれは別の話として、今回の「エコー」はほぼドラマオリジナルと思われます。まさか「エコー」という名前が、渺茫エアマスター)やオールフォーワン(ヒロアカ)みたいに過去の御先祖様の能力を受け継いできたものだった、なんて予想もして無かったし、そもそも原作こんなんじゃねーだろ?っていう。

 

でも、それで良いと思います。アメコミは元々、キャラクターの生みの親は居たとして、その人が権利持つんじゃなく会社の物というの前提ですし、担当が変われば他の人がそのキャラ使って別の物語にするのが昔からの普通の流れですしね。そういう意味では今回のエコーも最新版はこんな解釈しましたよ、で良いんじゃないかと。

逆に元々好きなキャラだっただけに、この改変は残念と思う人も勿論居るだろうし、そういう主張も勿論全然アリだと思いますしね。

 

最初に発表された当初は「デアデビル」への繋ぎの為のストーリーになるんじゃないかと言われてましたが、蓋を開けてみれば改めてヒーロー誕生譚を描く独立性の高い作品でした。が!ヒーロー退場したのは良いけど、どこにも繋がらないならそれはそれで何それ感はあるし、いずれ他の作品にも顔を出すんだろうけど、それがいつなのかわからないし、広げるだけ広げてアッセンブルする気配の無さにみんな疲れてるのかなと。かくいう私だって2話目まではすぐに見たけど、忙しさにかまけて1か月放置してました。

 

とはいえ、かつてのアベンジャーズもそうでしたけど、最初から順番に見るのじゃ無く後から入った時に、このキャラの話も見てみようみたいな後追いした人も多いだろうし、アメコミの楽しみ方がそもそもそういうものです。気になったキャラが居たら後からバックナンバー漁って読んだりするものなので、例えそんなに話題にならないのだとしても、こうして置いておくこともそれなりに意味があったりはします。

 

予定されてる「サンダーボルツ」がアッセンブルに近いし、予定にこそ入って無いものの、前振りだけしてる「ヤングアベンジャーズ」もいいかげんにお願いしたい。

 

次は映画だと「デッドプール3」ですが、ドラマは?「アガサ・ハークネス」か「アイアンハート」辺り?これを待ってたんだ!感は薄いですが、期待しすぎない程度に次を待ちたいと思います。

 

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アクアマン/失われた王国

www.youtube.com原題:AQUAMAN AND THE LOST KINGDOM
監督:ジェームズ・ワン
原作:DCコミックス
アメリカ映画 2023年
☆☆☆

 

「アクアマン」シリーズとしては2作目。
DCEUとしては13作目に当たり、これが最後の作品とされる。

 

というか一つ前のDCEU作品「ブルービートル」が日本では劇場未公開のソフト(配信)スルーになり、ユニバースとしても今回が最後。
ライバルとして一時は世界を制したマーベルの方ですら、最新作の「マーベルズ」が歴代興行収入で最低を記録したりと、アメコミスーパーヒーロー映画のバブルは露骨に終焉を迎えてしまいましたね。

 

勿論私はブーム以前からのオールドファンですから自分がこの手の作品を見なくなるとかはないんですけど、不遇な時代も知ってるのでいつかこのブームにも終わりは来るだろうと覚悟はしてましたし、それがようやく来たかという感じです。


最初の「スパイダーマン」辺りからと考えると、20年も継続したのは十分すぎる期間です。だって今の新成人くらいの人にとっては、生まれた時から映画館で普通に毎年何本もアメコミ映画がかかってる世界線なんでしょう?わたしらおっさんの世代にとってはそれが特別な事に思えるけど、今の若い子にとっては、え?普通じゃね?だって生まれた時からあったし、みたいな感覚なのかなと。

 

初期の頃は一部のマニアな嗜好家が楽しむものだったものが、いつかそれがスタンダードになり、廃れてはいくものの、それがある事が当たり前の人が居るんだから、新鮮さもなく爆発的なヒットとかは望めないかもしれないけど、定着した文化にはなっていくんだと思います。

 

DCもマーベルもこの先も新作はどんどん控えてますしね。
とはいえ、一応は今回が最後の作品的な部分に関しては、そんなノスタルジックな感傷を憶えつつも、作品内ではそんなフィナーレ感があるかといえば、そんなのは全く無い、至って普通の「ありきたりなアメコミヒーロー映画」な感じでした。

 

元々最終章として企画されたものじゃないし、アクアマンは1作目も好評でしたので、普通に2作目であり、おそらくは次もありきな3部作の構想もきっとあった上で作ってるんじゃないかと思われます。でもそれが制作側のオーナーのゴタゴタで、今回で終わり、後はまた仕切り直しするからと、そういうお家騒動に巻き込まれた感じ。

 

映画アクアマンの良さは、ユニバースとして暗い作風を続けていた中で、ぱっと明るい陽性のヒーローにした事。そして、色々難しい事情もあるのかもしれないけど、そういうのは一端置いといて、酒でも飲んでパーっと騒ごうぜ!という陽キャ思考が個性として生きたとこです。

 

前回のヴィランでもあるブラックマンタが再びのメインヴィランですが、今回は「家族」というテーマを打ち出す事で前回のもう一人のヴィラン、オーシャンマスターことオームとアクアマンの兄弟にスポットライトを当てる展開。劇中でもふざけて「ロキ」とか言ってたけど、ここがソー&ロキっぽい感じに見えて、向こうでは悲劇に終わった感のある兄弟の話をこちらは、色々と腹に抱えつつ再生していく感じが凄く良かった。

 

ビジュアル面では前回ほど海中のシーンは多くなく、砂漠パートがまたあったり、髑髏島かジュラシックパークみたいな古代生物がひしめく地上世界みたいな所が多かったのが、賛否分かれる所でしょうか。個人的には海こそがアクアマンの魅力と思うので、そこが減ったのは残念でしたが、前作で十分にやったし、同じ事をまた繰り返し経って仕方ないみたいなクリエイティブな方向でのあえて別な事をやる気持ちもそれはそれでわかりはします。

 

愚か者は壁を立てるが賢者は橋をかける問題も、アーサーは物理的に解決しちゃうよ的なギャグをやりつつ、ちゃんとね地上と海底、人間とアトランティス二つのかけ橋になるのが自分の役割なんだっていうラストに持って行ったのは素直に良かったし、とってつけた感はあったけど、一つの時代が終わって次はまた新しい時代、新しい世界が始まるよっていうのをここでフィナーレに出来て良かったなと思います。作品の内容的には「フラッシュ」の方がユニバースの終わりっぽいけど、明るいアクアマンが締めくくりをするというのも、キャラに合ってたかなぁと。

 

欲を言えば本人使えないなら顔は直接移さなくても、口元とシルエットだけでもスーパーマンバットマンワンダーウーマンがアクアマンの演説をTVか何かで見て、あいつ良い事言うじゃないか、とニヤリとして終わってれば満点だったかもしれない。

 

この作品が面白い作品だったか、良い作品だったかと言えば、私的にはそこまでじゃないだろうと思いつつ、でもアクアマンらしい作品だったなとは思えるし、この「陽な感じ」で全て許せるのは、決して悪くは無かった気がします。

 

「ブルービートル」はいずれ見ますが、「ブラックアダム」「シャザム2」「フラッシュ」と個人的には気持ちが完全に離れてしまった状態で見た中で、作品に対するまともな評価もする気にならないくらいになってた流れで、最後は素直に今までありがとうと思わせてくれるくらいの感覚に戻してくれたのには素直に感謝したいです。

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アクアマン

アクアマン(吹替版)

原題:AQUAMAN
監督:ジェームズ・ワン
脚本:デヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック、ウィル・ビール
原作:DCコミックス
アメリカ映画 2018年
☆☆☆☆★

 

続編のアクアマン2の前に1を復習。
こちらはDCEU(DCエクステンデッドユニバース)の6作目として公開。
ジャスティスリーグ」の次の作品で、後に公開された同ザック・スナイダーカットではこの作品への布石としてメラとバルコも出演していたが、劇場公開版ではそこは全てカットされてました。JL内での話とは関係無い本当に次の繋ぎの為の部分でしたし、そこはフラッシュ関係の描写もそうでした。おそらくザック的にはおまけパートだけでなく、本編中にもそうやって連作ドラマの仕込みをやってくスタイルだったのでしょう。

 

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こちらの監督は、デビュー作低予算スリラー「ソウ」でいきなり大ヒットし、以降「インシディアス」「死霊館」「ワイルドスピード」と多くのフランチャイズを成功に導き、今やハリウッドで最も成功したアジア人監督と言われる、ジェームズ・ワンが担当。

 

ここの前後にあった「ワンダーウーマン」「シャザム」がザック・スナイダーの管轄とは別の形で作られてて、DCはこういう単発の方が面白いんじゃないの?と思わせてくれた勢いのある時期でした。

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海底にあるアトランティス帝国の王という、所謂「海」担当という明確な設定があるので、専門枠として昔からジャスティスリーグではお馴染みで重宝されるキャラであったものの、人気の面ではトリニティ(スーパーマンバットマンワンダーウーマン)やフラッシュ、グリーンランタンには及ばずの立場で、時期によっては不人気キャラとしてネタにされがちなキャラだったアクアマンを一気に人気キャラに押し上げた1作。

 

マーベルで言えば「ソー」みたいに、原作と映画ではだいぶイメージを変えてきたキャラです。原作のアクアマンは映画のヒゲモジャでタトゥーびっしりのワイルド系とは正反対の、シュッとしたタイプ。映画ではビジュアル的にはライバルのオーシャンマスターとアクアマンを逆のイメージにした感じです。

 

それゆえに、原作ファンの中には求めていたのとちょっと違うと思う人も居ると思うんですけど、単純に映画としてはただのイケメンにしなかった事で他のスーパーヒーローとは違う個性に感じられるし、個人的には良かったんじゃないかと思います。

 

そして何より!海底世界がメインになる、ビジュアルの面白さが凄く新鮮。マーベルでもこれの後に「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」に出たネイモアがほぼ同じ設定の海底世界アトランティスの王というかぶり設定なので、「アクアマン」の映画の後でネイモア・ザ・サブマリナーを作るのは正直大変だろうなって当時思った記憶があります(実際はやっぱりアプローチを変えた作りしてきました)

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大変だけど、最初にやったもの勝ちというか、ここで「斬新で新鮮なビジュアルだけど、なんかちょっとしか写さないし荒も感じるな」みたいな程度に留めずに、もうこれが決定版で良いでしょうレベルで見せてくれるので、初見の時は非常に満足度も高かったと記憶してます。

 

海洋物、昔から映画ではあるジャンルだと思うけど、有名所って何だろう?「アビス」とかそういうの?私はあまり通ってきてないし、「アバター2」や実写「リトル・マーメイド」はこれより後ですものね。そんな意味でアクアマンは時期が良かったと思う。
マーベルで言えばむしろ「アントマン」みたいなもので、縮小世界は昔から映画で定番作がいくつかあったけど(「ミクロの決死圏」「インナースペース」とか)そういうのを今の技術で改めてやる事が新鮮でインパクトがあった作品で、それに近い気がします。

 

そして物語も勢いがあるというか、公開時から凄く言われましたが、少し設定とかの小難しい話が入ると、長くならない程度にそこに丁度良く敵が攻めてきたり、飽きない程度にドカーン!という爆発が入る。ホラー出身らしい演出で、急にビックリ系がちょこちょこ入るんですよね。それがまた楽しい。

 

海中がメインではありつつ、ちゃんと地上でのアクションもあれば、海とは正反対の砂漠のシーンまであったりで、飽きさせない工夫があるのが素晴らしい。
そしてとってつけたような冒頭と最後、お父さんお母さんのラブストーリーで締めてあるのもベタだけどグッと来ます。
そして地上人と海底人のハーフ、今で言うとハーフじゃ無くダブルって言い方ですよね、そこがちゃんと物語として、そしてキャラ設定にも生かされてるのが本当に上手いなと感じます。
古風な純血、一つの血筋だけにこだわる事を捨て、どちらの視点も持ってるからこそ王に相応しいし、二つを繋ぐ存在になるのだっていうのが現代的なメッセージにもなってて、DCEUの中でも飛び抜けて良い作品だったんじゃないかと。

 

という事で2作目「アクアマン:ロストキングダム」観て来ます。
結果的にDCEU最終作の形ですが、作品の出来うんぬん以前に「ブラックアダム」「シャザム2」「フラッシュ」は背景のゴタゴタのおかげで完全に気持ちが折れた状態で見てて作品を楽しむ気持ちにすら影響しちゃってましたが、最後くらいはね、モヤモヤじゃなくスッキリ楽しい気持ちで観てこられれば良いなと思います。

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ホワット・イフ...? シーズン2(MCUその48)

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原題:WHAT IF...? SEASON2
シリーズ監督:ブライアン・アンドリュース
アメリカ 配信アニメ 2023年 全9話
☆☆☆

 

MCUで「もしも○○があの時に●●していたら?」というイフ・ストーリーをオムニバスアニメ化した「ホワット・イフ...?」の第2期。
2023年12月22日より、毎日1話づつ更新されていくという、過去にない公開方式で配信されました。ようやく観終わったので感想。

 


▼2-1 もしも…ネビュラがノバ軍に入ったら?
ブレードランナー風の世界感。
ネビュラがヨンドゥの矢を装備してたり、映画の方だと顔見せ程度しかしてないハワード・ザ・ダックがそれなりに出番が多い。まさかのヨン・ロッグ登場とか、地味に色々な所を拾ってる印象。

 

ハワードは多分、実写映画の方では掘り下げとか今後もやる予定無いからアニメでやって良いよって事かも。

 

▼2-2 もしも…ピーター・クイルが地球最強のヒーローたちを襲ったら?
子供時代のクイルがエゴの予定通りに配下になってしまい、地球に襲来。シールドは地球の危機に対抗すべくチームを結成。アベンジャーズより前の世代のチームとは・・・

 

ハンク・ピム版アントマン、話の中で設定としてだけ語られていたビル・フォスターのゴライアス。先代ティチャカ王版ブラックパンサー、ライト・スピードエンジン開発者のウェンディ・ローソン博士。地球の危機にと貸してくれたウィンターソルジャーに、更には本物のソーも参戦。

 

シーズン1のガーディアンズ・オブ・マルチバースみたいに、この時点でアベンジャーズとは違う新チーム結成とか面白い話でした。

 

▼2-3 もしも…ハッピー・ホーガンがクリスマスを救ったら?
ハッピーがハルク化。
敵は何と・・・ジャスティン・ハマー!まさかのアイアンマン2に出てたあいつですよ。ヨン・ロッグに続いてまた森川キャラ。藤原さん亡き後のアイアンマンも森川さんが担当してるっぽいので、まるで森川バースじゃねーか。

 

関智一アントマン2の時の敵とブラックウィドウの協力者な上に主役でムーンナイトやってたりするし、田村睦心もダーシー・ルイスとエレーナ2役やってたりと何気にマーベル関係の声優かぶりは気になる。今後はデップー参戦してきたらヴィジョンとも加瀬さんかぶっちゃいますし。

 

そんなダーシーに、本編の扱いがあんまりな終わり方をしたマリア・ヒルも登場。スーパーパワーを持たない人がメインで、構造的には「ダイハード」のパロディと、色々と挑戦し過ぎな回でした。

 


▼2-4 もしも…アイアンマンがグランドマスターと出くわしたら?
ああこれがシーズン1の時に完成間に合わずに2に回したって言ってた奴か。「アベンジャーズ1」のラストで地球に帰還できなかったアイアンマンが惑星サカールにたどり着く。「バトルロイヤル」をソーじゃなくトニーでやったバージョンに更にガモーラが介入という色々なリミックス具合。
戦闘が剣闘士スタイルじゃなく、スターウォーズ1の時みたいなレース形式で、絵作りがメチャメチャ気合入ってて凄いクオリティ。コーグやヴァルキリーと仲良くなるトニーが面白い。

 


▼2-5 もしも…キャプテン・カーターがヒドラ・ストンパーと戦ったら?
キャプテン・カーター版「ウィンターソルジャー」かと思いきや、後半はそこに「ブラックウィドウ」もリミックス。ここに来てようやくフェイズ4のネタも解禁。

 

MCUだと私はキャップ派ですので、その周辺の話が生かされるのは素直に嬉しい。キャップのストーリーアークの派生だから「It's Been A Long, Long Time」もちゃんと使いますよっていうのが素晴らしい。アクションも見応えあるし、ペギーとナターシャのコンビも凄く良いです。

そして最後におや?という展開がここから入る

 


▼2-6 もしも…カホーリが世界を造り直したら?

ネイティブアメリカンのモホーク族のカホーリがコズミックキューブの力を身に付け、イギリス軍の侵攻を食い止める話。


ネイティブアメリカンにルーツを持つヒーローはマーベルには何人か居るけれど、そこをMCUに組み込んだとかじゃなく、原作にルーツを持たないアニメオリジナルキャラ
のようです。

 

スピードスターっぽい能力もあるっぽいので、多少エターナルズの俊足マッカリのイメージもかぶる。ただ基本的にはコズミックキューブが絡むくらいで、ヴィラン側も特に既存のキャラは使って無いし何でこんな話を作ったのか?という困惑の方が強い。多分最終話へのネタフリみたいな感じか?

 


▼2-7 もしも​​…ヘラが10個の指輪を見つけたら?

過去のヘラが封印されずに、ミッドガルド(地球)に追放され、テン・リングスのウェン・ウーと出会う。ここでようやくフェイズ4「シャン・チー」に絡めた話が来た。「バトルロイヤル」でも結局倒せずじまいだったヘラが、さらにリングで強大な力を
手にしてしまうのか?或いはまだ正義だった頃のウェン・ウーがヘラを倒してくれるのかどっちに話が転ぶのかと思ったら、割とまさかの展開。ター・ローでの修行すげぇな。

 

ヘラとウェン・ウーというヴィラン同士の組み合わせ回のヴィランはオーディーンという一捻り聞いたまさしくもしもの世界。まあ元の世界でも良い人そうで父上結構やらかしてる人だったからなぁ。

 

▼2-8 もしも​​...アベンジャーズが1602年に集結していたら?

コスプレ劇?
ヘラ、ソー、ロキらの兄弟が治める国。家臣はハッピー。(この世界のトニーは変人)キャップ、バッキー、スコットがチームを組んでロビンフッド的な義賊をしている世界に飛ばされたキャプテン・カーターだったが、ウォッチャーが言う所にはこの世界は滅びが決まっている世界。干渉は無意味だと説くも、カーターは救いの道を探す事に。

それぞれ別世界の住人という形ですが、スティーブとペギーのイチャイチャが見られるというのはファンには嬉しい。ああそう言えばこの話に限った事じゃないですけど、ペギーの愛称はペグなんですね。

 

▼2-9 もしも​​…ストレンジ・スプリームが介入してきたとしたら?

キャプテン・カーターの前に現れたのはストレンジ・スプリームだった。クリスティンを失い、一度はダークサイドに落ちたものの、今はマルチバースの救済に動いているという話だったが・・・。

 

という事でシーズン2最終話。
シーズン1の時はね、あくまでオムニバス集だと思ってたのが、最後に話が繋がりますよっていうのがサプライズとして面白かったんですけど、そういう前提を踏まえた上でシーズン2ですから、一応個々のネタとしてはオムニバス的には見れるように作ってあるけど、全体的には繋がった大きなストーリーですよ、というのは正直ちょっとダレる。

 

実質的な主人公ポジションになったキャプテン・マーガレット・カーターも好きなキャラではあるし、男性社会だったマーベルユニバースの初期から女性の活躍を入れる事での歴史・社会の変化という部分は面白い部分ではある。

 

でもさぁ、個人的にはもっと気軽に「もしも」のオムニバス集で良いんじゃないかなぁ?やっぱり媒体がアニメですから、マーベルスタジオ制作とはなっていても、実写映画とは違うベクトルですから、こっちはこっちで「ホワットイフ・ユニバース」作っちゃおうぜってなってしまっている印象。
「アイ・アム・グルート」と同じで、MCU本編とは繋がってるんだか繋がって無いんだかよくわからん、ぐらいで良いんじゃないかと私は思うんですけどねぇ。

 

オリジナルのカホーリとかどういうつもりで作ったんだろう?シーズン3ありきでアニメだけのサーガを見据えた配置なのかなと思える。

 

制作時期とかも含めて仕方ないのかもしれませんが、フェイズ4のネタも少なく、「シャン・チー」関連がそこそこ、一応「ブラックウィドウ」も触れはしたっていう程度。「エターナルズ」は絡めてくれんのかい!という辺りが非常にもどかしく感じた。

 

MCU本編でもアッセンブルしてないんだから、アニメで勝手に集合とかさせられないんだろうなという事情はわかるけど、ならもう少し自由が効くようになってからの次シーズンでも良かったと思うし、世間で言われてる通り、全体の管轄が上手く回って無い印象でやっぱり勿体無い。

 

多分、マーベル離れを実感してるから、今回のシーズン2は1日づつの更新で一気に配信したし、次の「エコー」も全話一挙配信の予定ですよね。
週一更新だと、飽きて完走できない人が増えてきてるから、興味の持続性を考えてそういう形にしてるんだと思いますが、個人的には毎週が良いです。
映画が無い時期の隙間をドラマなりが埋めていく、っていう展開が私としては嬉しいのですが、とりあえず今年は仕切り直しと考えて、また今後に期待が持てるようにしてくれればと思います。

 

最後、ユグドラシルの樹に向かったのは「ロキS2」に絡めての展開なら嬉しいけど、割とその辺は曖昧なままなのが「ホワットイフ」ですしね、どうなる事やら。

 

 

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アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ

アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ

AVENGERS/FANTASTIC FOUR:EMPYRE
著:アル・ユーイング、ダン・スロット(作)
 ヴァレリオ・スキーティ他(画)
訳:石川裕人
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2023年
収録:EMPYRE #0 AVENGERS(2020)
   EMPYRE #0 FANTASTIC FOUR(2020)
   EMPYRE #1-6(2020)
   EMPYRE:AFTERMATH AVENGERS #1(2020)
   EMPYRE:FALLOUT FANTASTIC FOUR #1(2020)
☆☆☆★

WE BEGIN OUR EMPYRE!
銀河列強種族たるクリーとスクラル、100万年に及んだ両者の星間戦争についに終止符が打たれる時が来た。両種族の血を引くハルクリングを新皇帝に戴き、クリーとスクラルが固き同盟を結んだのだ。だが大戦の終結は、次なる騒乱の幕開けでしかなかった。新たなる帝国《エンパイヤ》の誕生が意味するものとは何か……アベンジャーズ、そしてファンタスティック・フォーはこの危機をいかに乗り越えるのか? 

マーベルを代表する二大チームが挑む驚異のスペースアドベンチャー開幕!


なんか映画やドラマは割と書いてるけど、アメコミそのものは結構ペースが落ちてしまいましたが、毎月2~3冊買ってはいるので今年はどんどん消化していかないと、という感じで居ます。

 

一つ前に読んだのが「アベンジャーズ:チルドレンズクルセイド」で、あちらが「ヤングアベンジャーズ」最終章的な趣でしたが、原書の刊行上は10年くらい離れてるけど、こっちは更にヤングアベンジャーズのエピローグ的な部分もあって、こういう積み重ねやリンクがまさにアメコミらしさです。

 

本筋は、ヤングアベンジャーズの一員だったハルクリング(テディ・アルトマン)がクリーとスクラル二つの対立する種族両方の血を受け継いだ混血だった為、ハルクリングが両種族の王位につく事で、何千年と続いてきた「クリー/スクラル戦争」がついに集結した。

 

・・・かと思われたが、かつて両方の種族の争いに巻き込まれて滅亡したと思われていた植物種族のコタティが復活。強大な力を蓄えていたコタティ族は新たな帝国(エンパイア)を再興するため復讐をしかけてきた。

過去に幾度もクリー/スクラルの抗争に巻き込まれ、各種族に遠からぬ縁を持つ者も多い為、アベンジャーズとファンタスティックフォーも種族間の対立に介入していく。
という感じのお話。

 

リチャーズ家の子供二人、フランクリンとヴァレリアがいつの間にか結構成長してたんですね。実際「FF」の方のストーリーラインはヒューマントーチとシングを残して、リチャーズ一家の方は異世界へ行ってて本筋と合流するのはここが久々だった様子。

 

そしてコタティ族とその中心セコイア。私は全然知らないキャラだったので、クリーとスクラルを統一しちゃったから、単純に新しい敵でも作っておかないと話が広がらないのかなとか思ってしまいましたが、昔から元々ある設定を丁寧に拾ってきた部分なんですね。
さらにソーズマンとマンティスとかMCUでは馴染みがあるけど邦訳ではあんまり出て無いので原作での全然違う設定で出てくる部分とかは結構不思議な感じ。

 

設定と言えば本編じゃなく解説書にしか書いてない部分だけど、キャプテンマーベル=キャロル。最近、普通の地球人じゃ無くクリー人の血を引いてる設定が追加されてたっぽい。しかもクリー人ネームがカー=エルとか、もしかしてカル=エルさんとか意識してません?

 

マーベルのイベントタイトルあるあるですが、タイイン無しでイベントだけ読むと物凄くダイジェスト感が強いし、コタティとの戦いだけでなく、スクラルの内紛とかも描かれるので、なかなか物語が掴み難い。
しかもエピローグが2話分も入ってて、いかにもなクリフハンガー。次のストーリーアークを待て!みたいな感じで終わっちゃうので非常にもどかしい。

 

そんな中でね、クリー・スクラル合併国?の王につくにあたって、いや自分には王の前にやり残したことがあるよと、ウィッカンと結婚式をあげる所はヤングアベンジャーズを読んできた身としては感慨深いです。

 

正直ね、ハルクリングなんて今回の話、王座につく為のストーリーラインありきで作られたようなキャラだなとは思ったんです(ヤンアベ初期からこの構想があって作られたかと言えばそうでもないでしょうけど)。そんなに人気のあるキャラだとも思えないし、ウィッカンとの同性カップルみたいなのも、ヤングアベンジャーズのイマドキ感を出す為のようにもどこか思えていた。

 

でも、それでもさぁ、こうして結婚式とか挙げてるの見ると、あの世界で彼らもちゃんと彼らなりの考え方を持って、彼らなりの人生を生きてたんだなとか思えて、なんか良かったねと思えます。

 

次のイベントは?キングインブラックでいいのかな?

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